翠の日記

2003年06月15日(日) 『白鳥の湖』

 紗幕の向こう側で繰り広げられるオープニングは、ロットバルトの「悪のマント(翼?)」に包まれて、一瞬の間に人間から白鳥へと早替えです。
 そして苦しげに腕を羽ばたかせる後姿がもう、最高に素晴らしい。やはり白鳥といえば、羽ばたきの腕の動きですよね。(間違ってる?)
 ロイヤル時代のツテで頼んだ美術&衣装の方により、舞台の上にはシンプルながら幻想的な世界が作り出されていました。何というか乙女チック?ディズニーワールド? 劇場中継などで見る宮殿は、絵画的背景が多く重厚なイメージがあるのですが、今回は華奢でありながら立体的に柱や窓が装飾されて、異世界へと通り抜けできそうなセットでした。
 一幕は宮殿での日常、ニ幕で王子はオデットと出会うのですが、この日の私は睡魔に襲われまして、気合を入れてもこっくりと(だから観に行くときは体調を万全にと何度も…)また、3列目で聞く生オケが良い感じの震動を与えてくれまして……。
 そんな私の目を覚ましてくれたのは、高度なテクニックでも派手な演出でもなく「愛のアダージョ」でした。
 ただ、深々と「愛してます」という気持ちが伝わってくるんです。以前観た白鳥では感じなかったのですから、踊り手の妙でしょうか? 周囲を取り巻く白鳥の世界が、優雅だったからでしょうか?
 今回の白鳥の衣装は、オデット以外のチュチュの丈が膝まであるロマンティックなもので、しかも羽をモチーフにしているのでひらひらふわふわと本当に繊細で優雅でした。
 そんな白鳥たちに囲まれて、背後から王子に支えられ、その肩口に凭れてすべてを預けきっている姿が、とても儚げで素敵でした。
 三幕は宮廷での舞踏会。白鳥以外は一着として同じ衣装はないというだけあって、キャラクターの女性のベルベットやサテンのドレス、僧服、騎士のマントの垂れ具合に至るまで、本当に目の保養としか言いようがありません。
 花嫁候補のダンサーの衣装も少しずつ違っていて、これもロマンティックで可愛い! それでも色はグレイッシュカラーと、落ち着いていました。民族舞踊は、ナポリ(とことん明るく舞台中を跳ねまわり)とスペイン(赤の照明で情熱的に)のみでした。
 そして主役二人のパ・ド・ドゥは技術に溜息でした。
 …が、黒鳥オディールの見せ場の32回転の後に、さらに王子の回転が入るのですが、熊川くんのスピードが並ではないので、せっかくの黒鳥の32回転の醍醐味が薄れてしまうという…。そして残念なことに、この日は勢いがつきすぎたのかラストによろけてしまったんですよね。さすがに苦笑い…。
 王子はオデットとオディールを勘違いしたまま、花嫁に指名してロットバルトに嘲笑われます。オープニング同様、マントの使い方がうまくて、足元を何気に隠しているため、ワイヤーで吊られて舞台を移動しているように見えるんです。そう動けるダンサーがすごいんですが、こんなに出張ったロッドバルドも珍しい。
 四幕で追いつめられたオデットと王子が「愛のために死ぬ」のは、いつ観ても展開に納得できませんが、…愛の力と白鳥たちによってロットバルトは滅び、二人は天国へ…ゴンドラじゃない!?
 熊川演出では、紗幕の向こう側で、人間の姿に戻ったオデットと王子が手に手をとって階段を昇っていきました。そのセットがまた、御伽噺の絵本の表紙のような装飾なので、本当に最初から最後までロマンティックな舞台でした。
 従来の白鳥の世界が好きな人には、少女趣味すぎたかもしれませんが、私としてはこちらの方が好みです。しみじみと、…演出って大きいのだと思いました。



2003年06月12日(木) のどかな一日

 閑散期(夏)にはまだ早いというのに、会社全体が暇モードに入っています。どれぐらいかというと、仕事がない現場の人がダンベル体操してしまうくらいです。
 今までも職場によっては、ネットで遊んだり、漫画を読んだり、コンビニに行ったりと様々な暇のつぶし方を聞いてきましたが、これはピカいちですね。
 確かに部屋の隅で、なおかつその人に物申す人もいない職場ですから、致しかたないかなー、とは思うんですが、やはりそれほどまでに仕事がないかと驚きです。
 私個人はそろそろ夏限定の仕事が入るので、目いっぱい頑張って定時上がりになるかといった感じです。(今は余裕で定時…笑)



2003年06月09日(月) 可愛いはずなのに不気味

 立ち寄った書店の店先にパンダがいました。
 身の丈20cmくらいのおもちゃなんですが、電池なのか、音に反応しているのか、とにかくうろうろと動いています。しかも、首にひもをつけられて、500mlペットボトルに繋がれているのです。(この状態がすでに変!普通持って入るでしょう?)
 私もまた、『これは逃げられないようにしているのかしら?』とのん気に書店で用を済ませて表に出ると、かなりの時間が経っているにもかかわらず、まだいるんですよ。
 可愛いはずのこのぬいぐるみ。よく見ると目が緑色に光っていたりして、ちょっと怖い考えが浮かんでしまいました。うっかり拾っていった子どもを襲ったり…とか、映画がありましたよね。
 同じことを思うのか、道行く人々も何だろうと、不思議そうに視線を送っていました。物怖じしない女子高生は近くで良く見ていましたけど。
 とにかく謎のパンダでした。



2003年06月08日(日) デジカメ

 5月末に購入したデジカメの箱を、ようやく開封しました。
 ニコンの「COOLPIX」です。握りやすかったからと、旅行はほとんどしないので、薄くなくてもいいかと。とりあえず、資料用の写真と、庭の花を撮ろうかと思います。
 私個人は庭いじりをほとんどせず、家族がこぞって世話をしているのを観賞するだけです。四季折々に色々な花が咲くので、どうせならコンテンツも少ないことだし、載せてしまおうということになりました。
 いかにボロ家を入れずに撮るかが、目下の課題です(笑)ようするに接写ですね。
 それにしても、花の名前を調べていたら、家に咲いているのはどう見ても花菖蒲! 杜若だって言われていたのに花弁が違います。父の嘘つき…。



2003年06月07日(土) 『喜劇 口八丁手八丁!』

 浜木綿子の舞台です。
 しっかり者の「妙心」は、昼は尼さん、夜はおでん屋の女将と二足のわらじを履いて、親のない子を養っています。おまけに居候まで住み着いて、寺はいつも貧乏です。
 町長選や開発を廻るトラブルを、口八丁と心意気で切りぬける様は、観ていて気持ち良く、面白い舞台でした。
 良い味を出していたのが、大空真弓演じる建設会社女社長! これぞ悪役!というように欲しいところで、「あたしは、悪いことしかできないんだよ!」と開き直って悪態ついてくれるんですよ。終盤では瀧の前で「あてつけに死んでやるー!」と叫ぶものの、「あの人は大丈夫」と妙心は止めもせずにさっさと立ち去ってしまいます。これは、妙心が昔の自分を思い出しているように見えて、この二人の関係がなかなか良かったです。案の定「葬儀屋始めました。よろしく」と手紙が届きますし。
 途中、妙心の息子か!?と思わせておいて、ただの孤児だった建築士「とおる」この内海光司の足が針金のように細くて怖い…。この人の「まいったな、もぉー」ってセリフがとても好きだったりします。
 今回も浜木綿子の舞台の中での「引越し大名」の一番の地位は、やはり揺らぎませんでしたね。悲恋作もいくつか観ましたが、(舞台の)浜さんには喜劇が良く似合うと、しみじみと思いました。

 ところで、小さな町の合併云々から、帰り際に母と地元の話題をひとしきり。私の町は、左右を城下町と門前町に挟まれているのですが、そのせいで近頃流行の合併は難しいんですよね。
 一番笑えるのは、市外局番は左の町と同じなのに、タウンページは(市外局番の違う)右の町と一緒という…。警察、JAその他もろもろ、どちらかに附属している中間なのです。
 地名が気に入っているので、合併はせずにこのまま行って欲しいと心ひそかに思っておりましたが、心配せずとも↑の理由から、議題になっても話は進みそうにないのでした。


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