雪さんすきすき日記
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2018年02月24日(土) |
「Black The Fall」のこと |
9時頃起床。休日出勤。
「Black The Fall」(Sand Sailor Studio)の進行不能バグが遂に修正されたので、クリアまでプレイ。 共産主義政治に支配された国家にて強制的に単純労働に就かされている主人公が、支配からの脱出を図るパズルアクションゲーム。 操作は移動とアクション、ジャンプ、レーザーポインター。レーザーポインターがこのゲームの特徴的な操作で、スイッチと反応して様々な仕掛けを作動させたり、支配された人々などを操る主導権を得ることができる。主人公の行く手を阻む仕掛けは謎解き要素が高く、これらの操作を駆使して謎を解き先に進む。
全体的に漂う抑圧された陰鬱な雰囲気の完成度が極めて高い。開幕からして工場の動力を得るために自転車漕ぎを余儀なくされたり、多数の監視カメラや管理者が至るところで監視をしており、脱走が見つかったら即射殺など、徹底した管理下に置かれた状況は息が詰まるようであった。そして、命懸けで工場の外に出ることができてもそこに希望が得られるような光景は無く、先の見えない逃亡に不安しか抱けなかった。また、背景には巨大な工場の中で主人公と同じように自転車漕ぎをする多数の労働者、いくつもの監視モニターを見つめる支配側の人々、プロパガンダのための虚偽の映像、見せしめのために吊るされた人々、公害で荒廃した大地、生活感の無い街並に無気力な住人など、ディストピア感が満載。製作したスタッフはルーマニアの人たちで、実際に共産主義下で生活していたこともあるとのことで、ゲームといえども何だか共産主義の世界観に説得力を感じてしまう(さすがに誇張が過ぎる場面も多々あるが)。ただ、工場の動力を得るために自転車漕ぎなどと原始的なことをさせている割にはその労働の動力への変換効率が極めて高かったり、脱走を阻むための兵器がやたら高性能だったり(二足歩行の無人ロボットまで投入されている)、果ては自律するロボットまで登場したりと、技術水準は謎が多い。 主人公が演じるのは孤独な脱出劇だが、途中で前述の自律ロボットが仲間になる。このロボットがまるで犬のように従順で、しかも有能で頼りになり、、それまで一人で戦ってきた主人公には大きな支えであり。仲間がいるというだけで心強いものもあってか、外観こそ無骨ではあるもののとにかく可愛くて仕方なかった。孤独で過酷な環境下に置かれた主人公に突如頼りになる仲間が出来たら愛着が湧くに決まっており、このキャラクターの導入は演出的にも上手いと思った次第である。
ゲーム内容の方は謎解きが中心で、それにアクション要素が付与されているという印象。謎解きの難易度は決して高くはないものの、ヒントが全く無い場面がほとんどで、解法に至るまでの道筋を発想する能力は結構要求された。また、自律ロボットが登場してからはそのロボットを使っての謎解きも多くなり、さらに意外な用法もあって謎解きの幅の広さが一気に広がり、終盤まで謎解きの要素をしっかりと楽しむことができたのは好印象であった。それにしても、ロボットの高温に曝されても水に浸されてもプレス機に潰されてもクレーンに弾き飛ばされても全く機能に損傷がない耐久力の高さは、技術水準が半端でなく高いと思わざるを得ないのだが。 あと、誰もが思うことであろうが、「INSIDE」に大きな影響を受けていることは間違いないであろうかと。ゲームの進行が極めて似ており、「INSIDE」をプレイしていれば尚更難易度は下がるかと思われる。
ディストピアから脱出するための過酷な道程と、そこまでしても脱出したいと思わせる世界観の構成の上手さが際立った作品であった。 それにしても、この共産主義国家の象徴が槌と鎌でソビエト連邦そのままなのだが、果たしていいのだろうか。
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