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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■妹バトン
リアル妹を紹介するもよし、脳内妹を紹介するもよしです。
『WILL』より出演、回答者は大公国の若き太陽、キリエ陛下。
公式には“病弱のため離宮にて長期静養中”とされている妹公女について語ってもらいます。
苦手な方・興味のない方はブラウザバック☆
Q1.まずはじめにあなたの妹の名前を教えてください。
アリア、と申します。名づけたのは今は亡きユディル公后、つまりわたしたちの母上でした。
あの子の名には両親の願いが込められております。けれど、あの子自身はそれを未だに知らぬやもしれません……。
Q2,妹さんは何歳ですか?
今年で14歳ですね。わたしとは10歳以上も離れているので、あの子の生まれた日のことは今でもよく憶えております。
本当に、月日が経つのは早いものですね。わたしが最後にあの子に会ったのは一体いつのことだったか……。
Q3,妹さんから何て呼ばれていますか?
遠い昔、あの子の傍で暮らしていた頃は『姉上』と呼んでくれておりましした。
でも、今はどうかしら。まだ、わたしを姉と呼んでくれるのでしょうか。
分かりかねますわ。手紙の中では姉上と書いてくれるのですが……。
Q4,妹さんのことを何て呼んでいますか?
名前で、アリア、と。
学友のラグや、ごく親しい周りの者との話題に挙げるときは『あの子』と言ってしまうことが多いかもしれません。
Q5,妹さんとあなたの関係を一言で説明すると?
大公と夢見姫。一国の君主と、君主を支援する特殊機関の旗頭。
だから、今となっては、そう簡単には面談が叶わない立場にあるのです。
《クリスタロス》は諮問機関としての側面も備えているし、時には行政府の長たる大公に対して諫言を呈することもできなくてはなりません。
大公と《クリスタロス》が密接すぎると、幽王の治世末期の悲劇が繰り返される危険が高まるでしょう?
悲しいことに、危険防止のための体制を確立させたのも、あの子を利用して夢見姫の椅子に縛りつけたのも、他ならぬこのわたしです。
母上も父上も亡くなって、もはやたった二人の直系公族なのに。
会わせる顔がないですね……。
Q6.あなたにとって妹さんはどんな存在ですか?
かけがえのない家族です。
胸の奥深くでいつも気にかけているのだけれど、何もしてあげられなくて心が痛むわ。
Q7.妹さんのことをできるだけ詳しく教えてください。
とてもね、可愛い子なの。
人懐こくて、無邪気で、好奇心が強くて、もう見ているだけで暖かい幸せな空気が漂ってきそうな、そういう子。
髪はわたしと同じ金髪で、毛先に緩い癖がついていて。瞳は碧瞳。どちらも父上から譲り受けた外見上の特徴です。
わたしが直接見知っているのはずいぶんと昔のあの子だけど、こっそり人づてに聞いた限りでは、今もそんな雰囲気があるようね。
ただ、送られてくる手紙が年々おとなしくなっていくのが少し心配です。自分の気持ちを押し隠して、わたしを困らせないように気を遣ってくれているような気配が感じられて……。
あの子には学友がいないし、夢路御殿に勤める侍女たちは、話し相手にはなっても相談相手には向かないでしょうしね……。
長年溜め込んできたものが重なって、思いつめてしまっているのではないかしら。
Q8.思い出せる限りでいいので妹さんとの思い出を語ってください。
まずは14年前、離宮にととのえられた産褥の間で、初めてあの子に会ったときのこと。
いとも幸せそうに眠る顔を見た瞬間の、あの感激は、今もまざまざと思い出せます。
あの子はふくよかな赤子でした。頬なんてもうバラ色そのもので、とても愛らしくて。この子を無条件に守ってあげなくては、と全身が痺れたように強く感じたのです。
手を握ったら、思いのほか強い力で握り返してくれて……その手の小ささと熱さに、なぜだか自然と涙がこぼれ落ちました。
産後の経過が思わしくなかった母上のことも気がかりでしたが、あの頃のわたしは、生まれたての小さな妹のことばかり考えていたような気がいたします。
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11月11日(火)
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