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龍神様のささやき
by 龍
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■影の形
「影は形に随って直く、響きは声に逐って応ず。
三途の苦果は前因をもって出て、四禅の楽報は
今縁に感じて昇る。」

◇意味
影は形に添って現れ、山彦は声のままに響くように、今ある苦しい生活も豊かで幸せな生活も、全ては自分の業の結果として感じるところである。


今回のお言葉は、弘法大師・空海が説かれた「十住心論(じゅうじゅうしんろん)」、という本に書かれている言葉となります。

お伝えした言葉の意味を下段にてご説明させて頂きましたが、今の生活を振り返ってみた中で、楽しみや苦しみその全てが、ご自身のしてきた今までの言動によって巡って来る流れがある。その心理を説かれた言葉でございます。

例えば、仕事が嫌い・楽しくない・・・と感じられる状況において、心のどこかで「どうして自分だけ○○をしなくてはいけないのか、○○をしなくてもいいんじゃないか・・・」など、楽をしたい気持ちや逃げの思いがあると、それが業となっていつまでもお仕事をつまらなく感じてしまうものです。
逆に覚悟を決める。ではないですが、「これは自分がしなくてはいけないもの、ごちゃごちゃ言ってもはじまらない」などの決意を抱かれるだけでも、お仕事に対する姿勢から、状況も大きく変わって来るものがあると言えます。

また、誰かに対してわがままを言ったり困らせてしまうような言動があれば、それが業となり、自分から人が離れてしまう状況が巡って来る流れもある事でしょう。

改めまして、影は自分の形に添って姿を現し、引く車は牛の歩みに沿って進んでいくように、何があって今の状況があるのか。
幸せな日々を送られている方も、そうでない方も、ご自身を見つめ直される戒めの意味で、一つの気付きやキッカケに繋がれば嬉しく思います。
05月19日(月)
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