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うららか雑記帳
by 浜月まお
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■遙か3プレイレポNo.12:欠けた八葉
これじゃあの頃となんにも変わらない、と譲君が内心自分を責めているような節が見受けられました。
有馬が間近に迫ったところで、ついに意識が暗転。望美ちゃんは気を失ってしまいます。
次に目が覚めたとき、視界に入ってきたのは白龍の顔でした。
白龍もまた、望美ちゃんの負傷に深く責任を感じずにはいられないのでしょう。
神子が目覚めたことを確認するなり、思い詰めた様子で陣の外に出ていってしまいました。
「力を欠いた龍が神子を望んだのが間違いだったのか」なんてことを口走って。
うあああ、悲嘆の連鎖が(涙)
白龍と入れ替わりに朔がやって来て、自分の怪我を治すことに専念しなさいと諭されるのですが、
どうしても他の人のことが気になる望美ちゃん。
朔の話によると、景時さんはなんとか本陣に帰還してきたとのことです。でも先生は……。
陣の外で先生の帰りを待つと言い張る望美ちゃんに、ヒノエ君の言葉が突き刺さります。
「負け戦は初めてかい? 気が済むまで待たなきゃ、いつまでも納得できないだろうからね」
ヒノエ君は若いのにずいぶん物事を割り切って、冷徹に状況を見据えた計算ができる子ですね。
望美ちゃんを気遣って肩に着物を着せかけてくれた敦盛君も、「覚悟をしておいたほうが」なんて言ってるし。
戦乱の世なら、10代でもこんなふうにどこかで割り切らざるを得ないのかもしれません。
でも望美ちゃんは諦められませんでした。
「覚悟なんていらない、先生はきっと帰ってくる」と頑なに信じて待つ姿は、
もう涙なしには見られませんでした。
先生……。
この戦の顛末を頼朝に報告するため、政子が鎌倉へ戻ることになりました。
鎌倉殿にとっては結果がすべて。今後のことは沙汰を待て──って。
ちょっと何それ。そんなのってある?
和議という題目をちらつかせておきながら、態勢が整わないうちになし崩しに戦端を開いて、
それで負けたからって前線で戦った九郎さんたちが咎めを受けるなんて。
九郎「兄上のご命令には従うのみだ」
弁慶「従って差し障りのない命令なら、僕も何も言いませんよ」
憂い顔の弁慶さんの言うとおりですよ。
潔いのは九郎さんの美点だし、棟梁を信じて従うのは武家の者として当然の習いだろうけど。
九郎さんを駒のように扱う頼朝に対してはもちろんのこと、
負けたというのに相変わらず余裕の表情で振る舞う政子にも、底知れない不穏なものを感じました。
夜。満天の星が輝く下で目を覚ました望美ちゃんは、再び先生を迎えに行こうと外へ出ます。
闇の中で出会ったのは九郎さんでした。
彼もまた師の帰還を待って、こうして陣の外に佇んでいたのでしょう。
普段だったら怪我人である望美ちゃんを叱って陣の中へ押し戻そうとするところだろうけど、
このときばかりは九郎さんも無理強いはしませんでした。
先生を待って、身を切るような想いを味わっているのは二人とも同じなのだから。
何かあったら自分が陣へ連れ帰る、離れるな、とだけ言い置いて、じっと先生の帰還を待つ九郎さん。
「探しに行ける場所なら自分で戻ってこられる。できるのは先生の帰りを待つことだけ」
九郎さんにとって先生は剣の師匠。付き合いも長く、心から尊敬している相手です。
自分が指揮した戦の中で、そんなかけがえのない人を失ってしまったら……。
九郎さんの胸中は、察して有り余るものがあります。
先生……。あのときの背中を、無理にでも引き留めるべきだったのかもしれません。
でも、先生が敵軍勢に隙を作ってくれたから九郎さんや望美ちゃんが逃げおおせたことは、紛れもない事実。
ひとかけらの迷いもなく敵陣へ斬り込んでいった先生。
彼は何を見て、何を知って、何を思っていたのでしょうか。
『私はお前の影だ。影に目を落とすな。
前を、拓くべき道を……未来を見つめるのだ』
『私は自分の意志でここにいる。
少なくともお前は「巻き込んだ」と気に病む必要はない』
『お前たちは逃げて──生き残りなさい』
この結果は先生が望んだものだったの?
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03月09日(日)
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