ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■凝り性
年末から年始にかけて、かなり散財してしまった。
いろいろな物を買い込んだのだが、その中で一番お金をはたいたのが薬だった。
風邪を引いているせいで薬局に足を運んだのだが、買ったものは風邪薬ではなく、栄養ドリンクだった。
どうせ風邪薬なんか飲んでも治らないのだから、せめて体力だけはつけておこうと思ったわけだ。
で、効果はあったのかというと、まあ会社で仕事するぶんには支障がないから、効果はあったのだろう。
しかし、栄養ドリンクは、何でああも高いのだろう。
千円クラスのドリンクがずらりと並んでいたが、これは安い方である。
中には1万円以上するものもあった。
そこまで高いものは買わなかったが、「一発で風邪が吹っ飛ぶドリンクをくれ」と言ったので、かなり高いものを勧められた。
おなじみの朝鮮人参やロイヤルゼリーがたっぷり入ったやつである。
とりあえず、その場でそれを1本飲み、後は千円クラスのものを何本か買って帰った。
それからぼくの病気が始まった。
凝り性である。
その後も違う種類の栄養ドリンクを買い求めた。
結局栄養ドリンクにいくら遣ったのかは覚えてないが、おそらく病院に行ったほうがかなり安くてすんでいたはずだ。
しかし、一度凝ってしまった栄養ドリンク癖は、なかなか治まりそうにない。

ぼくの凝り性は、いつもこういう具合である。
パソコンといえば、プリンターなど基本的なものには興味を持たないが、ネットや本などで『これがあると便利ですよ』など紹介しているソフトには手を出してしまう。
そういうソフトには、必ず類似品があるのだが、それも手に入れようとする。
おかげで、ぼくがソフトに費やすお金は、プリンターを買うよりもはるかに高くついている。

十数年前、ラーメンに凝ったことがある。
知人の家で遊んでいた時のこと、夜中に急にラーメンが食べたくなった。
近くのラーメン屋ですましていればいいものを、その知人がわざわざ博多まで長浜ラーメンを食べに連れて行ってくれた。
それから病みつきになった。
その人の家に遊びに行くたびに、長浜ラーメンを食べに行ったものだった。
それだけでは飽きたらずに、福岡県内でおいしいと言われているラーメン屋を片っ端から制覇していった。
出張があれば、その行った先々でおいしいラーメン屋と言われるところに行ってみた。
挙げ句の果てには、福島の喜多方まで足を伸ばした。
そこまで行って、やっとぼくのラーメン欲は落ち着いた。
それだけ食べ歩いて、結局ぼくが一番おいしいと思ったのは、家のすぐ近くにあるラーメン屋だった。
今はそこで食べるだけで満足している。

コミックもそうである。
手塚治虫に凝った時には、ちょうど金回りが良かった時で、一挙に買い揃えてしまった。
今、ぼくの家にあるコミックの3分の1は手塚作品で、その時買い揃えたものである。

CDもしかり。
前の会社にいた時、CDの担当をしていたので、かなり凝ったものを裏業界紙などで調べて注文していた。
沖縄民謡の第一人者である嘉手刈林昌や、津軽三味線の高橋竹山を知ったのもこの時である。
以来、この二人のじいさんのアルバム集めに精を出すことになる。

ぼくにこの凝り性がなかったら、今頃もう少しまともな生活を送っていたことだろう。
しかし、今が楽しいのだから、凝り性のぼくがまともなのかもしれない。
01月03日(金)
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