ミドルエイジのビジネスマン
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2004年06月06日(日) 大部長、仕事に迷う

世の中不況、デフレと下を向くような話ばかりしていたが、昨今そうとも言えないようなことになっているらしく、先週も最愛の妻がリッター当たり99円だったガソリンが一挙に106円になったと驚いていた。しばらく前から原油価格が1バーレル当たり40ドルを超えたなどとニュースになっていたので驚きはしないが、ここ10年くらい、物価が上がったという話題を夫婦でした覚えはない。

大部長の仕事もパイプラインに入っている案件は大体予定通り進行しており、ほぼ順調と言える。だが、気持ちの上でもうひとつ晴れ々々としないのはなぜだろうかと考える。

この案件はAさんのもの、あのプロジェクトはBさんのもの、改めて考えてみれば大部長のものは一つもない。人がやっているものを小姑のように横から眺め、たまさか気がついたことをさも鬼の首でも取ったかのように言い募る。時々、担当者も大部長も気がつかず、判明したときにはどうしようもないということもある。部全体でバックアップしているので、大事に至ることはあまりないが、こんなことをやっているだけでいいのだろうかと時々思う。

最愛の妻が図書館から借りてきた横山秀夫の「半落ち」を半分くらいまで読む。地方都市に住む警視や検察官や新聞記者、そして弁護士の生活まで書き込まれ、リアリティがあっていいなあ。人物像としては映画の宣伝で寺尾聡がすっかり頭に刷り込まれているので、小説を読んでも主人公の会話は寺尾聡がしゃべっている姿しか想像できない。映画のDVDもレンタルが開始されているので、そのうち借りてこようと思う。妻は最後の場面で涙を流したそうで、感動を分かち合いたいらしく、顔を見ると読んだか、読んだかと聞いてきてしつこい。早く読まないと結末を言われてしまいそうで心配だ。


2004年05月30日(日) 映画「トロイ」を観る

週末のレイトショーで映画「トロイ」を観に行った。かなり長い映画であったが、シーンは戦闘に次ぐ戦闘で、息つく暇もなくアッという間であった。コンピュータグラフィックスによって壮大なスケールの戦争スペクタクルも実写と変わらず、ギリシャ時代の戦争はこのようにして行われていたのかと目の当たりにする思いだった。

ただ、大きな悲劇であったにもかかわらず、登場人物の苦悩や心の叫びはそれほど伝わってこないのはなぜだろうか。スペクタクル映画の空から見下ろすような視点が、人間の精神の内面にまで入り込めない大雑把な作りにしてしまうのだろうか。この感じはラストサムライを観たときも同様であった。もしかしたら、こちらの感受性が既に磨耗しているだけなのかもしれないと思ったりもした。

ダーダネルス海峡を扼するトロイの地はエーゲ海から黒海にいたる海上交通の要衝のため太古からローマ時代まで9層の都市が建設され、あらゆる時代をカバーしているので、シュリーマンの発見した「トロイ遺跡」も発見された黄金の宝物は時代が古すぎて、最近の考古学では、その場所が本当にトロイであるとは断定できないということだ。


2004年05月23日(日) 子供達還る

北朝鮮から蓮池さんと地村さん一家の子供達が還ってきた。そうは言っても、子供達自身にとっては3日前に急に外国に行けと指示されて、支給された新しい服を身につけ、新しいスーツケースを持って連れて来られたというところだろう。

皆さん大卒やら学生で賢そうな顔つきだ。何も知らずに向こうで生活していればエリートだったかもしれないし、あるいは日本で生まれていれば、ありふれた若者だったかもしれない。人生、いざこれからというときに知らない国に連れてこられて、「さあ、やり直しなさい」では大変だと思うが、それがあなた達の運命だ。今となっては、日本人として平凡な生活を選択することさえ難しいかもしれない。新しい世界で視野を拡げ、今度は自由に選択して、自らの人生を切り開いていっていただきたい。


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