あたろーの日記
DiaryINDEXpastwill


2004年03月17日(水) ここにいること。

旧暦2月27日。
風が強いけれど、各地で20度を超える暖かさ。

夜、巣鴨駅周辺で4人もの女性から次々と声を掛けられる。手相のお勉強をしているそうな。聞こえないふりして無視してすたすた歩くのだけど、しつこくて嫌になる。20歩位ぴったりついてくる人もいる。迷惑です。夜遅くにご苦労様なんですけど、私高い印鑑いらないし、新興宗教に入る気もないのです、ごめんなさい。一見するとおとなしそうで真面目タイプに見える私と同年代の女性達が手相を観る相手を探してウロウロしている側で、ヤーさんらしき人、フーゾクの勧誘の人、酔っぱらいのおじさん、ホームレスのおじさん、キャバレーのお姉ちゃん、おでん屋さん、タクシーの運ちゃん、屋台の焼鳥屋さん、お巡りさん。
とげぬき地蔵で有名な巣鴨ですが、夜の駅周辺は昼間とまったく違う顔です。とても猥雑で騒がしいです。でも、そこが好きでもあったりします。吹き溜まりには吹き溜まりの魅力があると思う。いろんな人の日常が交錯する場所って面白い。
かと思えば、駅から離れて行くと、大きな道路の両脇でも高い建物がなくて、ぱあっと視界がいきなりひらける場所がある。視野の中で空の比重が断然大きくなるのです。都会の中でこんなに開放的なところがあったのかと思うくらい、空を遮る建物がないのです。でも、その場所に立って視線を少しずらすと、高速道路のオレンジの明かりが頭上から落ちてくる。
大通りから脇に逸れると、お寺と墓地を囲むように住宅が集まって、狭い路地の奥で猫が喧嘩してる。

自分がどうしてここにいるのか、時々ふと不思議に思うことがあります。
なんでかな、小石みたいにころころ転がって、転がり続けて、あちこちぶつかって、窪みがあったからとりあえずここに落ち着いた、という感じなのかなあ。そもそも母のお腹に私の命が宿ったのも、日本に生まれたのも、昭和40年代に生まれて今こうしてこんな生活しているのも、どれもこれもなにもかも、偶然の積み重ねなんだろうか。それとも、すべて必然なんだろうか。
自分の人生の中で、偶然の部分と必然の部分て、あるんだろうか。



2004年03月16日(火) ひる寝

 旧暦2月26日。
 いろいろ調べたい事があって、会社を休んで図書館に1日いた。
 なのに、大きな窓から入ってくる暖かな陽の光の、あまりの心地よさにとうとう爆睡。
 大学の図書館、今春休みで学生はほんのわずか。春休みは平日しか開いてないので、時々会社を半休して通っているのですが、いつも勉強している年配の女性がいる。学生より熱心です。そのそばで私は机に突っ伏して眠っている。。
 
 月に1度の割合で行く近くの定食屋さん。平日の昼時は作業服姿のおっちゃん達が多い。土日になるととげぬき地蔵に来たおばちゃん達もちらほら。500円玉1枚で、主菜にみそ汁や小鉢のついた定食が食べられるのです。ただ、ご飯は大盛り。これがすんごいてんこ盛り。なんだけど平らげてしまうご飯好きの私。が。今日お昼に行ったら、同じアパートに住むお兄ちゃん(まだ高校出てそうたってないっぽい)が店に出ていた。ありゃ、食堂で働いているというのは大家さんから聞いたことあるけど、ここでしたか。。。「ここでしたか・・・」と間抜けなことを言いながら、ニシン焼の定食を注文。で、つい気取って、お兄ちゃんに「ごはん少なめにお願いします」と言う。「あ、半分くらいで」「はい、半ライスですね」「はい」・・・出てきたのは小さいお茶碗に、いつもの5分の1位の量のご飯。ありゃ。りゃ。
 ですが、皿からはみ出すほど巨大なニシンと格闘したおかげで、ずいぶん満腹になりましたです。


2004年03月14日(日) 「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」

 旧暦2月24日。
 
 暴力が暴力を産むという悲劇的な連鎖が止まらない。
 それが他者の命や日常を奪う行為である限り、テロであれ戦争であれ、正当化される理由などどこにもないと思う。
 自分に当たり前のようにやってくるはずの明日の生活が、ある時突然暴力的に奪われることの恐ろしさ、無念さ。実際に経験してみなければ本当の痛みは分からないかも知れないけれど、せめて、起こっている現実について、目をそらさずに考えるということが、生きている側の義務ではないかという気がする。気が滅入ることだけど。

 ***

 6日に公開された「イノセンス」を観たいので、予備知識を仕入れるために、同じ押井守監督の前作、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を観た。レンタル屋さんに行かなくても、今はネット配信というものがあるから楽ですね。しかも300円ほどで、購入後7日間は何度でも観ることができるというのも嬉しいです。
 最初に、すいません、謝っときます、アニメってあんまり好きじゃなくて、ちょっと馬鹿にしてました。子供の観るものだと思ってました。宮崎駿以外は大人がわざわざお金払って観るものでもないよなぁ、って思いこんでました。まあ実際、帰省して姪っ子達と一緒にテレビのアニメ観てても、キャラクターの動きがカクカクだったり、アニメ素人の私が観ても明らかに手抜きな作品もあったりで、テレビで30分間もよくこんなの流すよなあっていう憤りもあったりしたのですが。
 そういうわけで、「イノセンス」の押井監督については全く知りませんでした。映画「マトリックス」に日本のアニメが影響を与えたというのは聞いたことがあるのですが、ふぅん、程度で。ところが、いろいろ想う処あって、押井監督と、映画「イノセンス」の描き出す世界に興味を持ち、この映画をスクリーンで観てみたくなったのです。
 「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」は、今から9年前に公開されて、「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟らに影響を与え、海外で作られた多くの映画の「元ネタ」となったアニメーション映画だそうです(ちなみに「マトリックス」、実はまだ1作目しか観てない。映画館に行く機会逃してそのまま・・・)。80分足らずで短いなあという印象を受けましたが、中身は濃かったです。ストーリーは分かりやすい反面あっけない気がしたけれど、なんと言っても絵がきれい。舞台である近未来の街の設定、キャラクターの動き、表情、作品のもつ世界観がちゃんと完成されている、という気がしました。3回ほど繰り返して観ましたが、観るたびに新しい発見があり、考えさせられ、自分なりに噛み砕いてみたくなりました。映画のよしあしの明確な基準なんて存在しないんですよね、作り手受け手がどう観て、感じるかで。実写だろうが、アニメだろうが、それは作り手の表現手段であるわけで、アニメだから大人が観るに耐えない、ということはないんだと感じました。実写でもつまらないと感じる映画はいくらでもあるし、アニメのほうが才能を出せる監督もいるのですね。私は、どっちかというと観る側の想像力を喚起して刺激する映画が好きです。監督自身も答えを知らないんじゃないかって思いたくなるくらいの。深い所に引き摺り込まれるような作品が好きです。アニメーションでもそういう映画はあるんだと驚き、今までの食わず嫌い、思い違いを反省しました。
 
 「イノセンス」のほうはいつ行けるかまだ予定が立たないのですが、早く観たいです。できれば、週末に夕方の回とレイトショーを続けてどっぷりはまってみたいのですが。
 今月末にでる雑誌「ユリイカ」(青土社)が押井監督の特集を組むそうです。こちらも楽しみです。
 


あたろー |HomePage