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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■金沢旅行記その2

金沢駅付近で朝食をとったあと、金沢城・兼六園方面へ。
駅前の町並みが都会だったので、緑ゆたかな兼六園まで相当の距離があるのかと思いきや、意外にも徒歩で行ける程度の場所でした。
歩くうち、頭上に不穏な雲が垂れ込めてきて、ぽつりぽつりと降ったりやんだり。せっかくの旅行中にぐずついた天候というのは嫌なものですが、三人のうち二人が雨女となると、これはもう仕方ないのかな(笑)
とはいえ帰宅するまでの間、傘をささねばならないような本降りになることはなかったし、時には晴れ間もあったので本当によかったです。

金沢城は、石川県金沢市丸の内にある、戦国時代から江戸時代にかけての平山城跡。加賀藩主・前田氏の居城だったところです。
加賀藩主といえば、やっぱり一番有名なのは前田利家でしょうか。彼の一族の住まいであり、加賀藩の政治の中枢でもあったわけですね。
通称は尾山城。日本100名城に選定されているそうな。
ちなみに、岡山市の後楽園、水戸市の偕楽園と共に『日本三名園』と謳われる金沢の代名詞──兼六園は、この金沢城に付属して作られた大名庭園ということなので、兼六園の由来は金沢城抜きには語れない、と。そういうところです。

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■金沢城memo■
菱櫓・橋詰門・橋詰門続櫓・五十間長屋といった建物は再建築されて、『金沢城公園』と改称されている。
さらに今年、金沢城跡として国の史跡に指定された。
遺構(過去の人類の活動の痕跡のうちの不動産的なもの)として、長屋・門、石垣、土塁、堀などがあり、国の重要文化財(石川門、三十間長屋、鶴丸倉庫)など、一見ただのお城のようだが、 世界遺産の登録を目指しているだけあって、かなり重要な史跡。

入場料を払い、長屋の中に入って内部を見学。
城の作りを分かりやすく解説したCG映像を見たのですが、精密に加工した木材を複雑に組み合わせていくことによって、衝撃に強く崩壊しにくい建築物ができるのだそうです。

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ものすごい職人技ですよ。柱の一本一本が、途方もなく巨大で複雑怪奇なパズルみたいにして作られてるんですから。
柱だけでなく、瓦や石垣なんかにもそれぞれ職人の技巧が凝らされていて、加賀は優秀な職人を抱えていたんだなということが伝わってきました。さぞ豊かだったんでしょうね。なんたって百万石だし。
しかし、長屋の階段がどえらく急勾配になっていてびっくりしましたよー。両手でしっかり手すりにつかまらないと落ちそうなくらい、すっごく急な階段なんです。転落事故が年に何度か起きないのかしら……。

金沢城雑感。
それぞれ名前がついたお堀に囲まれていることや、偵察や射撃のための櫓が多く設けられていることもそうですが、なんというか、本当に『戦をすること』が前提の建造物だな、と強く感じました。
堀を越えてきた敵に矢の雨を降らせるような仕組みだとか、屋根の瓦は有事の際に鉄砲弾にもなる鉛瓦が使われている、とか。
いろいろ考え抜かれた設計で、その根底にあるのは防衛。藩主を、その家族を、政に携わる要人を守ること。徹底しているなぁと感心しきりでした。
……と、思ったのですが、ウィキペディアには『あまり堅固な城とは言えない』とか書いてありましたよ。(なら日本で一番堅固な城って一体どこだろう?)
ともあれ、城がさほど堅固でないので、城下町にて敵を迎え撃つために多くの寺が建立された、という経緯があるのだそうです。
なるほど! どうりでやたらお寺の多い街だと思ったよ。昔は寺社が軍事拠点の役割を担ってたんですね。納得。

余談ですが、そのうちのひとつ、日蓮宗妙立寺(通称忍者寺)の井戸には、金沢城に通じる抜け穴があるのだとか。

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隠し寺や落とし穴などのカラクリを無数内包する妙立寺は人気スポットらしく、要予約だったので、残念ながら見学できず。通りすがっただけでした。
でも近くのお店で撒菱を買って、個人的には満足です。

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11月07日(金)
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