ミドルエイジのビジネスマン
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そこは秋葉原のはずれにある地下に潜った小さな店。最安値でウォークマンを買ってきた。25,980円、一週間に千円ずつ安くなっているのかな。型番はNW-S706FVという。最後の「V」はVioletで濃い青色のことだ。この型番を告げると、店員がカウンターの下からモソモソと取り出してくれる。
ノイズキャンセリング機能は抜群だ。全くの静寂になるわけではないが、電車が地下に入っても、車両がすれ違う時のものすごい騒音の中でもボリウムを上げなくてはという気にならない。街中でこの機能を働かせれば、カセットテープ式の赤いウォークマンを初めて聞いたときの感動を思い出す。まさに、「あなたがこの世界の主人公」だ。
ただ、容量が大きすぎて、なかなか聴きたい曲が出てこない。携帯電話付属で128メガバイト、20曲くらいしか入らず、これを聴くにはあれを削除するしかないという程度の方が、曲に対する思い入れが試されることになり、幸福度は高いかもしれない。
週末は、自分で栽培した落花生を炒って食べてみた。乾燥が足りないらしく、殻が焦げるくらいに炒ったにもかかわらず、実はしけっている。冷えてからの方が美味しいくらいだった。今年の収穫はこれでおしまい。
それから、ランの植え替え。既に二度目の花を咲かせて、十分堪能させてくれた胡蝶蘭を一株ずつに分けて越冬させる試みだが、うまくいくかどうかは分らない。
| 2006年10月22日(日) |
ノイズキャンセリング機能付きウォークマン |
9月3日の日記で「万歩計付きウォークマン」のことを書いて、実際ソニースタイルという通信販売で登録し、予約手続きまでしたのだが、待っている間に新しいウォークマンが出ることになったので、方針を変更する。
わざわざ新規に登録してまで通販にしようとしたのは、アメリカで(海外で?)しか売っていない容量2倍の2ギガタイプにしようと思ったからなのだが、新発売されるのは4ギガ。しかも外部の音を4分の1に減衰してしまうノイズキャンセリング機能が付いて3万円(ネット販売では2万7千円位らしい)。
先週、早めに会社を抜け出して銀座のソニービルで視聴してきた。音質は良く、ノイズキャンセリングもなかなかと思える。もっとも、店の中は最初からそんなにうるさくないのだが。
普通のイヤフォンの外側に針の先ほどの小さな穴が10個くらい開いていて、それがマイク。外の音を拾い、瞬時に対照的な波形を作り出して打ち消してしまうという。そんな高度なことが、この小さな機械でできるのだろうか、素晴らしい。
実は、一番の特徴は電源。通常、ノイズキャンセリングを働かせるには別の電源が必要なのだが、ウォークマン本体に回路をつけたので、途中に二つ目の電池を加えたりしないで本体と共通にすることができたのだそうだ。
ノイズキャンセリングと言えばBOSE社。地下鉄通勤の身としては「万歩計つき」やら「大容量」とは別の課題として元々関心があり、ヘッドフォンタイプでやや小ぶりの新製品を出したというのを聞いていた。高くて買えるかどうか分らないけれどもそちらに興味を持っていたのだが、これで決まりかな。
特に他意はないのだが、最近ミソばかりつけているソニーの宣伝のようになってしまった。
花の金曜日、秋葉原に行って新型ウォークマンやノイズ・キャンセリング機能付きヘッドフォンの情報でも仕入れに行こうと思っていたら、何歳か年上の先輩からちょっとした問い合わせの電話があり、話の延長で今夜一杯やろうかということになった。
東京は不思議なところだ。街並みは延々と続き、大きな駅も小さな駅も身の丈に合わせた繁華街を持ち、そのどこにでも異邦人として訪ねることができる。二人で飲んだのは、都心から遠く離れた小さな駅の商店街の、そのまたはずれの、金曜日でもあまり込んでいない焼き鳥屋さんだった。
いつも物静かな先輩は、著名な会社から小さな子会社の上場担当として移り、そのプロジェクトを成し遂げた後も引き続き在籍している。おそらく、定年までそこで働くことになるだろう。お子さんは成人し、家も建て替え、仕事も順調で羨ましいことだというような話が続いた。ゴルフやマージャンも本人から誘う訳ではないのに話がまとまっていくのだという。
こちらも身辺報告などして、もう話題も尽きかけた頃、ふと、最近俳句をやっているという話が出た。別に、どこかに習いに行ってもいないし、団体に所属してもいない。それどころか、新聞の短歌俳句欄にも目を通しておらず、ただ、自分の心の有り様を季節の情景に託しているのだそうだ。だから、別に季語が入っていなくてもいいのだそうだ。最近のベストスリーというのも教えてもらったのだが、了解も得ていないので、代わりに帰る途中に自分で作った句を掲げる。
旅客機の 雲をかすめて 街路灯
飲んだ帰りに住宅地を歩いていると、ゴーッという飛行機のかすかなエンジン音がする。見上げると街路灯の遥か上空を点滅する灯りをつけた旅客機が飛んでいて、清澄な秋の夜空にかかる薄い雲をかすめて遠ざかっていくところだった。飛行機の中には出張に向かうビジネスマンや、海外旅行に胸を躍らせる家族など様々な人たちがいて、ちょうど機内食を食べている頃だろう。それら想像した乗客たちの姿は実は過去や未来の自分の姿でもあるのだ。
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