ミドルエイジのビジネスマン
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2003年02月15日(土) 大部長、ドットコムの手のひらで踊る

昨年来良書に恵まれ、ピータードラッカーの「ネクストソサイエティ」、出井伸之の「非連続の時代」、ルイスガースナーの「巨象も踊る」などを選んで読んだ。

そのたびに、大部長が自分で考えたわけでもない中身をしたり顔で解説され、せっかくの昼食がまずくなった同僚も少なくないと言われている。また、選択の趣味の良さを控えめに自慢されて返答の言葉を探しあぐねた経験のある方もいよう。

つい最近、IBM社の奇跡の復活を経営者がゴーストライターも使わずに自ら描いた「巨象も踊る」を巨大組織の変革の困難さとその変革を推進するリーダーの行動論として興味深く読んだ。日本のビジネスマンが大好きな組織論にもなっている。邦訳を読むと、あまり難しそうなことは書いてないので英語でも読んでみようと、生まれて初めてアマゾンドットコムで注文した。正確に言うと、日本法人なのでアマゾンドットシーオージェーピーとなってしまい、あまりカッコよくない。原題名は「フゥ セズ エレファンツ キャント ダンス」というらしい。

他のネットの本屋さんで購入した経験もあるが、そのときは、お店まで取りに行かないと送料がかかった。アマゾンでは1,500円以上なら自宅まで送ってくれて送料なしだ。画面で探すと、著者が窓際で浅く腰掛けた表紙の本がすぐ見つかった。注文もすんなり入った。その辺でようやく余裕ができたので画面をよく見ると「この本を注文した人はこんな本も買っています。」と書いてある。

どっかで見たデザインだなと思ったら、昨年大部長が吹聴に吹聴を重ねた「ネクストソサイエティ」の赤と白の表紙だった。おまけに、最近ようやくイデイかデイかで決着(個人的に)のついたソニー会長出井伸之の「非連続の時代」まで載っている。ひと言でいえば、大部長が読んだ本はすべて、アマゾン様のお見通しだったということだ。これ以上驚くことがあるとすれば、ネットであるHPを開いたとたん、「このページを見た者は一週間以内に死ぬ」と書いてあることくらいしか思い浮かばない。サダコ〜、助けてくれ!

ただ単純に購買統計を羅列しただけかもしれないし、あるいは編集者がこの本を買う人はこんな本も読むかなと考えているのかもしれない(間違っていたらゴメンなさい)。たとえば、映画「新妻の冒険」を観た人は「団地妻の冒険」を見る確立は高いし、場合によっては「混浴妻の冒険」も観てくれるかもしれない。

いずれにせよ、入念に選んだつもりだったはずが、コンピュータごときに読書傾向をあっさり見透かされ、大部長は大いに面目を失した週であった。おかげで、金曜日から風邪を悪化させ、快晴の週末に寒い寒いと言いながら、一日中布団の中で過ごすことになった。

ちなみに、英語版は12ページまで読んだ。120ページではない。こうして日記に公開した以上は読み進むことになるだろうが(すでに邦訳版を持っている)、ある昼休みに突然「ガースナーってE-mailで社員に向けてこう語っているんだよね」などと英文を引用しても友達を失わないだろうか。まあ、引用するためには覚えなければならないから、それだけでも偉いか。


2003年02月09日(日) 何も書けない日もあるさ

2月8日〜9日、スキーに行ってきた。夜遅く帰ってきたばかりで、クタクタなため日記を書く気力もないのも事実だが、この週末、仕事を抱えた同僚もいるので、面白おかしい話を紹介するのも程ほどにという気分だ。

スキーの話は、いずれ、ムズムズして出てくるのでご安心を。


2003年02月02日(日) 晩御飯もアクティビティ

12月21日(土)午後2時、デューティフリーショップから解放された一家は歩いてホテルに向かった。そんな場所で解散にしなくてもいいと思うのだが、ケアンズの中心部は400メートル四方でめぼしいところはほぼカバーされるとガイドさんが言っていたとおり、歩いたところでたかが知れている。それはまた、お登りさんが街中をノコノコと歩いていても安全ということだ。我が家の家族が泊まるのは朝ごはんを食べたケアンズインターナショナルホテルほどではないが、四つ星のオアシスリゾートケアンズというホテルだ。

ちょっと一休みして、夕方6時にはまた出発しなければならない。お父さんは、本当はひとっ風呂浴びてお刺身でビールをグイーッとやったらそのまま「ああ、疲れたね」などと言いながら、そのままだらしなく畳の上で寝てしまいたいのだが、ここはケアンズ、晩御飯もアクティビティとして改めて外出しなければならない。ホテルまで仰々しいバスが迎えに来た。実はディナークルーズの船が出る桟橋までお散歩としてちょうどいい距離くらいしかない。

さほど期待もしていなかったディナークルーズ、行ってみて驚いた。真っ白い巨大なヨットが我々を待っている。今日は帆はかけずにエンジンで動くようだ。船の入り口で制服を着た男の人がにこやかに出迎えてくれる。きっと船長さんだろう。ハローキャプテン、アウハーユー?などと努めて明るく挨拶したが、あんまり受けない。変だなと思ったが、乗船して受けない訳が判った。ウェイターも含め、船の中のスタッフがみんな同じ制服を身に着けている。船長さんじゃなかったのだ、早とちりしてゴメンね。

食事はまたバフェスタイル、どうせ船の中とは馬鹿にできない充実した内容だ。生のカキがあったので、なくならないうちにと6個も取ってきたのだが、後から後から追加され、最後には余るくらいだった。ケアンズではどこでもそうだったが、飲み物は別会計でその都度現金で支払う。そして、陽気なお兄さん(おじさん?)がずっとギターの弾き語りをしてくれた。

空になったお皿もさっと片付けてくれるので、大変気持ちよく食事ができた。あまり素早く片付けてくれるので、フォークが足りなくなった。子供の英語の訓練だと思って、「フォークを2本持ってきてください」と言ってきなさいと叱咤激励して、ウェイターのお兄さんのところにやった。しばらく悪戦苦闘していたようだが、帰ってきて「指を2本出したり4本出したりしていたけど何とか通じたみたいだよ」と報告した。多分、ツー、フォーで2か4かともめていたのだと思ってしたり顔で説明した。

しばらく経ってそのお兄さんがニコニコしながら持ってきたのは、なんと2杯のコーラだった。この子のために一生懸命考えてくれて、トゥー コークがふさわしいと思ったのだろう。お父さんは、それをもらうよと、「流暢な」英語でとりなし、お金を払った。すると、一旦お金を持って行ったお兄さんが再びニコニコしながら現れ、プレゼントだと返しに来た。ありがたく押し頂いたが、いやな顔ひとつせず処理してくれたスタッフの方々にこの場を借りてお礼を申し述べたい。

なお、このクルーズではスタッフの中に少なくとも2人の若い日本人がいて、結局のところ、英語をしゃべらなくても全く不自由はない。


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