■一昨日、母校に『パコダテ人』を案内できないものかと思い、サイトを検索すると、高校の同窓会事務局のホームページが見つかった。トップページに「今年の同窓会総会は阪本順治監督を迎えて開催」とあった。阪本監督といえば、前田監督が『どついたるねん』『王手』で助監督を務めた縁がある。これは運命だ!と思い、事務局にメールを送ったところ、同窓会幹事長という方より、昨日返事が届いた。阪本監督を迎えての総会は大阪公開一週間前の6/22に行われるらしく、「総会の会場でチラシを配布」するので送付して欲しい、「同窓会のホームページにも掲載」する、といれしい申し出をいただいた。しかも、同窓会のホームページの委員をされているのは、わたしが愛読していた地元ミニコミ誌の編集部に勤務されている方とのこと。そのミニコミ誌にはメールを送ったものの、梨の礫だったので、「無名脚本家ではニュースバリューがないのかなあ」と諦めていたのだが、取り上げてもらえるよう、あらためて働きかけていただけることになった。同窓会のあたたかい応援に感謝し、もっと早くお知らせしておけばと思う。■高校の先輩は思いがけないところにいる。『パコダテ人』企画の一人、読売テレビの新谷さんとは、函館の映画祭ではじめてお会いしたときに、高校が同じと分かって驚いたが、阪本監督も12期上の先輩だった。Friends #7 Yesterday is history. Tomorrow is mystery. Today is a gift. 昨日は歴史 明日は神秘 今日は贈りもの
■昨日から今日にかけてシンクロニシティ(くわしくは12/18の日記にて)の連続!点と点がどんどんつながって線になっていっている。その点は「人」だったり、「興味のある分野」だったり。好奇心とエンジョイ精神を持って、いろんな人に会い、いろんな物事に首を突っ込んで蒔いた「種」が芽を出しはじめたのかなあという気がする。でも、まだ花が咲いたり、実がついたりはしていない。今は「予感」という芽を大事に育てて、うまく花や実を結びそうになったら報告させていただくとしよう。■明日から友だちブラウン君の写真展。お時間ある人はぜひ!くわしくはブラウンダイアリー へ。Friendsは1回お休みして、ワールドカップ番外編(ある社内メールより) (前略)試合終了の後、例によってテレビの画面には礼儀正しい日本のサポーターが観客席を清掃している姿が映し出されていました。前回のフランス大会でもこれは話題となり、各国のメディアが取り上げていたことを思い出しました。海外の方々が日本人を理解する上で、これほど素晴らしいことは無く、誇らしく思いました。一方で、時代は変わってもこのような、いかにも日本人らしい、古来からの礼節をわきまえている日本人がいて、その文化が存在していることが嬉しく感じられます。さて、その同じ時間に、皆さんがゲームと飲食を楽しんだ会議室をスタジアムと同様にかたずけている人がいたことを、何人の人が認識していたでしょうか?(中略)ここはレストランでもなく、ケータリングのサービスがはいっていることもほとんどありません。いつも誰かが会場をセットし、かたずけをしています。(中略)退席するときに、コップの一つ二つ、皿の一枚二枚をかたずけていくと言ったマナーが今後定着するといいですね。我々の社会はそうした文化ですし、ビジネスに於いても大切なことだと思います。(後略)
2002年06月04日(火)
回文ぐるぐる「サッカー勝つさ」
自分ではじめた回文企画に、みずからはまり、頭の中がぐるぐるになっている。47都道府県をお題に回文を作った人、回文短歌を作る人、世の中には名手がぞろぞろいるのだが、何かコツがあるに違いない。頭の中に合わせ鏡があるとか。今のところは、身の回りのものを手当たり次第逆さまに言ってみて、偶然意味が通ったものを「回文発見!」している。ペットボトルのお茶の成分表示を見ながら「ビタミン見た日」。意味不明。同僚のなくいが教えてくれたサイト には「バリウム売り場」とあった。うまい。 『刑務所のリタ・ヘイワース』(映画『ショーシャンクの空に』の原作 スティーブン・キング著)を教えてくれたなくいは、本を見つけるのがうまい。今日貸してくれた『わたしカスミ草 』(石津ちひろ著 まえの・まり絵)という本は、「さかだちで読んでね」と副題がついている。タイトルを逆から読むと「嘘、見透かしたわ」となる。回文ではないけど、変身文になる。面白い。中には詩のような回文が1ページにひとつずつ。「まずい肉付き 気づく新妻」「四時まで待つ気よ 良き妻で魔女」がお気に入り。回文の持つ独特のリズムが楽しい。わたしもこんな気のきいた回文を書きたい、と目標ができた。 今宵はサッカーワールドカップ日本初戦。「本日は残業をしないように」と社達が回り、5時前から退社する人が相次ぐ。なんて会社だ。わたしは今から飲み会が二つ。類は友を呼ぶのか、「ワールドカップはニュースで見ればいいや」と思っている友人にそれぞれ誘われた。わたしが応援しなくたって、「サッカー勝つさ」。Friends #6 訳:いまいまさこ Friends, you and me .... You brought another friend .... And then there were 3 .... We started our group .... Our circle of friends .... There is no beginning or end .... 友だち、あなたとわたし あなたは別な友だちを出会わせてくれ 三人になった わたしたちは仲間になり 友だちの輪ができた その輪にははじまりも終わりもない。
2000年06月04日(日) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)
■今日は、とってもいい天気。フランス語ではQu'il fait bon.同じ名前のケーキ屋さんが表参道にあって、わたしのお気に入り。てなことを以前日記に書いたら、獣医の卵のジャンガリアン君から「ネズミの名前にいただきました」とメールと画像が送られてきた。1匹で『キルフェボン』かと思ったら、『きる』『ふぇ』『ぼん』の3匹。『のぞみ』『かなえ』『たまえ』みたいでかわいい。(年がばれる!?)■『風の絨毯』の柳生美結ちゃんが上京。お母さん、プロデューサーの山下さんとともにわたしの勤務先の広告代理店に来てくれる。キャスティング担当のU嬢、CM制作プロダクションのO氏、『風の絨毯』のチラシを作ってくれたデザイナーのE君に紹介。イランでのメイキングのビデオを見せてもらう。撮影の合間、ルーズベ役の男の子に「もうかってまっか」「ぼちぼちでんな」「なんでやねん」「ほな行こか」と大阪弁を教える美結ちゃん。男の子は天性の飲み込みの早さで、見事に大阪弁をモノにしていく。『風の絨毯』で美結ちゃんが演じる『さくら』は、物言わぬ女の子なんだけど、生き生きしているおちゃめな美結ちゃんをスクリーンで見たくなった。Friends #5 Beautiful young people are accidents of nature, Learn from the mistakes of others. You can't live long enough to make them all yourself. 美しい若者は、自然が生み出した事故に過ぎない。 人は、他人の過ちから学ばなくてはならない。 すべてを自分のものにするには人生は短すぎる。
2000年06月03日(土) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26) 1979年06月03日(日) 4年2組日記 先生の家
■昭和3年生まれの友人T氏のお宅に招かれ、長いお茶をする。午後1時にはじまり、気がつくと7時。集まったのは、わたしと、T氏の幼稚園時代の同級生K氏とY先生。小児科の先生でテレビドラマにアドバイスをしているY先生とわたしが放送文化基金のパーティーで知り合ったのがきっかけで、そのお友達ともおつきあいさせていただいている。K氏と会うのは初めてだったが、放送局で報道記者をされていたということで、わたしの作品にも興味を示し、たくさん質問を投げかけてくれたし、政治のことから「効率のいいお皿の洗い方」まで話題も豊富で楽しい方だった。T氏は「今井雅子は悩める人救済物語を書く」と言い、作品ごとに丁寧な感想を下さる方だ。パコダテ人についてはノーコメントだったので、観られてなかったのかと思ったら、「率直に申し上げてよろしいですか。私、あれは、ダメでした」と面と向かって言われた。Y先生は「わたくしはそれなりに楽しめましたが」と笑っていたが、どうも70代にはあまり受けないらしい。T氏は「パコダテ人より『彼女たちの獣医学入門』がずっと感動いたしました」と、ビデオをかけた。「しかし、それより好きなのは『過去に架ける虹』です。あれは、親の立場で聞くと、たまりません」とのこと。人によって、感じ方はさまざまだとあらためて思う。■T氏のお宅でもシンクロニシティがあった。T氏が通っているお寺の機関紙に日木流奈君が寄稿していたのだ。それを見つけて興奮していると、「ふた月に一度くらいのペースでエッセイが載るんですが、彼の文章を読むと、他のものが色褪せます」とT氏。例のドキュメンタリーの賛否両論が白熱したことについてどう思いますかと聞いたら、「わたしにとっては、あれは嘘だとか本当だとかいうのは問題ではなく、ただあの言葉が素晴らしいのです」という答えだった。 Friends #4 He, who loses money, loses much; He, who loses a friend, loses much more; He, who loses faith, loses all. お金を失うことは、痛手だが 友人を失うことは、それ以上に痛く 信頼を失うことは 致命傷である。
2000年06月02日(金) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26) 1979年06月02日(土) 4年2組日記 バレーボール
2002/06/01(土) フリマ ■ミナちゃん、ミキちゃん、サッピちゃんの美人トリオと明治公園でフリマ。ぶっ倒れそうになる暑さのなか、ひとつ10円まで下げた石鹸を「2つで10円」とさらに値切るオバチャンや、「そんなに値切るならいいです」と断ったつもりなのに「商談成立」と受け取ってしまう外国人と戦う。サッピちゃんのロペのワンピースは50円でおじいさんに買い取られ、「50円なら捨ててもいいし」とまで言われていた。約4時間粘って、わたしの売り上げは5000円と少し。内訳は化粧品3500円、キャンドル500円、石鹸・タオル・入浴剤それぞれ200円、ポストカード100円、マグカップ4つで80円といったところ。「物を売るってのは大変なことだなあ」と痛感。苦労して手にしたお金は、場所代と豪華ランチとなって、あっという間に消えた。Friends #3 Great minds discuss ideas; Average minds discuss events; Small minds discuss people. 優秀アタマはアイデアについて議論し、 平凡なアタマは出来事について議論し、 退屈なアタマは他人について議論する。
2000年06月01日(木) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26) 1979年06月01日(金) 4年2組日記 日記のざいりょう
■会社の人たちが、そそくさと帰っていくと思ったら、今日からワールドカップ。同僚もダンナも電車の中もその話でもちきりだが、わたしは「最も興味のない1%」に入っている自信がある。なぜ興味がわかないのか、自分でも不思議だが、普段からサッカーを見ないせいかもしれない。■4年前のワールドカップのとき、ちょうどフランスにいた。カンヌで泊まった安宿には、いろんな国のサポーターが集まっていた。隣の部屋に泊まっていたイタリアからのサポーターと仲良くなったり、朝食のとき食堂でアルゼンチンからのサポーターと話をしたりしたのは楽しかった。「君もサッカーの応援?」と聞かれて、「ううん、広告を見に来ている」と言うと、「おかしなヤツだ」と言われた。■どこが優勝するかにはあまり興味はないが、どんな人が日本に来て、何が起こるのか、オフピッチ(というのか?)のワールドカップには興味がある。サッカーが、ユカイな出会いをたくさん日本に運んでくれますように。Friends #2 Anger is only one letter short of danger. If someone betrays you once, it is his fault; If he betrays you twice, it is your fault. 怒り-anger-は危険-danger-の一歩手前。 誰かがあなたを一度裏切ったら、悪いのは彼だけど 彼があなたをもう一度裏切ることになったら、悪いのはあなた。
2001年05月31日(木) 2001年5月のおきらくレシピ 1979年05月31日(木) 4年2組日記 先生ずるい
■SESSION9の試写会を見てきた。怖い怖いと脅されていた上に、ネットで予告を見て「最後まで耐えられるだろうか」と不安になったが、次回作のためにもホラーを研究しておこうと思い、見に行くことにした。舞台は、閉鎖され、廃墟となった精神病院。暗い過去と記憶がしみついた建物に、アスベスト除去の作業員らがやってきて……という話だが、「リアルスリラー」と銘打つだけあって、実話と言われても信じてしまいそうなリアリティーがあり、薄気味悪かった。「廃墟は心の中にある」ということを言おうとしているらしい。セッションとは、かつて病院で行われていた「診療」のこと。■話はがらりと変わり、関西にいる友人たちにドバッとパコダテ人案内メールを送った。「応援するよ」「早速友達にメール回したよ」と返事が続々。しばらく連絡を取っていなかった友からの近況報告もうれしい。これもみんな、しっぽ映画のおまけ。■友だちといえば、パソコンのファイル整理をしていて『Friends』という英語詩を見つけた。アメリカのホストマザーがずいぶん前に送ってきたチェーンメールで、最後に「10人に送って友情を確かめましょう」とあるのが興醒めなのだが、詩の内容はとてもいいので取っておいたのだ。わたしはチェーンメールは嫌いだけれど、ホストマザーとホストシスターの母娘は大好きらしく、せっせとジョークやら画像やらクイズやら送ってくる。先週は「このメールを10人に転送するとビルゲイツから入金される」というのが来た。ジョークのつもりなのかトクする話のつもりなのか、わからないので無視している。さて、数少ない「当たり」のFriendsをあらためて読み返すと、やはりいい。数行ずつに分かれているので、今日から日記の中で何回かに分けて紹介しようと思う。いまいまさこ訳つき。 Friends #1 Many people will walk in and out of your life. But only true friends will leave footprints in your heart. To handle yourself, use your head; To handle others, use your heart. 何人もの人が あなたの人生を通り過ぎていく。 けれど あなたの心に足跡を残すのは 本当の友だちだけ。 自分に言うことを聞かせるには 頭を使いなさい。 他人に言うことを聞いてもらうには 心を使いなさい。
1979年05月29日(火) 4年2組日記 お母さんのおてつだい
■ダンナの紳士服のイージーオーダーについていく。わたしのカラフルな安物服10着分の値段で、ダンナは地味なスーツを一着買う。しかもボタンの数やシルエットはデータ保存されていて、毎回変わるのは生地だけだ。似たようなモノトーンの中からひとつを選ぶ。さて、生地を選ぶと「データを出力しますので、名前と住所と郵便番号を書いてください」と申込書を差し出される。ダンナが記入して待つこと三分。前回オーダーしたときのデータが取り出されてきた。それを店員の男性がマークシートに書き写していく……と、ダンナが一言。「これ、僕じゃないですよ」。見ると、名字は同じだが、住所は茨城県。アカの他人のデータだった。これじゃあ何のために郵便番号まで書いたのか、わからない。■間違って出された別人さんのデータは、そのままテーブルに放置されていた。本来なら、その場ですぐ畳むかどけるかして、客の目から遠ざけるべきだったと思う。逆のことを自分がされたら気味が悪い。住所、電話番号、前回買ったスーツの値段、はと胸かいかり肩かといったことまで記録されているのだから。目の前の客だけが客ではないのに、高級スーツを買った客も、紙切れになると杜撰に扱われるのは悲しい。百貨店のサービスもこんなものかと失望しながら、「これがドラマの1シーンだったらどんな展開になるか」を想像した。間違いに気づかずに別人サイズのスーツが仕上がってしまったら、コメディーになる。データが妻のかつての恋人のものだとしたら、妻はすかさず電話番号を覚え、何年かぶりに彼に電話をし、恋愛ドラマが生まれる。あるいは、憎んでも憎みきれない男の名前を見つけ、復讐の鬼となるサスペンスドラマもありうる。それとも、イージーオーダーはデータ管理もイージーだったという告発劇、いやドキュメンタリーがいいだろうか。
1979年05月25日(金) 4年2組日記 おかあさんが帰ってこれるか
■清川虹子さんの訃報を夕刊で知る。名前と顔を見て、「あの人では」と思ったら、やっぱりそうだった。二年前の第26回放送文化基金賞の授賞式、元気いっぱいのスピーチで会場を沸かせたあのおばあちゃんだ。出演した中上健次原作のNHKドラマ『日輪の翼』が受賞し、ディレクターとともに登壇した清川さんは、「生きててよかったー!」とマイクが割れるほどの大きな声と、両手を大きく広げる仕草で喜びを表した。その日に聞いたスピーチはどれも気がきいていて、笑ったり感心したり忙しかったが、清川さんのこの短いけれど勢いのある言葉が、他のスピーチを吹き飛ばしてしまった。年輪のなせるわざなのか、全身からただものでない雰囲気を漂わせていて、「この女優さんはすごい!」と圧倒された。「将来何になりたい?」と聞かれたら、「かわいいおばあちゃんになりたい」と答えるわたしだが、こんなにチャーミングな目標が目の前に現れたのだ。ちょうど「元気なおばあちゃんが主役」の企画を思いついたときだったので、「この人は、ぴったりじゃないか!」と膝を打った。懇親会でそばまで寄ってみたが、声をかける勇気はなかった。新聞記事によると、享年89歳。当時87歳だった。■あれから二年。忙しくしている間に、清川さんのことも、おばあちゃんの企画も、しばらく忘れてしまっていた。奇しくも今日、第28回放送文化基金賞の受賞作品が発表された。清川さんにご登場いただく夢はかなわないけれど、元気なおばあちゃんの話でまた賞を取ってみなさいと言われているのかな、と思ったりしている。
1979年05月24日(木) 4年2組日記 しゅうじで「ビル」
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