薔薇園コアラの秘密日記

2003年03月30日(日) 音楽留学生演奏会

 ワジェンキ公園内のパデレフスキー博物館で、日本人会主催の第25回留学生音楽演奏会が開催された。出演者はワルシャワ・ショパンアカデミー研究科に在学中の学生たち4名。チェロ、ピアノ、ソプラノ、ピアノのソロ演奏。

 暖かい日だったので、一緒にきた子供たちが演奏が始まる直前まで、「喉が乾いたー」と大騒ぎしていたけど、ボーズたちは喉の渇きも忘れてすばらしい演奏を聴き入っていた。
 小さな観客をも黙らせた、といったほうがよいだろう。

 留学生の皆さんは時折日本人会の行事などで遠目に見かけることはあるけど、個人的な面識は無い。ごく普通の若いお嬢さん方だと思っていた。
 けれども、ステージに上がった4人は全くの別人であった。特に演奏している姿は、近寄り難いほどまでに魅力的であった。
 
 彼女たちの演奏を聴いていて、「何かを表現する」ということは、人間の内に秘めた潜在意識のなせる業なのだ・・・と実感させられた。人間の身体なんか単なる器に過ぎず、人間の肉体に宿っている潜在意識がその人に表現させているのだ。これは音楽に限ったことではない。芸術や文芸、スポーツでも同じことがいえる。

 人間は誰もが内なる潜在意識というものを持っているものだ。ただ、この世に生を受けてから今までに、その能力を引き出す訓練や鍛錬のためにどれだけ努力を積んできたかによって、その人の評価というものが決まる。
 そんな当たり前のことを、ステージの上の彼女たちに改めて教えられたような気がした。
 
 一回り以上若い彼女たちから、大切なことを学ばせてもらった。
子育て現在進行中の一人の母親として、そして一人の女として。
 
 



2003年03月27日(木) 「戦場のピアニスト」をもう一度

 A.ブロディがアカデミー賞の主演男優賞を受賞したことで、こちらでまた話題になり始めた「戦場のピアニスト」。
 ポーランドではもう終日上演していないけど、一日に一回ぐらいならメジャーな映画館で観ることができる。
 友達がまだ観ていなかったそうなので、一緒に観にいってきた。

 いろんなところで話題になっていることだけど、映画の中でユダヤ人同士が英語で話をしているのが不自然だった。
 アメリカ映画だから翻訳の関係で仕方が無いのかもしれないけど、これは手記をもとにしたノンフィクションのはずだ。ドイツ人兵士との会話はドイツ語そのままなのに、ユダヤ人が英語で会話をするのは全くうそ臭く感じた。ユダヤ系のポーランド人でポーランドでの出来事なのだから。
 ポーランド語で話したほうが明らかに効果的なシーンがいくつもあった。ポーランド出身の監督、ロマン・ポランスキーはさぞもどかしかったことであろう。

 1944年8月1日 ワルシャワ蜂起
 ドイツ占領下で苦しむポーランド青年たちが蜂起しドイツ軍に立ち向かった。それを封じ込むため、ドイツ軍はワルシャワの街をしらみつぶしに破壊していった。ラスト近くで、爆撃の中をシュピールマンが命からがら逃げ回っていたのは、そのときのことである。
 こうして当時のワルシャワの街が壊滅されていったんだ・・・と思った。
 
 ここに住み始めていつも耳にする言葉。
「この街は第二次世界大戦でドイツ軍に破壊されて、戦後何年もかけて復元されました」
 この映画を観て、その言葉の深みがわかった。

 現在のワルシャワの街は中世の佇まいを忠実に復元している。しかし、どこもかしこも妙に新しすぎる。風化もしていない色鮮やかなレンガ一つ一つからは歴史は感じられない。歴史を持ったレンガは廃墟に消えたのだ。

 この街の新しさが痛々しい。

  * * * * * * * * * * * 

 ドイツは自国の戦争責任を認め、ポーランドに対して戦後補償もしてきたし、自国民には「命の尊さ」を説き続けてきた。
 
 世界のどこかで戦争がおこるたびに、マスメディアの捉え方が日本よりもはるかに真摯である。戦争の恐ろしさと残酷さを十二分に理解している国ゆえに、破壊と流血の痛々しさを目の当たりにし、誰もが痛切に和平を願う。
 長年のドイツ生活で、私が肌で感じたドイツという国の印象である。

 今回のイラク戦争で、米英に対し明確に戦争反対を唱えたドイツは評価に値する。何でもかんでもアメリカの言いなりの日本国が、在外の日本人として何だかとってももどかしい。

 私はここに住む、日本語を理解する無国籍人でありたいと切に願う。



2003年03月24日(月) ハムスターのちびまるちゃん

 春休みだけど、図書室の本を借りるために日本人学校に遊びに行ってきた。 
 
 低学年クラスが飼っているハムスター・ちびまるちゃんのかごが静かな職員室の机の上に置いてあった。春休み中は日直の先生が交代でお世話されているようだ。
  
 ちょいと覗いてやると、ちびまるちゃんがかまってほしそうにこちらを見つめ、はなをひくひくさせた。ここのところ児童たちもいないから籠を覗く人も少なかったんだろう。かわいいもんだ。籠の間から指を入れて鼻っ柱を触ってやった。
 
 息子たちの希望もあり、我が家に持ち帰り休み中しばらくお世話させてもらうことにした。清二は低学年クラスでハムスターの世話をきちんとしていたそうなので、ハムスターを飼ったことのないママよりも頼りになるであろう。

 家について、まず最初に小屋ををきれいにそうじしてやった。
 それから、リビングで放し飼いにしてあそばせてやった。狭いところがすきなハムスターは、壁際にまっしぐら。案の定、家具の後ろの入り込んで出てこなくなった。子供たちはまだまだ遊び足りないっていうのに・・・。
 家具の後ろでひっそり眠ること4時間。待てど暮らせど出てこない。ま、ねずみだから仕方ないけどね。パパが帰ってきてから食器棚を動かして、なんとか捕まえた。
 
 夜遅く、夫婦二人で珍客をもてなしてやった。
 相手も緊張しているのか、主人の手の中でおどおど震えている。
 二人でイラク戦争のニュースに見入っていたら、主人はちびまるちゃんに人差し指をかまれたらしい。人間さまのほうがびっくりした様子。うーん、きっとそれってタバコのヤニ臭かったからだと思うよ。私もお料理のあと、えさと間違われてかまれたけど。
 生きものがいる家って家族同士のコミュニケーションが増えていいもんだなぁと思った。

 そういえば二年前、ドイツの家で猫を飼っていた時代が懐かしい。子供たちから逃げてばかりいるのに、朝までみんな一緒のベッドで眠ったり、パパが帰ってくるとどこからか出てきて必ずぴったり寄り添って座ったり。ほうれん草のおひたしのかつおぶしがいつのまにかぺろりとなくなっていたり。
 何だか、一つ一つが懐かしい。

 また家で何か動物を飼いたくなってきた。イヌより猫のほうがいいかな。
 ま、でも今はちびまるちゃんをちゃんとかわいがってあげよう。


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祐子 [MAIL]

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