雪さんすきすき日記
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2007年03月29日(木) 続・「終ノ刻印」のこと

 というわけで、「終ノ刻印」(ibis)最終章読了。

面白かった!
 それにしても、まさかこのVNが戦闘物だったとは思わなかった(笑)。いや、黎ルート辺りから薄々変だとは思っていたのだが、最終章では敵味方共に物騒な役者が次から次へと出てきて、最後は当然の如く総力戦。
 で、戦闘の場面なのだが、先日の日記にも記したとおり非常に痛快なのである。まあ、この手の戦闘にはお約束である技名を叫んだりとか心中描写とかもあるものの、鼻に付くようなくどさは全く無く、基本的には得物や技のぶつかり合いが中心で描写としては地味なはずなのだが、小気味の良い文章と効果で引き込まれてしまった。

 ところで、最終章で負傷したイリスが回復するまで凌ぐため由羅が体を張って盾になる場面があるのだが、ここで由羅の魅力が大爆発。最初はしおらしく敵の攻撃を「力技で」防いでいたのだが、結局は取っ組み合いでたこ殴り合戦(笑)。でも、それも自分の力量とその場の最善を一所懸命考えての行動の結果であり、何とも健気なことではないか。また、イリスの容赦の無い存在否定には相変わず惚れ惚れしてしまう。正に、無慈悲ここに極まれりである。

 読み終わってみると、確かに人気投票の順位も頷けるものはある。最終章では最後の方になるにつれて上位3位陣の見せ場は多くなっていったし、一方で由羅はどちらかというと補助役に徹していたし、客観的に見ると妥当なところであろう。しかし、個人的には最終章で気持ちが揺らぐどころか益々魅力的になった由羅が、この作品のメインヒロインなのである。

 しかし、人物相関が前作「悠遠ノ絲」同様気を抜くと置いていかれそうになるのが、相変わらず人を選びそうなところではある。実際にはそれほど難しくは無いのだろうけど、時代がいきなり飛んだり名前が一々仰々しかったりするのが複雑にしている要因かと思われる。時代の方は過去の因縁が作品の主題の一つなので仕方ないにしても、名前の方は登場人物一覧が用意できたり手軽に振り返って読める文庫向きであってVN向きとは決して言えないかもしれない。

 それでも、冒頭に記したように面白かったと声を大にして言える作品ではあるので、是非とも多くの方にプレイして欲しい次第。できれば、前作「悠遠ノ絲」と一緒に。


氷室 万寿 |MAIL
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