台所のすみっちょ...風子

 

 

清潔な場所 - 2003年03月11日(火)

うちのまわりは非常に不便である。

特に困るのは、ディスカウントのドラッグストアー、例えば

マツキヨとかそういった類の店がまったくない、ということ。

ちょっと離れたところにショッピングセンターもどきのような

ものがあって、その中に小さなくすりやがあることはあるが、

値段はちっとも安くない「一般小売り価格」なので、余程困った時にしか

私は利用しないことにしている。

仮に”くすりやA”としておく。


そして今日突然、その「余程」がやって来た。

詳しくは書かないが、私的には「余程」のことだった。

起き抜けに自分の「余程」に気が着いた私、

仕方がないので、「余程」のことがないと行かないと決めて

いた例のくすりやAに行くハメとなった。


くすりやAは、”ナスに眼鏡”をかけさせたような顔を持つ

オヤジが一人でやっている。

14畳ぐらいの店の半分が薬コーナー、残り半分が写真屋という、

彼の商売に対するビジョンがまったく見えない造りになっている。

くすりも売りたきゃ、写真も現像してみたいというオヤジの野望のせいで、

くすりコーナーの通路は驚くほど狭く棚には商品が秩序なくてんこ盛り。


で、やっぱり今日も、お目当ての商品を自力で探しあてる前に、

私という客に気付いたオヤジから、「何かお探しですかぁ〜?」と声を

かけられてしまった。

「お探しじゃね〜よ、もうちょっと見やすいようにしておけ!」と経営者としての

彼の意識を問いながら「○○○○ありますかぁ〜?」と聞くとオヤジは

「この店の商品ならどこに何があるか、全部この頭の”ヘタ”の部分に
 入ってますぜ〜」

と言わんばかりの自慢顔で案内してくれるのであった。


メーカーを選び、レジに3歩でいき、正規であろうという値段分お金を払う。

「余程」の事態とはいえ、非常に悔しい思いでいた私に、オヤジはレシートを

渡し、そして次ぎの瞬間、商品を袋に入れるべく、

ベ〜〜〜〜っと舌をおもむろに出し、その表面から唾液を指でひとすくい

すると、紙袋の口にべちょりとつけた。

「冬場乾燥してる東京だもの・・。

オヤジも年だから指の油分が失われて、カサカサなんだもの・・。」

・・・・・・分からないわけではない。

だが、くすりやといえば、風邪の菌、水虫の菌など「菌を殺す」ものを

売ってるところ。

いわば、清潔な場所のハズ。

そういう場所に於いて、「唾液べっちゃり」は如何なものか?

清潔なもの得ようとやって来て、それとは遠い何かを受け取る・・みたいな。



商品の入った袋を、手に載せてもらうような形で底の方から受け取り、

オヤジの「ありがとうございました〜〜」という声に見送られつつ

「これからはもっと余程レベルを上げた方がいいな・・」と

自分の甘さを反省せずにはいられない私であった。


おしまい。


...

貸してください・・。 - 2003年03月08日(土)

友人M美の家に遊びに行く、

男の子2人と夫婦2人の4人家族の家だ。

一ヶ月前にもお邪魔したのだが、その時、私はそこんちの長男、

若干10才とやったトランプ「大富豪」で負けた事が、大人としてどうしても

納得がいかず、リベンジのため、雨にも関わらず遊びに行ったのだ。


家に到着し、彼が塾に行くまでの小一時間ばかり、「彼に勝ってみせる!」

という意気込みでトランプ開始。

ここで私が勝たなければ、この一ヶ月特訓に付き合ってくれた

旦那に顔向けができない。

しかし、彼はなかなか手強いのであった。

私は全戦、勝利することを目指していたのだが、

結果は、「勝つこともあれば負けることもあり!」という

人生訓じみたものであった。


その後

「僕が帰って来るまでいてくれる?」
「そりゃ分からんな〜」

「え〜〜、、いてよ!」
「ふふ・・いても良いよ〜」

という到底大人とは思えないやや高飛車な態度で、彼を見送った。


いや〜、、この雨なのに塾とは・・・。「子供をやるのもこりゃ大変だなぁ〜」

などと思っていると、今度は下の次男坊が公文のかけ算のプリントをやるという。

で、彼が言うことには、

「僕が計算していくから、隣りに座って、僕が間違ってたら
間違ってるっていってね〜公文の先生みたいに〜」


悪いけど、私は応用問題には弱かったが、計算には強かった。

「ふふ・・・ちょろいちょろい・・」

その時、私の頭の中には3×4=12ぐらいな数式が舞っていた。

ところが、「これが今日やらなきゃいけない分なんだ〜」とみせてもらった

ものは度肝を抜くものであった。

なんたって  235 というものだったからである。
      ×   4 
      −−−−−−

しかもそれが100個ある。

次男はまだ7才なのだ。にも関わらず彼は一個一個を5秒かからない速さで

解いていく。

ぜんぜん着いていけない・・・。


私の一桁×一桁の夢ははかなく砕け、もちろん計算してる先から

それを「添削していく」なんてこともままならない。



途中で叫びそうであった。

「電卓貸してください!」・・・と。


おしまい。


...

最後の砦 - 2003年03月07日(金)

旦那が帰ってくる。

カバンをリビングに置き、5畳の洋室に行って背広を脱ぐ。

パンツ一丁になる。

そんな旦那に「ご飯が先?お風呂が先?」なんて聞いてみる。

風呂はなんか湧かしてない。オーダーを取ってみて「風呂!」と言われたら、

すかさず浴槽を洗い湯を溜める戦法である。


で、今日は「あ〜〜、、食事にしようかな〜」と言ったので、台所に行き、

いそいそと肉を焼く仕度に取り掛かった。

そして、チラチラと揺れるガスの炎をみながら私は呟いた。

「君もずいぶん偉くなったものよのぉ〜〜」と。



私達は社内恋愛。

旦那は私より後輩だ。

彼がその小さな翼を震わせて、社会の中でぴーぴーと泣き始めた時、

私はもうすでにいっぱしの社会人であり、育った翼は大き過ぎ、

まさにモスラばりにばっさんばっさんと羽ばたいていたのである。

彼を名字で呼び捨てにし、機嫌がいいときだけ時々「くん」をつけてみたりして、

叱ったり、用事を言いつけたり、やりたい放題であったのだ。



ご飯を食べ、換気扇の下でタバコを吸った後、彼が私に言った。

「じゃあ!俺うんこしてくるぅ〜〜〜」

こりゃ長期戦だ。トイレから出てくるのはいったい何時になるのやら?

咄嗟にそう思った私は、

「うんこするなら、その前に風呂洗ってよ〜〜」とリクエスト。


「え〜〜、、イヤダよ〜〜タイミング逃しちゃうじゃん」
「いいじゃん!風呂洗ってからにしてよ〜。大丈夫だって!きっと出る!」
 

「・・この家はよ〜・・うんこも好きにしちゃいけないのかよぉ〜〜」
「うんこはしていいけど、その前に今は風呂!風呂洗って!」


私は別に彼に意地悪しているわけではない。

月から金までは会社にべったり、週末は千葉の九十九里にべったりの旦那、

家事へ参加してもらうことによって、彼が”家庭”というものを忘れないように、

と促しているだけなのだ。


「あ〜〜あ・・これで絶対タイミングを逃した・・」

彼はしぶしぶ風呂を洗いに行った。

その背中に向かって私は叫ぶ。


「ちなみに〜、今日の私のはすっごく長いものでしたぁ〜〜!ハハハハ〜」



今、主婦の私が、唯一彼に勝てること。

それは便通。

それが最後の砦。


おしまい。


...




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