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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■遙か3プレイレポNo.14:炎、悲劇、決意
望美ちゃんははっとして白龍を見上げました。
そう、白龍が完全に力を取り戻さずとも、一つだけ時空を越える力があるのです。
白龍の喉元の逆鱗。それを使えば元の世界に戻ることができる。
けれども逆鱗は龍神の力の源。それを剥がせば白龍は存在できなくなる。
制止する望美ちゃん。静かな表情で言葉を紡ぐ白龍。
「私はあなたを失えない。たった一つ、力があるならあなたに――」
逆鱗を剥がして消えゆく白龍と、噴き上がる炎、白く輝く逆鱗。
それを握りしめて血を吐くように悲痛な声を上げる望美ちゃん。
「神子、生きて……!」
白龍ぅぅうううぅ!!(号泣)
「私の神子」「私は神子の龍だよ」という何度も聞いた台詞の、あの無邪気な声が脳裏にリフレイン。
どうして、こんな、哀しすぎる結末になってしまったんだろう。
自分の命を犠牲にした先生と白龍。平家方と戦って散ったと思われる弁慶さんと景時さん。九郎さん、譲君、ヒノエ君、敦盛君、そして朔ちゃんは、あの後焼け崩れる館から逃げ出して、そして知盛さんに討たれてしまったのでしょうか。将臣君もあちらに残したまま……。
ちと辛口に評するなら、この場面はアニメーションで描写されましたが、もう少し画質が良いと本当によかった。音楽は素晴らしかっただけに残念です。
次に気がついたとき、望美ちゃんは雨の降りしきる学校にいました。
時空を越えて元の世界に戻ってきたのです。
あの世界に行く前、最初に白龍と出会った、クリスマス前のあの日に。
ただ、あのとき隣にいた将臣君が、譲君の姿が、ない……。
一人だけ、自分だけが切り離されて戻ってきてしまったことに呆然とする望美ちゃん。
タイムラグは全くなくて、学校や友達に変わりはありません。
ここで冬休みのことや時間割なんかを考えて毎日過ごしていたことが、まるで何年も前の出来事のようですね。
でも、これがもともとの自分の世界。本来いるべき時空なのです。
春満開の神泉苑で花断ちを習得したこと、夏の光にあふれる熊野で怨霊を封じたこと、紅葉散る福原の惨敗、鎌倉での悲しみ、八葉たちと過ごした日々も……全部ぜんぶ、ここからは遠い。まるで夢のように、決定的に隔たっています。
誰か一人を気にかける選択肢が出たので、炎に包まれる京邸ではぐれてしまった九郎さんを選択。判官びいき。
「九郎さんに……もう会えないの?」
呟いた望美ちゃんの掌には、固くて冷たい感触。白龍の逆鱗です。
跳ねる鼓動。
龍の鱗は時空を越える力がある。
たった今、自分はこの力で時空を越えてきた。
なら、もう一度、時空を越えられる?
今の自分は、初めて時空を越えたときとは違う。剣で戦う力もある。
今の自分だったら、こんな過酷で哀しい運命に抗えるかもしれない。
運命を……変えてみせる。
あの世界に行こう。大切な人を助けるために──!
こうして望美ちゃんは再び、今度は自ら切望して時空の狭間へ飛び込むのでした。
「流されない! 私が行く場所は……あの人のいるところだよ!」
なんて凛々しい主人公なんだ!(感涙)
自ら剣を掲げ、真っ正面から運命に挑む神子。
うん。遙か3が大人気だというのも頷けます。完璧惚れましたよ、望美ちゃんに。
シリーズ1作目の主人公・あかねちゃんもかなり頑張り屋さんで可愛くて好きですけど、
望美ちゃんのほうが鮮烈な存在感があって、より印象強いです。
暗い濁流のような時空の狭間を通り抜け、やがて……。
目の前に、九郎さんがいました。
どうやら起こしにきてくれたようです。
わあああん九郎さん! 九郎さんだぁー!(泣)
乙女の寝室に入り込んできた無遠慮な振る舞いも、様子のおかしい望美ちゃんに「変なものでも食べたのか?」という無粋な言いぐさも、全部綺麗に許せてしまいます。そんな無骨な九郎さんが大好きですから!(ぇ)
現在地は熊野。そう、夏。熊野水軍の協力を求めてやってきた、勝浦の宿ですね。
望美ちゃんは、この世界に帰ってきたことに切ない喜びを隠せません。
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03月16日(日)
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