ID:104147
龍神様のささやき
by 龍
[261197hit]

■上品、下品
「上品、下品」という言葉は、非常に良く使われるのではないでしょうか。

「あの人はいつもスマートで、立ち振る舞いや話し方まで上品である」
「食事をすれば食べ散らかすし、話をすれば汚い言葉遣いだし、あんな下品な人とは一緒にいたくない!」
といったやり取りは、ごくごく普通の会話でも出てくるものです。

ただ、日常的によく使われる「じょうひん、げひん」といった読み方以外にも、「じょうぼん、げぼん」と読む事をご存知でしょうか。
その語源として、「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」という経典に、「上品(じょうぼん)・中品(ちゅうぼん)・下品(げぼん)」と出てくる言葉がございます。

これは極楽浄土に住む者に対して、その生き方に応じて与えられた位のようなものになるのですが、いくら容姿や立ち振る舞いが良かったとしても、人を傷つけたり騙したり、嘘をついたりといった事をして、仏様の教えに遠い言動があるならば、それは「下品(げぼん)」である。
逆に教えや戒律を守って正しい道を歩んでいれば、「上品(じょうぼん)」というように、道徳や倫理に反する心がないかどうかによって、大まかに3つに分けた教えがあります。

また上記の3つを、それぞれさらに「上生(じょうしょう)・中生(ちゅうしょう)・下生(げしょう)」と分ける事で、一番上の「上品上生」から一番下の「下品下生」まで全部で9通りに分けられております。
よく品物や食品などにランク付けをする際、「上の上、中の下、下の上」などといった表現をしますが、この言葉が由来と言われております。

さて、私たちが毎日を過ごす中で、誰しも下品に生きるより上品に生きていきたいものでございます。
その中で今回の言葉が示すように、ただ身なりなどの外面だけを整えて振る舞われるのではなく、心も正しく清らかにする事で、少しでも上品(じょうぼん)に近づいて過ごせるように。

お送りする便りを通して、改めて外面だけにとらわれてしまう事無く、心や内面が上品である事の大切さが皆様に伝わり、日々の精進や後押しに繋がれば嬉しく思います。
04月05日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る