ID:104448
暴かれた真光日本語版
by 日記作者
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■憑依の精神病理
一〇例中五例が「浮霊現象」を経験した(表8)。精神症状については、教団の
教義と精神医学的治療との相克が新しい心因となって精神症状の増悪をみた
場合と、「浮霊現象」が精神症状の増悪を来した場合の二通りの形がある。

(中略)

精神科医の立場からは次の二点が問題と考える。第一はS教団の現代医療
批判である。日本の新宗教の多くは医学をはじめとする現代医学と拮抗せず、
調和をとりながら教勢を広めている。しかし、S教団は立教の始めから
積極的に、そして攻撃的に公害や薬害を批判し、教勢を伸ばしてきた。
多くの教団が協調をはかっている中で、S教団のみ積極的に尖鋭な医療批判を
行っているのである。こうしたことは、一方で現代的な課題を荷っていると
受け入れられても、信者の多くは受け入れないか、葛藤が生じるだろう。


389 名前:参考書ネタ 4/8 投稿日:02/03/09 13:06
第二の問題は「浮霊」である。表7の一〇症例のうち「浮霊」を経験した
五症例を表8にまとめた。全例とも何らかの不随意運動を呈し、三例において
人格変換体験を伴う憑依症状を示した。五例中四例は「浮霊」を契機として
精神症状が増悪した。これは何故か。先に述べたM儀式から考えると、
儀式中、求道者は暗示にかかりやすい状態、つまり催眠にかかりやすい状態に
なり、これが精神症状悪化の原因になっているのではないか。(後略)

従来わが国の民間信仰や新宗教は、憑依を起こしたシャーマン的教祖に正気のまま
導かれる信者という構造があった。たとえ教祖が精神医学的に病的であったとしても
信徒がすべてそうなることはない。しかしS教団の場合、信徒一人一人が「シャー
マン化」し、精神医学的な危機に陥る恐れがある。表8の「浮霊」を来した症例は
この恐れを裏付けていよう。

S教団の問題点は、特殊な一教団に限られた現象ではなく、これまでわが国で
起こった多くの新宗教の問題点と軌を一にしている。S教団は初代教祖の死、
後継者争いを通し、現二代目教祖の指導のもとに、信徒の再組織化と教義の
整理が軌道にのり、現代医療と調和してゆく方向も認められる。これらの
動向は社会のいわば辺縁的(marginal)な存在であった同教団の中心(core)への
進出であり、今後も注目してゆく必要があろう。


390 名前:参考書ネタ 5/8 投稿日:02/03/09 13:09
最近筆者は十年ぶりに、S教団を宗教治療の側面から、同教団の某支部の許可を
得て検討した。宗教儀礼などは同じであるものの、宗教的治療に関する国際
シンポジウムの開催などに明らかなように、かつてに比べるとはるかに宗教
治療的側面、精神療法ないし集団療法的側面を前面に打ち出していることを
実感した。またM儀式も治療的役割をはたすものが多くみられた。(後略)

(略)

この事例ではM儀式を受ける側から与える側になり、他の病む人に自分が
癒し手となる体験を積んだことが治療的に大きな意味をもったと筆者は
考える。
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読んだ感想として。
随分S教団に配慮して書いているようだ。精神科医の立場から問題点を挙げて、
最後にはフォローを入れているという感じだ。次の円応教の取り扱い方と
大分違うと思う。円応教は実名を出して教祖の精神分析もしているのだが。
念のために言うと、これは私の感想で読み違いもあるかもしれない。


391 名前:参考書ネタ 6/8 投稿日:02/03/09 13:10
このS教団が崇教だった場合、元信者としては「ふーん」と思う。そんなに
改善されてたかな。病気直しではないとさんざん言われたのにさ。

診断にある「心因」というのは、精神障害の原因として分類されている物の
ひとつらしい。別の本を参考にすると「内因、外因、心因」という分類がよく
使われるようだ。「心因」は精神障害が心理的、環境的要因から引き起こされた
場合を指し、神経症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが該当するそうだ。

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