あたろーの日記
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2004年04月13日(火) 戦争の真実を見る眼。

 旧暦閏2月24日。
 また寒くなった。

 寒いのは日本人の心の中でもあるかな、と思う。まだ解放されない人質家族に中傷や非難の声。なんとも寒い世の中だと思う。一部の人達だと思うけど、あまりにも無神経で無責任だ。平和ボケして政治にも国際情勢にも無関心、自分の娯楽にばかり関心が向いてる人達がいる一方で、危険な場所にあえて足を踏み入れ、助けを必要としている人達に手をさしのべ、真実を私たちに伝えようとしている人達もいる。高遠さんに助けられ彼女を心から慕っているイラクの子供達がいる。郡山さんが自分の足で撮って回った写真が週刊誌に掲載されて、私たちはフセイン政権崩壊やイラクの現実の様子を見ることができた。今井さんが自分の目で確かめようとした劣化ウランの問題は、実は政治家がないがしろにしてはいるけれど非情に恐ろしい問題をいくつも孕んでいる。アメリカが使用を隠そうとし(最近ようやくイラク戦争でも使用したことを認めた)、大手の新聞やテレビが詳しく報道しようとしない劣化ウラン弾の影響、例えば子供達の健康被害や環境汚染について、写真や詳細なルポで遠く離れた私たちに現実を教えてくれるのは、政府でも大手のマスコミでもない、危険を冒して現地を這いずり回ってくれている人達だ。そういう人達がいなければ、果たして戦争の現実は正しくこちらに伝わってくるだろうか。生命の危険を冒してまで現地に行くべきだ、とは思わないけれど、でも、実際そうやって行った人達のおかげで、私たちは政府や大手マスコミ主導の偏った報道からだけでなく、現地のもっと生々しい、多角的な視点に立った情報を得ることが出来るのだと思う。この先、イラクでアメリカ軍が使用した劣化ウラン弾の問題が必ず表面化してくると思う。放射能の影響で肢体に傷害を持って生まれた子供達や白血病の発症、死の土地になった場所、アメリカ軍兵士、それから劣化ウラン弾が使用されたサマーワで活動した自衛隊員。目を背けて真実を知ろうとしない人は見なくてもすまされる。でも、戦争の現実を直視し、真剣に考えようとする人ならば、危険を承知してまで、日本での安全な暮らしを捨ててまでイラクに行った彼らの行動を、無責任だとか自業自得だなどと非難する気にはなれないはずだと思う。
 人質になっている3人を失うのは、私たちが戦争の真実を見る眼を失うことと同じだと思う。


2004年04月12日(月) 無理矢理かぶせたティンガロハット、その後。

 旧暦閏2月23日。
 朝晩の自転車通勤が気持ち良い季節。
 冬の間ぶくぶくついた脂肪を落としていかないと。。。

 長期化するのかなあ、イラクの人質事件。人質も家族も、体力的にも精神的にも限界がきてしまうのではないかとニュースを見ながら不安になる。これが自分の家族だったらと思うと、やっぱり他人事とは思えない。
 
 アメリカが、まるでタガが外れたようにイラク人を殺しまくっているように見える。たとえ「狂信的」(私にはそうは思えない)に思えても、「過激派」と呼ばれる人々であっても、イラク各地で起こっているのはアメリカの占領に対する抵抗運動ではないか。多くの市民も巻き添えにして、アメリカがファルージャで行っているのは大量虐殺ではないか。自国を異教徒の手から守ろうとするのはイスラム教徒の人達にしてみれば当然のことだと思う。これ以上イラクの人達やアメリカ軍兵士の犠牲者を増やさないで欲しい。過激派でも武装勢力でも、イラクの人民には変わりない。よその国の軍隊が無理矢理排除したり弾圧したりすることが果たして許されるのだろうか。結局アメリカは自分たちに都合の良いイラク人しか認めない。彼らの社会のあり方をもっと尊重すべきと思う。一国も早く国連主導の復興支援に移行して、フセイン崩壊後のイラクの市民社会の現実に即した統治を模索し始めないと、イラク戦争は終わるどころか、どんどん泥沼化する。アメリカはベトナムと同じ轍を踏むことになる。
 一年前、無理矢理バグダッドの上にかぶせたティンガロハットの隙間からあふれ出たものが今アメリカ軍を悩ませている。結局暴力は暴力しか生み出さない。戦争もテロも、勇気を持ってそれを断ち切らない限り、永久に連鎖し続ける。


2004年04月11日(日) 無事に解放されることを祈って。。。

 旧暦閏2月22日。
 
 明日の朝起きたら、イラクで拘束された3人が無事に解放されたというニュースを、ようやく見ることができるだろうかという不安と期待。今朝起きて知ったニュースに誰もが喜んだのも束の間、今日1日はなんとも長く感じた。家族の方々の心労を考えると本当に気の毒としかいいようがない。24時間以内の解放を伝えたニュースからすでに21時間。現地の状況の複雑さを考えれば、まだまだ楽観できない。どういう情報がどこまで真実なのか、人質や家族はいつ安堵できるのだろうか。

 「外相ビデオ自衛隊部分の削除要求『反感あおる』と家族」朝日新聞の記事。川口外相が反抗グループに向けてメッセージをビデオに録画。その中で、自衛隊もイラク復興の為に派遣されているのだという主張を入れたため、人質の家族らが、かえって犯人を刺激して人質の不利になるので削除するよう要請したけれど外務省はこれを拒否。BBCなどで放送された。これに対してイラクの友好団体から「人質解放の道を閉ざす危険性がある」と警告があったそうだ。
 高遠さんの弟さんではないが、まさに人質家族と政府の「温度差」を感じずにはいられない。あまりにも鈍感で配慮を欠く。

 小泉首相に直接会いたいと人質家族が何度も希望しているのに、「今は会えない」というのはどうしてか。自衛隊撤退に応じることができないからか。そのつもりならそのように首相の口から家族に直接伝える位の気持ちはないのか。回転扉の事故で子供が亡くなった六本木ヒルズの現場に花束を持って行ったのは、国民の視線を意識した単なるパフォーマンスだったのか。現に今、命を反抗グループと日本政府の手の中に握られている人質の家族が、首相のすぐそばまで来ていて、しかも会いたいと懇願しているのに、それでもかたくなに会おうとしないのは何故か。例えば人質が政府高官の家族だったら、あるいは自衛隊員だったとしても、同じ対応をとるのか。

 今回の人質事件を巡る政府の、即座に自衛隊撤退拒否を表明し一貫して毅然とした対応を高く評価するコメントが、NHKで流れていた。終始一貫した政府の対応というのは確かに重要だけれど、だけど、その対応の根拠を考えると、それで良いのかという疑問がつきまとうのが今回の人質事件と自衛隊派遣問題。そしてただただ単純に思うのは、日本政府は一市民を救ってはくれないんだな、ということ。ダッカ事件の教訓、というのも分かる。政治は非情、というのもよく言われる。それもある意味では理解できる。
 だけど、それでもやっぱり、救える命なら最大限の努力をして欲しいと願っています。
 


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