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リュカの日記
by リュカ
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それからしばらく、メッセの子からの連絡は途絶えた。
もしかしたら、今E君が受けた行為についての詳細をメールで打ち込んでいるのかもしれない。だから時間がかかるんだ。
俺は、メールが来るのが怖かった。
『もう助けてくれ・・・!』という気持ちになってうずくまってた。
10数分後、メッセの子からメールが着た。
一言「はい」とだけ書かれてた。
俺の願いが届いたのだろうか。
メッセの子はその詳細について打ち込んでいたけど、途中で俺を気遣って、打ち込んだメール内容を消去して、新たに「はい」とだけ書き直して送ってきたという事だろうか。
これ以上蜂の巣を突付くような真似はしたくなかったので、『もう聞きたくない・・・』という気持ちを込めて、俺は「きつい……」と返事を返した。
そこから、メッセの子からの連絡は途絶えた。
でも、俺はE君の事を考えずには居られない。
E君に対する苦しい気持ちをどこかに吐き出そうと思うなら、メッセの子と話をするより他に無い。
だけれど、メッセの子とE君について話をすると、嫌でも聞かされる事になるだろう・・・
本当に悪循環だ。
俺はE君が受けた行為を知る事どころか、E君が陵辱されたという事を感じさせられる事そのものが恐ろしくてたまらない。
だけど、『どんな事をされたんだろう・・・』と、ずっとモヤモヤ気にしてしまう。
一度全部聞いてしまった方がいいのだろうか・・・
聞きたくない、でも気になってしょうがない・・・
どうしていいのか分からない・・・・・
現在午後20時56分。

どんな事をされたのだろう・・・・・・
それを全部知ってしまったら、また激しいショックで沈むんだろうな・・・
そして、数日経って落ち着いた頃には、人生に対して更に淡白な気持ちになって、抜け殻みたいになるのだろうか。
嫌になる・・・
明日は必修科目の「西洋美術史」の授業がある。
この授業でも、課題レポートが出されてた。
その為に、俺はここ数日美術の本を読んできた訳だけど。
俺はまだ、レポートの方には全く手をつけていない。
明日提出しなければいけないので、今日中に全部仕上げてしまわないと。
でも、課題に取り掛かる気力が全く沸かない。
E君の事で、このどうしようもない気持ちから抜け出せないのだ・・・

E君が受けたほっぺの傷は、そんなにパックリ深いのだろうか。
一生残ったりするのだろうか。
そんな事を考えながら、またカッターで頬をガリガリやってしまう。
本当に、何とはなしに。
痛みはあまり気にならない。
俺は極端に臆病だったはずなのに、何度もガリガリやってしまう。
少し気持ちが落ち着いた。
目が冴える感じになったと言うべきか。
切るのを辞めた後、冷静になってふと「あれ、もしかして今俺がしてた事が自傷行為ってやつなのかな」と思った。
自傷行為をする人間は、こうやって心の痛みを和らげるんだ、と実感出来てしまった感じだ。
肉体的な痛みを感じ、自身の出血を目にする事で、精神的な苦痛が一時的に少し晴れたように感じてしまって。
何か、10代の子ならまだしも、24歳にもなってみっともないように感じるが。
普段なら、恐ろしくてとても出来ない。
俺は意思が弱いので、これにハマってエスカレートしてしまわないかと不安になった。また苦しくなった時にはまた……と。
俺は強迫神経症の気質もあるので、これが儀式化してしまわないか、そっちも少し心配だ。
「右を何回、左を何回切って1セット。1.2.3.4.5・・・。またやり直しだ・・・」みたいになったり。
現在午後22時59分。

少し前、「キリスト教思想」の授業で、
「私はもし断崖絶壁の上に立って、下を見下ろすとすれば、その時めまいを感じる。それは、『私は落ちはしないか』と恐れるからではなく、『自ら身を投げはしないか』と恐れるからである」という言葉を習った。
誰の言葉かは知らないが。
何か、今その言葉が結構身に迫ってきているように感じてしまう。
『この刃を眼球に押し当てたら』とか『性器に押し当てたら』みたいな事を考えてしまい、『そうしてみなければ気が済まない』みたいな気持ちになりそうで・・・

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01月29日(月)
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