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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■転勤
ぼくは前の会社で11年勤めていた。
その間、店内の異動などはあったものの、転勤は一度もなかった。
その会社は全国展開していたため、どこに転勤になるのかわからなかった。
中四国や関東、北海道や東北もあり得るのだ。。
ぼくは、親の面倒を見なければならない。
そのため、もし転勤の辞令を受けたら辞めるつもりでいた。
が、以前日記にも書いたような諸事情があって、辞令を一度ももらわずに辞めてしまった。
そのままいたら、確実に今の1、5倍の年収はあっただろう。
しかし、人生金ではない。
少なくともぼくは、年収に命をかける人間ではない。
もし、そのまま前の会社に残っていたとしたら、今のようなのんびりとした生活は出来なかったにちがいない。
朝は家を早く出て夜は遅く家に帰るような生活を強いられるため、こういうホームページを作る暇もなかっただろう。
というより、パソコンに興味を持つことさえなかったかもしれない。
そういうこともあり、今まで辞めたことについての後悔は一度もしたことはない。

さて、今の会社に移ってからは3回転勤している。
10年前、入社した時は本社の横にある店舗にいた。
そこで1年勤めた後、今勤めている店に移った。
ところが3ヶ月後に、また本社の横にある店舗に戻ることになった。
それから、その店で5年勤め、4年前にまた今の店に移った。
行ったり来たりである。
今働いている会社は、北九州市内でしか展開してないので、転勤といってもたかがしれている。
前の店と今の店は所在している区が違うものの、通勤時間は5分しか変わらない。
とは言っても、転勤はやはり嫌いである。
ぼくは、環境が変わると、慣れるまでに時間のかかる性質の人間だからだ。

会社を変わって3年ほどたったある日のこと。
売場の電話が鳴ったので、ぼくは受話器を取り、何気なく「はい、○○です」と言った。
ところが、相手が「ええ!?○○さんですか?」」と言うのだ。
『あ?』と思って、よくよく考えてみた。
なんとぼくは、前の会社の名前を名乗っていたのだった。
あの時は慌てた。
幸いその電話は、取引先の人からだったので、笑い話ですんだのだが、一般のお客さんだったら、そうはいかないだろう。
電話番号を間違えたと思い、切ってしまうかもしれない。
電話をかけ直したら、また同じ声の人間がする。
今度は「はい、××です」と言っている。
こちらはただ言い間違えただけのことなのだが、お客さんとしては、からかわれていると思い憤慨するだろう。
もし順応性のある人なら、そんな失敗はしないはずだ。
会社はそういう順応性のある人をどんどん転勤させてやればいいのだ。
ぼくのような、頭がさび付いている人間を転勤させると、ろくなことはない。

まあ、市内の転勤は、転勤のうちに入らないのかもしれない。
やはり、転勤と言えば、関東から北海道、関西から九州、といった地方から地方へといったパターンの異動を思い浮かべる。
今日、あるお客さんが「今度、岩手から転勤になったんですが」と言って、商品をいろいろ買っていった。
会社も会社である。
何もこの時期に転勤させなくてもよさそうなものだ。
その人が帰った後、「あの人、ノーと言えなかったのかなあ」とぼくは思っていた。
しかし、もし「ノー」と言ったら、会社をクビになり、家族を路頭に迷わせることはわかりきっている。
ぼくが辞めたバブル期でも転職は結構難しかったのだから、今はそれどころではないだろう。
だから、そう簡単に会社を辞めることも出来ない。
結局彼は妥協した口だろう。
それまでの環境を捨て、家族と離れ、最悪の年末だろうなあ。
12月07日(土)
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