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龍神様のささやき
by 龍
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■情けは人の為ならず
今回の便りは、ある方の話をお伝えさせて頂きたいと思います。
海外を旅行中であったAさんは、旅先で現地の方に道を尋ねました。
すると、「そこは分かりにくい場所だから、私が案内してあげます!」
現地の方はそう仰り、Aさんの事を案内して下さいました。
しかし、10分経っても、15分経ってもなかなか目的地に着かず、「本当に大丈夫かい?」、「大丈夫だから、心配いらない」といったやり取りが続いた中で、やっと目的地に着く事ができました。
Aさんは、見ず知らずの自分にそこまで親切にしてくれた現地の方に、何かお礼を・・・と思ったものの、相手の方は受け取らずにこのような事を仰いました。
「私はあなたに親切した。だからあなたは、この次に、誰かに親切してあげて下さい。それが私に対するお礼になるから。よろしくお願いします。」
Aさんはその体験について、「本当に素晴らしい出来事で、自分は一生忘れる事はないでしょう」、という事を仰っておりました。
※
さて今回の件名の通り、“情けは人の為ならず”ということわざがございます。
この言葉の意味として、「情けをかける事はその人の為にならない」、といった形で理解されている方も多くいらっしゃるようですが、本当は、「情けを人にかける事は巡り巡って自分に返って来る。だから、誰にでも親切にしなさい」という意味が正しい解釈となります。
それを表す言葉として、「情けは人の為ならず、巡り巡って己が(自分の)為」という一文がございます。
人とというのは、「自分が、自分が」と、ついつい自分の為・自分の事を優先に考えてしまいがちです。しかし上記のお話のように、人の為を思って誰かに親切する事ができたなら、自分の心もすごく幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。
今までの便りの中でも、因果応報の理や因縁についてお話させて頂いた事がございましたが、このことわざの一語を通して、人の為に行う行為は巡り巡って自分の為になるという事を、改めて皆様に感じて頂けたなら嬉しく思います。
03月29日(日)
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