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頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■七三分け
先日、ワイドショーを見て大笑いした。
特に笑うような内容ではなかったので、そのことについて出演者は何もコメントをしなかった。
しかし、ぼくには充分笑える内容だった。

何がそんなにおかしかったか。
それは、蓮池さんのお兄さんが、例のシャッターの前で記者団に囲まれていた時に、最後に発した言葉だった。
「(弟に)、『七三分けはやめな』と言いました」
いつも冷静沈着なお兄さんだから、別に笑いをとろうと思って言ったのではないだろうが、案外その発言は、彼一流のギャグだったのかもしれない。
その発言に関して、お兄さんは何も説明を加えなかったので、その辺のところはわからないが。

さて、なぜぼくがその発言で笑ったのかというと、別に蓮池さんの七三分けが似合わないからではない。
北朝鮮当局は、日本に帰国させる5人を、日本国民に、裕福で幸せに暮らしていると思わせるために、彼らに精一杯のおしゃれをさせたはずである。
北朝鮮では一番のおしゃれだろう。
髪型も、平壌で一番の美容院で整えたはずである。
その結果が、あのタラップから降りてきた時の、スタイルだったのだ。
しかし、服装はともかく、あのヘアスタイルを見たほとんどの人が、「ダサイ」と思ったはずである。
センスのいいお兄さんのことだから、タラップを降りてくる弟の姿を見て、きっと「あっちゃ〜」と思ったことだろう。

おそらく、先の「七三分けはやめな」発言は、弟に対してではなく、北朝鮮に対しての痛烈な皮肉だったに違いない。
「いくら偉そうなことを言っても、所詮それだけのファッションセンスしか持ち合わせていない国じゃないか」
お兄さんは言外に、そう言いたかったのだろう。

そういえば、ぼくが小学生の頃、髪を真ん中から分けることを『朝鮮分け』と呼んでいた記憶がある。
どうして真ん中分けが『朝鮮分け』になるのかわからないが、確かにその頃は、そう呼んでいた。
それはさておき、小学生の頃、ぼくの周りのほとんどは『坊ちゃん刈り』をしていた。
しかし、中には横分けしている奴もいた。
横分けすると、馬鹿な奴でも賢く見え、貧乏人でも金持ちの子に見えたから不思議である。
ぼくも横分けに挑戦したことがあるのだが、額の上のツムジがじゃまをして出来なかった。
髪が硬いせいで、ツムジのところが浮いてしまうのだ。
ということで、いまだにぼくは前髪を垂らした、小学生時代の延長のようなヘアスタイルである。
強いて名前を付ければ『中年坊ちゃん刈り』となるのだろう。

ぼくは昔から、髪をくしやブラシでとく習慣がない。
寝癖がついている時にブラシでとくぐらいで、その他の時は、何もしないか、手ぐしである。
また、ドライヤーも20代と30代前半は使っていたが、20歳までと30代後半以降は使っていない。
髪を伸ばしていた時期は、髪を洗った後、犬のように頭を振って水を切っていた。
髪が長くない今、タオルで軽く拭いた後は、自然乾燥である。
ドライヤーを使っていた頃はいつもつけていた整髪料も、今は全然使っていない。

テレビでは毎日、北朝鮮の異常な性格の持ち主である指導者の、豪勢な暮らしぶりを紹介している。
それとは対照的な、飢餓にあえぐ国民。
そういうものを見せつけられるたびに、いつも憤りを感じている。
そういう時、ぼくのようなヘアスタイルに無頓着な者でも笑ってしまう、『朝鮮七三分け』は貴重であるといえる。
今までは『北朝鮮ウォッチャー』だったが、これからは視点を変えて、『七三分けウォッチャー』でいこうと思っている。
それにしても、北朝鮮はいろんな意味で、話題に事欠かない国である。
11月21日(木)
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