周回遅れに気をつけろ!
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F●RZAから、かれこれ2年程前に予約したミニカーが 入荷したとの連絡があったので、引き取りに行きました。 さんざん待たされたミニカーは、今年中途半端な引退 (さすがに復帰はないですよね)をしてしまった J・ヴィルヌーヴが1996年に初優勝を飾った時のモデル。 発売されるタイミングはちょっと悲しいかもしれません。
それはともかく、F●RZA横浜に到着すると、 入り口の扉に何やら貼り紙がしてあるではありませんか。 「衣料品関係50%オフ!、ミニカー40%オフ! NEWシールが貼ってある商品も20%オフ!」 マジ?、美味しいじゃん! って、あれ? 今セール中なの? セールがある時はいつもDM届いてたのに、 今回はそんな話聞いてないんですけど・・・。
なんとなく腑に落ちないものをものを感じつつ、 どういうことなのでしょう?と店長に聞いてみると、 「ははは、実は告知はちゃんとしてるんですけどね、新聞に。」 と言いながら取り出したのは、23日(金)のトーチュー。 確かに紙面の3〜4割近くを占めるデカい広告が載っています。 おおっ! F●RZAグループ、今回奮発したじゃないっすか! でもトーチュー買ってない私は、そのせっかくの広告見られないから 危うくセールの蚊屋の外だったのね・・・。(ひどい) トーチューはスカパー同様、F1ファンの必須アイテムですか?
今回新聞広告を出したことや開催時期には いろいろ事情がおありのようでしたが、 間もなくセールのDMが届くみたいです。 もう買い物済ませちゃったけど。(笑)
せっかくのセールなんですが、 私が買う予定のミニカーは入荷したてだから対象外。(がっくし) それでもせっかくのセールを利用しないと損した気分になるので(笑)、 無理矢理買うミニカーを探しましたとさ。 (そこまでして買わなくても・・・)
さて、結局買ったミニカーはこんなんです。
| ウィリアムズ FW18 ジャック・ヴィルヌーヴ 1st WIN 1996年 ヨーロッパGP
ジャックの初優勝のモデルなのに、いつものウィリアムズ・パッケージで、初優勝のめでたさがないですね(笑)。モデル自体も以前発売された通常版と余り変わってないので、モデルとして新鮮味がなく残念かも。 | | ベントレー Speed 8 2003年 ル・マン 優勝車 Kristensen / Smith / Capello
やっぱりベントレーは格好良いです。 2001年モデルと比べると、ちょっとゴテゴテしちゃった感がありますが(2001年のマシンはもっとミズスマシっぽい(笑))、レーシング・グリーンには重厚さもありますし、やっぱル・マンはクローズド・ボディでなくっちゃね。(笑) | | マクラーレン MP4 アンドレア・デ・チェザリス
40%OFFだったので買いました。(笑) 1981年の古いマシンなのですが、シンプルで潔くって、これはこれで結構格好良いんじゃない?と思うのですよ。 当時21歳のチェザリスの最高順位はイモラの6位。最高予選順位はフランスGPの5番手。 |
2004年01月23日(金) |
『ロード・オブ・ザ・リング SEE版』を観た。 |
| 監督:ピーター・ジャクソン 出演:イライジャ・ウッド ショーン・アスティン イアン・マッケラン ヴィゴ・モーテンセン オーランド・ブルーム イアン・ホルム ケイト・ブランシェット 原作:J.R.R.トールキン
原題:THE LORD OF THE RINGS “THE FERROWSHIP OF THE RING”
2001年/アメリカ映画
東劇にて鑑賞 |
SEE版とはスペシャル・エクステンデッド・エディションのこと。 DVDに収録されていた劇場未公開シーンを加えた、 言わばディレクターズ・カットや完全版のようなものです。 全国5ケ所の劇場のみで各2週間の期間限定公開、 その第1作目を観に行ってきました。
東京での上映は東銀座にある東劇。 最終回の開映時間が6時20分と、他の4劇場より早いのはなぜ? あと10分遅いだけで移動が楽になるのに・・・。 定時後、駅までダッシュしないと間に合わないんですもの。(困)
それはともかく、肝心の未公開シーンの長さは、 過去上映された他の作品のディレクターズ・カットや 完全版の比ではなく、たっぷり30分もありますので、 このSEE版の上映時間は実に3時間25分になります。(長っ!)
1本の作品としては長くはなりますが、映画としては、 やはりこれが本来の形かなとは思います。 公開版を観た時は、元々のストーリーが大きいので、 エピソードの連続となり、展開を急いでるなぁという印象で、 ストーリーが頭に入りにくい感じがしていました。
確かに未公開部分はカットしても支障がないシーンが大半ですが、 エピソードの合間に小休止を入れて、 観る側に情報整理のための時間を与えているので ストーリーをより理解しやすくなっていると思えます。 そういう意味あいでは、必要なシーンと言えるでしょう。 またカットされた部分の多くは人物描写に関係するシーンなので、 その部分によってキャラクターの膨らみが増すのは、 他作品のディレクターズ・カットや完全版と同様です。
正直、未公開部分を加えることによって、 ここまで良くなるとは思っていなかったので、 思わぬ拾い物をした気分です。 これは『二つの塔』のSEE版も観に行かなくっちゃです。
あ、また駅まで全力疾走しなくちゃいけないのか・・・。
2004年01月22日(木) |
総天然色 AKIRA(その3) |
前回の続きです。 ***************************************
今回のフルカラー国際版は、大友さんのオリジナルを アメリカのMARVEL [EPIC] COMICS社が翻訳出版したものを、 再度日本語に翻訳し直してあるのもポイントです。
ただフルカラ−版を楽しむだけなら、 またオリジナルのセリフを貼り込めば足りるのですが、 あえてそうせず、海外で読まれているAKIRAがどんなものか 感じて欲しいとのことで、再翻訳という形にしたそうです。 わざわざそうするということは、 オリジナルと国際版は違うのか?というと、 びっくりするくらい違っています。
連載当時は、ストーリーを把握できない読者も かなりいたらしいのですが、この国際版は 我が妹をして「妙に判り易かった」と言わしめる程で、 広い読者層をターゲットにしているようです。
オリジナルの場合は、絵から雰囲気を感じ取って、 少ないセリフの中でキャラが何を言いたいのかを 読者が自分で読み取る必要があったのですが、 国際版では、このコマの絵は何をしているかを わざわざセリフで説明しています。
例えば、バイクで走行中、道路が行き止まりに なっているのを見つけた金田が、 後続にそれを知らせるため、左手を上げるシーン。
オリジナルでのセリフは「チッ」の一言だけ。 これが国際版では、右手を上げて(笑) 「合図してみんなを止めた方がいいな」 って、実に説明的です。全体的にこんな感じ。
日本語 → 英語 → 日本語と訳した為に、 なんだか意味不明の言葉になったセリフもあります。 例えば、問題を起こした金田達に 体育教師が順番に体罰を加えるシーン。
オリジナルでは 「指導オ 行くぞオ」ガン。 「指導オ」ゴッ。
これが国際版では、 「いつでも喜んで多少の体育は教えてやる」WHACK。 「行動療法」THUD。
・・・訳分かりません。(笑)
おかしな言葉になっているのは、 訳者のせいかもしれませんね。 故・黒丸氏によるこの国際版の翻訳の文章は、 意訳がほとんどなく、全体的に直訳ぽい感じがします。 (上記のセリフなんて、翻訳前の英語が 想像できそうじゃありませんか?) 言葉がキャラのものになっていないんですよね。 こう言っては申し訳ないですが、 良くない翻訳の見本かもしれません。
翻訳家泣かせの文章と言えば、洒落(言葉合わせ)の部分だと かの戸田奈津子先生もおっしゃっております。 AKIRAに於いてもそういう部分があって、 その苦労ぶりが伺い知れます。
金田の族仲間が[春木屋]で会話するシーン。
オリジナルでは、 山形「今迄 こんなに いきだおれを感じた事はねぇぜ」 甲斐「お前なァ もうちょっと勉強しろよ」 山形「うるせェ」 甲斐「俺ァ 横に居て 赤面したぜェ いきどおりだよ 憤り! お前のは行き倒れ」 山形「いちいち そうやってお前はいつも 揚げ足を取ンだよな やな性格だぜ」 甲斐「アゲヤシじゃねェのか よく考えてみろよ」 山形「ケンカ売ってんのか てめェ」
国際版を再翻訳した故・黒丸氏の文章は 山形「俺ァ こんなに胃痛を感じたことはねえぜ」 甲斐「じゃあ 胃腸薬を飲めば?」 山形「傷ついてるのは胃じゃないの 俺の誇りなの」 甲斐「ばっかだなあ ものの言い方知らないんだから お前が言いたいのは“悲痛”だろ」 山形「自分でわかってるからいいの 意見を粗チンして悪いことないだろ」 甲斐「言うんなら 意見を“開陳”だろ」 山形「ほっといてくれ」
非常に苦労してます。(笑) 故・黒丸氏が洒落にこだわっている所を見ると、 きっと英語でも言葉合わせになっていたんでしょうね。 どんな英文だったか、ちょっと知りたい気もします。 (この部分は英文にあまりこだわらず、 洒落が成立するように自分で文章を考えたからか それ程おかしな文章でもないですね。)
…とまあ、なんだかんだと色々言ってますが、 しっかり2巻を楽しみにしている私です。 (もう出てるけど、まだ見てないの。)
2004年01月20日(火) |
総天然色 AKIRA(その2) |
前回の続きです。 ***************************************
左右反転以外の画面上の違いとしては、 セリフが横書きになったことによるフキダシの形の変化 (縦長から横長に)と、擬音の英語化があります。 (ちなみに今回の国際版日本語訳の文章も、 左開きに合わせて横書きになってます。)
アメコミではフォント(活字)の大きさによって 声の大きさや感情を表現しないのか、 フキダシが総じて小さく、例えば大佐が大声で叫ぶ 「何だとォ」のフキダシも 1/4くらいの大きさしかありません。 (伊達にオリジナルの状態を憶えているだけに、 迫力なくてものすごく違和感を感じます。)
大友さんと言えば、擬音も画面の構成要素のひとつとして センス良くレイアウトされていたのですが、 英語に直された擬音は、いかにもアメコミの書体で 原画が本来持つバランスを崩してしまっています。 連載時に話題となった、かの有名な[ドドドの開き]も 当然表現されていません。
↑[ドドドの開き]は、こんな感じ。
そうやって各コマの中も手を加えられているのですが、 形や大きさが異なるフキダシや擬音を書き換えると、 どうしてもオリジナルの部分で白くなる (何も描いてない)箇所が出てきてしまいます。 そこがベタなら大した手間ではないのですが、 そこに背景が描いてあろうものなら、 空白部分にはオリジナルの雰囲気を損ねないように 絵を描いてあげなければいけなくなる訳で、 想像するにこれまた大変な作業量でしょう。
最近行なわれるようになった少女マンガの翻訳出版の際は、 雰囲気を残すため擬音は日本語のまま残す傾向にあるとか。 実際に読めなくても、音の雰囲気って伝わると思いますし、 作者は擬音を含めて画面レイアウトをしているでしょうから、 ようやくそれに気付いてくれたのね、という感じです。
そうそう、書き足しと言えば、前回の版反転の際の文字。 左右反転すると、オリジナルでは見えていなかった文字が 見えてくるという現象が生じます。
例えば、[×中帽子店 ××店 電話031-4×××] (×の部分はフキダシに隠れて見えない)の場合、 これを左右反転して、文字を再反転すると、 フキダシが隠す文字の場所が変わってしまいます。 そこで、[山中×子店 新×× 電話031-423×]と 文字が描き加えられています。 (ただし、大友さんが見たら嘆きそうな文字で)
他に多くあった例が、横書きの看板で、 看板の左端しか見えていなかったのが、 左右反転することにより看板の右端が見えることになり、 やはり新たに文字が加えられています。
…って、そんな所までチェックしてる私って、 AKIRAマニアですか?(笑)
<明日の分につづく>
2004年01月19日(月) |
総天然色 AKIRA(その1) |
ご存じ日本が誇るSF漫画の金字塔である 大友克洋の『AKIRA』。 日本では1984年9月21日に第1巻の単行本が 発行されたこの作品は、現在では14の言語で訳され、 50ヶ国以上の国で販売されているそうです。
海外のコミックを見たことがある方なら ご存じかとも思いますが、向こうの漫画って 日本の様に白黒&トーンで描かれていなくて、 ほとんどが着彩されてるんですよね。
『AKIRA』の国際版も、 コンピューターカラーリストの スティーブ・オリフ氏が着色したとのことで、 海外マーケットのニーズに応えた形でしょうか。 一応大友さんが着色した数点を参考に カラーリングしていったらしいのですが、 もともと大友さんのカラーセンスは 目に痛い配色が多かったので、 本書も美しい彩色とはお世辞にも言えない仕上がりです。
グラデーション・トーンを使用しているものの、 基本的にベタ塗りなので、カットによっては ほとんどアニメ絵に近くなってしまっているのが残念。 スティーブ氏がアニメ影で個人的に 演出している絵までありますし・・・。(泣)
ところで、日本の漫画を海外向けにする際、 一番問題になるのが文字の問題からくる、コマの読ませ方。 日本語は縦書きで文字を右上から読むので、 コマも右上から読んでいきますが、 英語等の言語は横書きで左上から読むので、 コマも左上から読むように構成されています。
これに対応する為に、日本の漫画は原稿を左右反転して 印刷・製本するらしいのです。 結構無茶なことするなぁと思ったのですが、 この『AKIRA』の国際版も、確かに左右反転されていました。 ですから、登場人物は皆、左利きです。(笑) 海外の人からは、日本人っていうのは左利きが多いのか? って勘違いされてたりして?(それはない)
でも単純に版を反転すればそれで終わりじゃないのが、 左右逆版の難しい所。 ただ反転しただけだと、ビルの看板等の文字も 裏返ってしまうので、文字は反転し直す必要があります。 文字は原版のまま使えるかというと、版を逆にしたことにより 文字が書かれていた場所とはパースが逆になってしまうので、 グラフィックソフトで加工して貼り付けてやる必要もあるのです。
大友さんの漫画は、ビルの看板等も丁寧に描いていますし、 金田が乗るバイクだけ見てみても、[成田山][elf] [canon][CITIZEN][HONDA][SHOEI][NGK]と、 これだけのステッカーが貼ってあるのですから、 その作業量たるや大変だったことでしょう。
所々入れ替え忘れてる文字を見つけるのも、 この国際版を見る秘かな楽しみの一つではあります。(笑)
<明日につづく>
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