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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■遙か3プレイレポNo.13:兄と弟
戻ったところで九郎さんは軍を動かす権限を取り上げられたままだから、
やはりここは頼朝に直談判するのが優先でしょう。
焦燥を抱えて辿り着いた大倉御所。
門扉を守る御家人は、九郎の身分と境遇を知りつつも
「追討軍から外れた御身には関わりのないことだ」と居丈高な態度を取ります。
望美の抗弁に耳も貸さず、話すことなどないと門前払いです。
九郎「会って話せばきっとわかっていただける」
御家人「どうやらあなたは鎌倉殿と兄弟だということに甘えておられるようだ。鎌倉殿は関八州を束ねる御方。あなたはもともと対等に話のできる身分ではない」
九郎「今回だけでいいんだ。軍に戻してもらえれば、きっと平家を打ち破ってみせる!」
御家人「立ち去られよ。仮にも御大将だった方のそんな姿はさすがに見るに忍びない」
こ、こンの頼朝のイヌめぇええ!!
直接頼朝に言われるならまだしも、一介の守衛にこんなふうに言われて門前払いなんて!
九郎さんの心痛は筆舌に尽くしがたいものがありますよ。
門戸を叩き、涙声を絞り出す彼の姿はもう見ていられませんでした。
もらい泣きしてしまいそうで。
「兄上……兄上、どうして、会ってくださらないのですか……?」
うわあああん!!(号泣)
この人は、決して平家側の人間が憎くて戦場に出ていたわけではありません。
平家の人間である敦盛君が源氏陣営に身を寄せたとき、
「怨霊を救うために平家を捨てるという、その言葉に偽りがないのなら」
と言って受け入れてくれたことからも、それは明らかです。
九郎さんが太刀を取る理由は、兄のため。源氏のために他ならないでしょう。
源三郎頼朝という唯一無二の棟梁のもとに世の中が平定されることを望み、
源氏の者として兄に衷心から仕え、怨霊を使って世の理を乱す平家を相手に、
いつだって最前線で戦功を重ねてきた。
なのに……。
「もう一度戦って勝てば、頼朝さんの心も和らぐよ」
望美ちゃんの言葉によって、九郎さんは崩れ落ちそうな心を立て直して京へ駆けつけることになりましたが、頼朝のこの強硬な態度がやはり気がかりですね。不穏な気配がむんむんです。
一方、鎌倉御所の内部。
政子「本当によろしかったんですの、あなた? 九郎はまだ役に立ちますのに」
頼朝「九郎は力をつけ過ぎた。今のうちに、理由をつけて始末しておいたほうがよい」
こんな会話が交わされていました。
なんたることでしょう、すでに頼朝は実弟を排除する心を固めてしまっているのです。
兵たちに慕われ戦功を重ねる九郎さんは、大将として源氏の嫡男として、敵味方に大きな存在感を示しています。
このままではいつか自分を脅かす。頼朝はそう考えたのでしょうね。
歴史にいう平治の乱で父(義朝)と兄(義平・朝長)を殺され、伊豆に流され、
機を得て平氏追討の兵を挙げるも石橋山で破れ、後に富士川の戦いで大勝──
という激動の半生を送った頼朝は、おそらく先見性と防衛心とが肥大していたに違いありません。
そう考えると、この非情な仕打ちはいかにも頼朝のやりそうなことだな、と納得してしまいました。
確かに、もし九郎さんが頼朝に反旗を翻すような事態になれば、頼朝よりも九郎さんにつく兵士は多いだろうし、
九郎さんのように軍を掌握する立場にある人が次第に増長していったとしても、そう不思議なことではありませんしね。
でも、肝心の九郎さんは純粋すぎるくらい一本気で、そんなこと夢にも思っていないというのに。
兄のために戦い、勝って、勝ちすぎてしまったがゆえに危険分子と見なされる。
こんな辛いことってないですよ。
九郎さんが可哀想です。
うーん。私も典型的な『判官贔屓』ですね。
>>>次回へ続く
03月15日(土)
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