台所のすみっちょ...風子

 

 

オメデトウ!私! - 2002年09月16日(月)

今日は”待ちに待たない”私の誕生日。

この歳になると、誕生日も「仏滅か!?」てな感覚だ。

で、暗い気持ちの中、

前夜祭として昨夜、旦那と食事に行った。

仏滅に匹敵するような日に、別に金まで使って、

わざわざ行くこともなかったのだが、「誕生日は食事しよう」

とか「プレゼントは何がいい?」と例年にない張りきりようなので

こんなことも夫婦のメンテナンスの一環と思い、

トコトコ着いていったのだった。


この頑張りよう・・・

それは、去年彼のやらかした失敗から来ているのであった。

なので、昨日、今日の2日間は、彼にとって汚名挽回にはもって来いの

チャンスなハズ。

なんたって、私の去年の誕生日の日、ヤツは千葉で、

波乗りジョニーと化してしていたのだから。

去年は「夫婦も長くやっているとこうなっちゃうのね〜」

というような見本の年であった。

誕生日の月がやって来ても、その話題がちっともでない。

どのくらい出ないのか、試してやろうと思い、こっちも

粘っていたら、ようやく4日前ぐらいに

「そういえば、今週の日曜日って〜」と言ってきた。

そう、誕生日は祝うには好都合の日曜日に当たってた。

しかし、彼はそう言いながらもサーフィンに行く日にちとの兼ね合い

を模索している様子。

「私の誕生日なんだもの、行かないよね〜?」

ヤツの心はお見通し。私がダメ押しすると、

「当たり前だろ〜。」と彼。

鼻から煙りをゴジラばりに出し、

もちろんだぜ!ぐらいの勢いである。

しかし、その約束は2日後、予想通り破られる事に・・。


私は自慢じゃぁないが、普段、ヤツのする事には口を挟まない。

のびのび育てるのが私の教育方針。

波乗り〜〜?行って来い!行って来い!の肝っ玉妻。

数年前から、誕生日がもはや仏滅モードになっているのだから、

セレモニーがなくても、良いって言っちゃー良いのだが、

こっちが「別にいいよ」と言うのと「ぶっちぎられました」では

大違いである。

ひじょーに険悪な雰囲気になり、口を聞くのも面倒臭く、

黙り続けて日曜日。

一人ぼっちのハッピーバースデー。

そして夜、パソコンを打っていたら、サーフイン帰りの

旦那が小さな袋を「これ見てみて」と渡す。

きっと、悪がってプレゼントを慌てて買ってきやがったんだと

中を開けると

「なんじゃこりゃ?」

何故か小さなマッチが入っていた。

よく見てみると、なにやらボールペンで文字が書いてある。

「いつも、ありがとう助かってます。」

よし、よし、分かってんじゃん!とここまでは良かったが、

もう一行を読んで、目が点になった。

「THANK YOU SO マッチ!!」

何故英語なのか!?

何故”マッチ”だけが日本語なのか!?

しばらく考えた末、

「あ〜、マッチだけに・・・”マッチ”か・・・。」

この最悪なシチュエーションにしてこのダジャレ。

あまりのバカバカしさに、私はポツリと呟いた。

今まで生きてきて、一番情けない誕生日であった。

              おしまい。


...

そして彼女はいなくなった・・。 - 2002年09月15日(日)

私が生まれ、18才まで過ごした街、新潟市。

その新潟市の浜から消えた少女がいる。

今から、二十数年前、私が中学生だった頃の事だ。

彼女が忽然と姿を消したことを、私は母から聞いて知った。

「事件に巻き込まれた・・。」

あの当時、彼女の失踪を誰もが、そう考えていた。

特に学校関係者だった母は彼女と同い年だった

私の事が気にかかったのか、

「学校から戻る時には、気をつけなさい。」と不安な顔で話した。



それ以降、街中に彼女のポスターが貼られ、私は進学の為に

上京するまでの5年間、彼女の全身の写真と、やや斜めから写された

ふっくらとした顔写真を目にしながら新潟での日々を過ごした。

その失踪が拉致だとハッキリ認定されたのは、それから

20年近くも後だ。


新潟の浜で拉致され、船で目的地に連れて行かれる間中、彼女は

暗い船室で、壁を叩き、掻きむしりながら、

ずっと「お母さん、お母さん!」と叫び続けたのだと、

そういつか本で読んだ事がある。

着いた時には、両手の爪がはがれ、血まみれだったとも。


新潟で私と彼女に流れ続けるべき時間の長さは一緒になるハズだった。

彼女はそれを失い、私は、その時を当たり前のように過ごした。

中学一年の時には、初めて好きな人ができ、

片思いにドキドキした。

高校に進学してからは、

友達と買い物をしたり、たわいないお喋りに時間を費やした。

勉強よりも、むしろ彼氏の事にいつも意識を向け、化粧も覚えた。

「どうしてこういつも、自分は理解されないのだろう」と、

親や大人達との接点を、半分本気で半分どうでもいいと思いながら捜し続け、

意味もなく喫茶店にたむろして、タバコを吸っていた。

毎日が感情のままに動くだけの日々。


小泉首相が”見えない国”へ行く。

そこで、国交正常化に向けた微妙な駆け引きが行われるのだろう。

けれども、政治の狭間で彼女のように拉致された人々の問題が

今までのように深い闇に包まれてしまってはならない。

彼女は確実にいなくなったのだから。

私が安穏と新潟で暮らしていた時、

彼女はそこにいなかったのだから。

住むべき場所、持つべき権利、そしてごく普通の女の子の

楽しみを一瞬にして奪われて。


彼女が姿を消したのは、11月。

まだ、雪は降らなくとも風は冷たく、新潟は空も海も街も、

どんよりとしたグレー一色に包まれる。

どんなにか心細かっただろうか。


彼女はいなくなった。

愛する人、愛する場所、自分が大切にしたすべて、

そう、心さえ残したままで。


...

挑む! - 2002年09月14日(土)

新潟の実家から、レンジでチン専用のレトルト

食品を貰ってきた。

うちはレンジ壊れてるのに。

多少不具合があっても、求めてしまうこの強欲な性。

だって、商品名は「完熟トマトのリゾット。」

ホレ!聞くだけでもおいしそうではないか。

はるばる350キロの道のりを、

わざわざ持って返って来た以上、

ナントしても食わなければ。

いや、絶対、食って見せる。

開けて、容器に入ってるご飯粒を一口食ってみると、

な〜んだ、ただ固いだけじゃん。

「生米じゃなきゃ大丈夫じゃん!」

と、私が手に取ったのは蒸し器。

心の中に沸々と自身が湧いてくるではないか。

そう、私はこの蒸し器さえあればどんな食品でも、

ふっくら再生できる女。

この前のガチガチに凍ったご飯一膳を蘇らせた実績もある。

蒸し器に水を入れ、沸騰したところで、意を決して完熟トマト

のリゾットを入れる。

シュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。待つこと10分。

ふふふふ・・・・。やったね・・・。

思わずこぼれる笑みと不気味な独り言。

できたね〜。できていたのだ!

ちょっと汁を吸いすぎていたけど、食べるコトに何の支障ナシ。


また一つ大きな山を越えた。

また一つ私は大きくなった。

世の中、やってできない事など何もない。

自身を胸に、昨日からの腹痛なんてどこ吹く風で、

リゾットをすすったのであった。


ごちそうさまでした。

                 おしまい。


...




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