ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■リー君&ペク君
ペク君「ところで、帰国者から、何か連絡はあったか?」
リー君「いや、今のところない。彼らも工作員に囲まれているから、連絡が取りにくいんだろう。こちらから連絡しようと思っても、ホテルの電話は盗聴されているから使えんし」
ペク君「困ったもんだなあ。何かいい方法はないのか?」
リー君「実は、今日ソーレンのほうから、こういうものが届いた」
ペク君「お、携帯電話か」
リー君「これはただの携帯電話ではない。iモードという日本の最新兵器らしい。これ一台で、電話はもちろん、手紙のやりとりもできる。しかもこれにはカメラが付いている」
ペク君「すごいなあ」
リー君「デジタルだから盗聴されにくいということだ」
ペク君「ほう。ところで、帰国者はその電話番号を知っているのか?」
リー君「ああ、ソーレンが、みんなに知らせてくれている」
ペク君「じゃあ、まもなくかかってくるわけだな」

(ケータイ)「プルル、プルル、プルル」
リー君「お、さっそくかかってきた。はい、リー・・・。あれ? おかしいなあ」
ペク君「どうした?」
リー君「いや、切れてるんだ」
ペク君「切れてる? 誰からだったんだ? 履歴を見ればわかるだろ」
リー君「ああ。・・・。やっぱり、おかしいなあ」
ペク君「どうした?」
リー君「誰も電話してきた者がいないのだ。え? 何だ、この印は? さっきはこんな印なかったぞ」
ペク君「どれどれ。・・。ああ、これか。漢字の『四』に似た印だなあ」
リー君「ちょっと、ソーレンに聞いてみる」

リー君「もしもし、リーだが。今なあ、iモードなる兵器の呼び鈴が鳴ったんだよ。で、出てみると切れていた。おかしいと思って画面を見てみると、漢字の『四』みたいな印が出てるんだよ。これは、何かね」
ソーレン「漢字の『四』?・・・。ああ、それはメールですよ」
リー君「ああ、これがその印か」
ソーレン「はい。『プルル』って鳴ったでしょ。それが合図です。電話の場合は『リーン』と鳴るようにセットしています」
リー君「そうか。ところで、君はどうして『メール』などという敵国語を使うのかね。共和国の人間なら、ちゃんと手紙と言いなさい」
ソーレン「? ・・すいません」

リー君「手紙の印だそうだ」
ペク君「そうか、手紙か。で、誰からだ?」
リー君「ちょっと待て。・・ん? 全文日本語で書いてある。同志は日本語が堪能だったな。ちょっと読んでくれんか」
ペク君「どれどれ。・・・。なに!?『×××されたい主婦/綺麗系のお姉さん/学生・OL・人妻/無料で試食可能』、何だこりゃ」
リー君「それは暗号だよ。共和国に早く帰りたい、と言ってるんだ」
ペク君「ああ、なるほど。暗号か」
リー君「あれだけの工作員に囲まれているんだ。まともなことは書けないだろう」
ペク君「そうだな」

(ケータイ)「プルル、プルル、プルル」
リー君「また手紙か。もう10件目だぞ。今度は何だ?」
ペク君「これも暗号だ。『簡単に会えるデキル/出会い初心者歓迎』となっている」
リー君「敬愛する将軍様に早くお会いしたい、という意味だ」
ペク君「そうか。しかし、こう手紙ばかりだと飽きるなあ。相手もわからんし」
リー君「これも日本の工作員のせいだ」

(ケータイ)「リーン」
リー君「お、今度は電話だ」
ペク君「しかし、すぐ切れたなあ」
リー君「おそらく、工作員に見つかって、すぐに切ったんだろう。今度は履歴が出ている。ここに折り返しかけろということか。ん?」
ペク君「どうした?」
リー君「おかしいなあ。市外局番が06になっている。ニュースでは大阪に行ったとは言ってないんだが」
ペク君「そうだなあ」
リー君「ああ、出た出た。もしもし、もしもし、もしもーし」
ペク君「出ないのか?」
リー君「音楽が鳴っている」
ペク君「音楽?]
リー君「ああ。あ、女性の声だ。もしもし」
ペク君「女性か」
リー君「え? 泣き出したぞ」
ペク君「変わろう。もしもし、ペクという者だが・・・。あ?」
リー君「どうした?」
ペク君「悲鳴が聞こえる」
リー君「ひ、悲鳴が!? 拷問を受けているのかも知れんぞ」

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10月20日(日)
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