ミドルエイジのビジネスマン
DiaryINDEXpastwill


2002年09月08日(日) ケータイの恋

2日がかりで「北の国から2002 遺言」を見た。どちらかといえば、前編の方がいつもの「北の国から」の雰囲気が出ていて良かったような気がする。

一番心に引っかかったのはメインストーリーとは関係のないところで、竹下景子の息子がフラッとやってきて、ものも言わず携帯のメールばかり気にしてピポパポと打っていた場面。実は、見知らぬ女の子のメル友と会うことになっていたが彼女はやってこない。大人達には彼の行動は不可解だが、半年も前からメールだけで付き合い続けているのだという。

相手の顔も住んでいる場所も、本当の名前さえ知らないが、交信する度に心の距離は急速に狭まっていく。心のつながり以外の夾雑物は全くないので、こちらも心を開いて素直に想いを連ねていけば、それがまたストレートに相手の心を打ち、互いの気持ちはさらに近づいていく。

お父さんが、赤い顔をして膨れたお腹を隠しもせず、晩酌のビールを飲んでいる隣の部屋では、息子や娘がこんな世界に住んでいるかもしれない。

インターネットを見ていても、「遠距離恋愛」という言葉によく出会うのは、彼が遠くの大学に行ってしまったとか、転勤で遠隔地に勤務しているようなケース以外に、もしかしたら、もともと遠くに住んでいる人に恋をしているという場合も結構あるのではないだろうか。

作者の倉本聰は生身の人間の匂いのしない恋などバッサリと切り捨てていたようだが、未来における「好縁社会」を標榜するわが堺屋太一先生はどんなコメントをされるのか聞いてみたい気もする。

それにつけても、メールの使える携帯電話が欲しいものだ。



2002年09月01日(日) 北の国からはいつから

田中邦衛主演「北の国から」の特別編を今年放映することは前々から知っていたので楽しみにしていたところ、愛しの妻(いとしのつま)が甲斐がいしくビデオに録画してくれたと言う。今回の特集で番組は最後になるという話なので「良い母子(ははこ)は8時に寝るものだ」と妻子を早々に寝かしつけ、ひとり画面に見入った。

番組が始まってしばらくは以前に見た場面を映していた。一通り過去のおさらいをしてから新しい展開が始まるというのは特別番組の定石だと頷きながら見入っていた。
1時間位して、「このエピソードも知っているような気がするのだが」と思いながら、「そうだとすると、これだけイントロが長いからには本編はきっと3時間くらいあるに違いない」といやが上にも期待は高まっていく。
およそ2時間経って、9月6日〜7日に「北の国から2002」を放映するという告知があったので、聡明なお父さんは今まで見てきたのが単なる「総集編」であったということに気がついた。

それにしても宮沢りえは美しい。彼女は物語の中で、失意の息子「純」の前に突然現れた謎の美少女として登場する。普段は富良野の美しい風景以外はストーリーを追って行くだけのお父さんも宮沢りえの出てくる場面では思わず巻き戻しボタンに指が行ってしまう。

写真集「サンタフェ」が出たのはバブルも爛熟期を過ぎた頃だったろうか。大騒ぎした挙げ句やっと手に入ったとオフィスに持ち込んだ奴がいて、いやだ〜と言いながらも女子社員までが覗き込んでしまうくらいの健康さと圧倒する神秘性を持っていた。今振り返ってみれば「サンタフェ」こそは旧世代の人々にとってはバブル時代という豊かさと幸せの絶頂の象徴であり、宮沢りえと同世代以降の人たちにとっては彼等の新しい価値観が社会的に初めて認知されたファンファーレであったかもしれない。

テレビの予告によれば彼女も特別編に登場するようだ。9月6日は金曜日だが、夕方までかかる可能性のある全ての予定はキャンセルされなければならない。

ところで、万人の感動の涙と郷愁を誘う不朽の名作、北海道に生きる一家の、この、胸を締め付けられるような愛と人生の物語も妻にかかれば「貧乏むさいので嫌い」という一言で片づけられてしまう。北の国からの感動を分かち合えない、というのは「性格の不一致」に該当するのだろうか。







2002年08月24日(土) Feel Fine !(写真)

九十九里浜の海水浴にはさらに続きがあって・・・

朝、民宿の2階から外を見ると穏やかな海が見える。快晴、絶好の海水浴日和だ。
テーブルとパラソルを持ち出して、さあ出発だ。

子供達も大きくなってきたので、放っておけば勝手にはしゃいでいる。この浜は九十九里でもマイナーなせいか、海水浴客も賢い息子の話によればキッチリ200人で、のんびりしたものだ。パラソルの下で、缶ビールを手にして海風を受け、水平線の向こうに目をやりながら取り留めもないことを考えているのは至福の時間。

だが、雰囲気を盛り上げようと海水浴場の流す音楽がうるさい。今年の夏はあれしかないだろうが、あのほら、可愛い女の子がホースを持って洗車しているのをテレビでやってるでしょうが、あのあの、シーなんとかいうのの宣伝で、ビートの効いたアレアレ、ソレソレ。アレ〜?

アルツハイマー気味のおじさんにはハッキリ言わなければ解らない。倉木麻衣の「Feel Fine!」だってば。

実はこの夏、通勤の途上でほぼ毎日のようにMai-kのFeel Fine!を繰り返し聞いていたので勤務時間中でも「I can feel fine! 打ち寄せる〜 波に漂って〜 もっとずっとこのままで 風感じていたい〜」とグルグル回っていたのだ。まあ、ときによっては男声バックコーラスの高音で「トゥッ トゥル フィ〜ル フィ〜ル ファ〜イン!」が反対周りに回っていることもあったが。

倉木麻衣については宇多田ヒカルのパクリであるとかないとか巷間騒がれたこともあったようだが(あの問題は結局どう決着したのだろうか)、個人的には自分の頭の中でクルクル踊ってくれるのであれば、どちらかといえばMai-kちゃんの方が嬉しいのだが、どんなもんだろうか。

いずれにしろ、この夏最大のテーマであった「真夏の海辺でfeel fine!を口ずさむ」という目的は達成したのでまずまずの成果と言えよう。

写真はパラソルからの情景


ところで、お父さんには「大部長」としての試練が待ち受けていて、夕方7時には銀座でお客様と会食の予定が入っている(こんな僥倖は滅多にない)。酒は強いので缶ビール1杯くらいは軽く飲めるのだが、しまった、さっき定量まで飲んでしまったではないか。ウエ〜ン、もう飲めないよォ。

かくして、楽しかった地曳き網と海水浴は午後2時には早くもお開きとなったのであった。


MailHomePage