ミドルエイジのビジネスマン
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2週間ほど先に健康診断が予定されているので、スポーツクラブに行った。プールは泳ぎの上手な人が我がもの顔でレーンを占領したり、女性の泳いでいるところは遠慮しなければならなかったりで、居心地が良くなかったものだが、用具が少なくて済むものだから(パンツ一枚?)会社の帰りにも寄れるので、その点優れたスポーツだ。
もう一つ、間違いなく優れているのは、ガマの油売りではないが、腹の肉がはみ出している自らの裸の姿の現実を、鏡に映して見つめざるを得ないことだ。
以前から、泳がないではなかったが、クロールをしているうちに少しずつ呼吸が苦しくなり、なんとか向こう岸までたどり着かなくてはと必死になってしまう苦行のようなものだった。苦しくなればフォームも乱れる。最後は、泳いでいるのか溺れているのか判然としなくなってしまうのが水泳のデメリットとも言える。
今回、何回か続けて通ううちに、ふとした拍子に呼吸が楽になる方法に開眼した。ポイントは「口で吸って、鼻から吐くという教えは間違い」。鼻からだけ吐いているのでは息を吐ききれず、少しずつ過呼吸になってしまうのだ。それが、次第に息が苦しくなる原因だ。実は、鼻と口の両方から吐くことで肺から空気を十分追い出すことができるのだ。そして、もしかしたら、こちらの方がより重要なポイントだと思うのだが、鼻と口の両方を使うことによって、吐く息の量を楽に調節することができる。鼻だけで調節しようとすると、息を止めることになったりする。一旦息を止めると、あとが苦しいんだな、これが。
呼吸量を調節できるという確信があれば、ますます気持ちも楽になり、一方で泳ぐフォームに意識を向ける余裕も出てくる。スムーズなフォームになれば、さらに呼吸するのが楽になって良いこと尽くめの好循環だ。これって、お金持ちが益々お金持ちになったり、宗教家や思想家がどんどん高次元の精神世界に昇ってしまうのと似ていないだろうか。身近で言えば、仕事のできる奴が仕事自体を楽しんでいるとか。
これまで必死で泳いでいたときには、プール中央の排水溝にある穴の開いた蓋を越えると、やれやれ、ようやく半分泳いできたと思う反面、まだあと半分も道のりがあるのかと気が重かったものだが、あるとき泳いでいると、中央ラインを越えたことに気がつかなかった。空中を漂うような浮遊感を楽しんでいるうちに、もう半分、あと半分という意識を忘れていたのだ。何百メートルも、あるいは何キロも泳ぎ続ける人がいるのはきっと、このふわふわとした浮遊感を楽しんでいるからに違いない。名付けて「スイマーズ・ハイ」だ。
| 2008年08月31日(日) |
ヘラヘラ聞いていてもよく判っているんだ |
中学時代の友人が、東京で研修があるというので、雨の木曜日に会った。喧騒の居酒屋より互いの話がよく聞こえる静かなところを希望してきた。かつては界隈で一番高かったビルのラウンジでビールのジョッキを傾けた。遠くの東京タワーが雨に煙っている。
友人は今年に入って長年勤めた会社のグループ会社に転籍した。業界の資格を幾つも持っているので、食べるには困らないが、更に高度な試験を受けたいと思っている。
今の会社に移った経緯や会社の他の人の処遇などを聞いた。プライベートでも、学生時代からお世話になっている先生が事故で亡くなったり、なかなか辛いことも多いが、移った会社でのビジネスの展開に専心しているとのことだ。
この年齢になると、良いことも悪いことも一緒くたに押し寄せて来たりする。友よ、ヘラヘラ聞いていてもよく解っているんだ。
土曜日、センチメンタルジャーニー(と言うほど遠くはない)で、以前住んでいた家の様子を見に行った。いつまでたっても売りに出されないので、どうなったのかなと思っていた。
近くまで行くと、オープンハウスの看板が見えた。わが家のことだ。着いてみると、リフォームされてすっかり綺麗になっていた。中も案内してもらった。お風呂やシステムキッチンは交換されてとても住み心地よさそうなので、一瞬、売るんじゃなかったと思った。
夏休みは、ほとんどペンキ塗りに終始した。近所の人が早くもウッドデッキを塗り替えているので、追随せざるを得ない感じで始めたのだ。ペンキ塗りといっても、水性ペンキは塗料が木に染み込んでいくので、腕の良し悪しはそれほどはっきり見えない。気に入らなければ何度でも塗り重ねればよい。逆に薄くまだらになっても、木の風合いを生かしたと見ることもできる便利な塗料だ。
狭いデッキだが、一度にやると疲れて不機嫌になるので、結局3回に分けて実施した。塗りなおしてみると、新品のように生まれ変わったのでやった甲斐はあった。余勢を駆って、門や手摺りも塗った。これではペンキ屋さんだな。
毎日の日課は、朝5時前に起きて日の出を見た後、畑に行ってトマトとナスを収穫。少しだけ草を刈って家に戻り、美味しいコーヒーとマーマレードのトーストで朝食、午前中にペンキ塗り。午後は高校野球を観たり労働に疲れて昼寝、夕方ビールを飲んでオリンピック観戦、酔って早寝というようなパターンだった。
もう、めっきり涼しくなって、夏も過ぎ行くという風情だ。
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