★KINPEI★
◎ ■出会い ◎

彼女との関係をはじめから書いていこうと思います。

長くなるかもしれないけれど。
今の私たちになるまですごくすごく揺れて
ここまできたので。

今もまだ揺れていて、だからこそ
日記を書こうと思ったんだけど。

少しずつ残していこうと思います。



そういうわけで、出会った年からスタート。




******

初めて日向に会ったのは二年前くらいで、
その時はすっごくしっかりした彼女の様子に
絶対年上だと思ってた。
その時の彼女はとっても忙しそうで
違う分担の作業をしてたから、接点もなく
友人というより知り合いという感じだった。

少し話す機会があって、感じの良い人だなと思った。
背が高くて美人で、ダンスがうまくて
人を笑わせるのが上手で、偏見無く誰とでも話し、
とても聞き上手だった。

でも、誰とでも垣根無く話す。
それは逆に誰とも一線を画していて
踏み込ませない雰囲気を持っていて
この人はこれが終わったら、
別れちゃう人だなぁって思っていた。
人間的つきあいの薄い人だと思った。

この時アルは、それまで普通に男の子と恋愛してたから。
日向を恋愛対象とは思っていなかったし。

そのグループは知らない人の方が多くて
人見知りをする自分は
仲良く話せる何人かを作って
その人たちとコミュニケーションをとるので精一杯だった。
その輪を広げて、みんなと接点を持とうとは思っていなかった。

そこに居るのは義務感で
快適な空間を作ろうとも思ってなかった。

そしてとても幸せな事に
自分の周りは良い人が集まっていて
楽しく過ごせていたので
それで十分だった。

だから、すっごく素敵な日向がいたにもかかわらず、
優しいけれど
何ともいえない、踏み込ませない雰囲気をもった彼女と
友人になろうとしなかった。

私一人があそこに居たら、それできっと終わってた。
あまり接点のないまま、イベント終わって
そのままになっていたと思う。

でも、彼女との関係はそれでは終わらなかった。
幸運にも。




   − 2000年03月01日(水) −             next


★KINPEI★
◎ ■オファー ◎

私たちが出会った団体の
その公演が終われば、彼女とは
何もなくさよならだった。

でも、彼女はとてもいい人だったので
私の友人がいたく気に入って
次の自分らの公演に勧誘したのだ。

彼女はいきなりなそのオファーにびっくりしつつも
参加を決めてくれた。

だから、私たちはまた再会することができた。
そして練習の為の多くの時間をすごす事になった。

私にとって、知り合い以上友達未満だった彼女は
練習や打ち合わせを繰り返す内に、
だんだんと素を垣間見て
以外にいい人だけじゃない!??
と思わせ、私にとってはすごく居心地のいい人になった。

でもそれだけじゃなく
彼女はすごくすごく魅力的な人だったから
話したり、メールしたりがすごく楽しかった。
パソコンが壊れてそのころのメールがなくなっちゃたのだけど
かなりな量のメールをやり取りしていたと思う。
お馬鹿なメールを山ほど。

友達として、すごく楽しい時期だった。

別に好きとかそういう感情なく、
でも恋愛の始まりの時みたいな、
話すだけで楽しくてっていう感じ。

こっちの一生懸命をストレートに受け止めて返してくれる、
そういう彼女の姿勢がとても心地よかった時。


あのまま、何も無かったら、そのまま、仲の良い親友になれて、
それで終わってたと思う。
あの一週間がなかったら。


   − 2000年05月01日(月) −             next


★KINPEI★
◎ ■トラブル ◎

その問題の一週間。

それまで、私はこんなにも人間付き合いが下手だとは思わなかった。
普通に生活している分には、いろんな部分に目をつぶって生きていけるのに
一つの目的をもって進まなくちゃいけない時
意思の疎通が出来ない人を、無視していけないがゆえに
私はすごくすごく苦しんだ。

公演の成功というところを目指して
思いを伝えたり、
やり方を変えたり。
でも、歯車が狂っている時って、何をやってもうまくいかない。

良かれと思ってする事はみんな報われず
努力はことごとく無駄になり
相手の意見はその場限りでころころかわり
ともかく、その人と一緒に居るだけで
話をするだけで、ストレスになるようになってしまった。

それでも、メンバーである以上
仲良くやっていくしかなくて
そして、分かってないが故の
暴言である事も分かっていて。

でも、説明しても理解できないのは私の所為じゃないし
そういう状況に陥ったのは自分の所為なのに。
簡単に責任転嫁して私を責め続けるその人と
どう折り合いをつけていけばいいのかわからず
でも、そういう悪感情をメンバーに打ち明ける事も
ためらわれ、誰にも言えず、追い込まれていた。

そういう状況にあって
偏見を持たない彼女の性格と
古株じゃないという気楽さもあって。

自分の追い込まれている精神状態を
少しだけ話した。




そしたら

隣で支えてくれた。




私はあまり人を頼らない性質なので
こういう時の愚痴も、言ってすっきり、
聞いてくれてありがとう。で終わらしちゃう。

自分で解決するし、自分で立っていたいって思う。
そういう肩肘はってるのに



胸貸すから泣けば?

みたいな。


一人で立ってないで、寄りかかりなよ

って感じのメールが

優しい言葉のメールが

いっぱい来た。


もちろん、そういう言葉で言ってきたわけじゃなくて

月がきれいだよ。

とか

風が気持ちいいね。

とか


毎日、何通か、優しいメールを送ってきてくれてた。

毎日。


話せば親身になってくれるというスタンスではなく

常に気にしてくれているメール。

そういうメールが届くたびに泣きそうな自分がいた。

何をやってもうまくいかない自分に

優しさをくれるそのメールに。


私、立ち直るときは自分で、って思ってた。
誰かの言葉で、じゃ無くて自分の「えいやっ」って
気持ちで立ち直るものだと思ってた。

けど、その時のそのメール達は
自分ひとりでって思っている
他人には介入させずに居た部分で
支えてくれるメールだった。

でも、でも、でも。
自分が立ち上がるときに、力を借りたら、
それが必要なものになっちゃう。

骨折したときに、ボルトを入れて、
それが骨と同化していくように。

同化しちゃう。

立ち直ったね、って言われてはずされたら
その時、すごく痛い。

今その言葉にすがれば
今は楽かもしれない。

でも、すがってしまったら
今後それは私に必要な物になってしまう。
そんな風にずっとそばに居てくれる人じゃないのに。

それが分かってたから。
彼女の優しさから、逃げてた。
その言葉から微妙にはずしてレスしてた。

ボルトじゃなくて
ギブスで居てもらうために。

なのに、なのに、なのに。

風が強くて、冷え込んだその日。

優しいメールを拒否できなくなった。

頼っちゃだめってガードしてたのに

そのメールはガードを解いて
私の中に飛び込んできてしまった。

あ。
しまった。

みたいな感じで。

困ったなぁと思った。

立ち直ったねって、埋め込まれたボトルをはずされたら
すごく痛いけど。痛みを伴うけど。

そうなるの知らずに
優しい言葉かけてくれるのしってたけど。

でも、もうだめだなって思った。

入ってきちゃった物はもう流せない。

だから、その優しさを正面から受け止めることにした。
素直に
その腕にくるまれる事にした。

すごく、変なんだけど。
これって全部メール。
会ってたわけじゃなくて
電話で話したわけでもなくて
メール。

それも抽象的な言葉の。


それでもこんなに心が動く事があるんだって
不思議な気がする。

それに

抽象的なメールのやり取りだから
まだ逃げ道はあると思ってた。

でも本当は分かってた。


彼女の優しいメールを受け止めたとき。

彼女に恋をしてると。


友達みたいに、気が合ったときに居ればいいんじゃなくて

ずっとそばに居て欲しい。


初めて人に対して束縛したいと思った。

誰よりも近くに居たいと思った。


そんな風に初めて思った。

   − 2000年08月01日(火) −             next


★KINPEI★
◎ ■優しさについて ◎

彼女が私にくれた優しさは
私にとって、恋人がくれるような優しさだった。


恋人じゃなかったら、受け取らない優しさと甘え。

男女間の恋愛に置き換えていえば、



好きな人ならありがとうって甘えさせてもらう。

好きじゃなかったら大丈夫って流しちゃう。



そういう感じの、そういうタイプの
優しさ。



・・・・。



あくまで、私にとって、はね。


優しさを与えてくれる側は、
基本的に心配だから、というだけで
そこまで、深くは考えないみたい。


もともと彼女はすごく優しい人で
困っている人をほっとけないタイプだったから。

誠心誠意、全力で助けてあげたいって思っちゃう人。

私みたいに、復活したら、ただの友達ってほったらかして行くくらいなら
そんなに親身になって面倒みないで!
って思う人が他にもでちゃうくらい、
その人の為に何かをしてあげちゃう人。


だから、彼女はすごく人気がある。


単なる友達ってラインを超えて
親友以上の優しさで心配してくれるから。

話を聞くなんてレベルで留まっていないで
その悩みを解決すべく、行動あるのみ!って感じの人だから。



ま、そんなわけで、

どうしていいのか分からないまま

私の片思いがスタートした。



とりあえず、そのグループの中では

一番メールをやり取りするのは私だった。

でも、彼女を一番に慕ってる人はいっぱいいた。

私みたいに恋愛感情が絡んでいる人は居なかったと思うけど。
(ちょっと怪しい子はいた、けどね。
 本人の自覚があったかどうかは不明。精神年齢低い子だから)


でも、メールを多くやり取りする関係は

それだけ多くの情報を手にする事でもあり。


そして、彼女の優しさを受け入れたという事は微妙に

彼女の中に変化をもたらしたらしく。


とりあえず、大事な存在って思ってもらえるようになっていた・・・

・・・みたい。



そんな感じの

あやふやなまま


彼女が気づかなければ

友達のまま


この公演が終わるまで

仲の良いまま


そして、終わったら

淡白な友人


そういう関係だと思っていた。




   − 2000年09月01日(金) −             next


★KINPEI★
◎ ■おかえし。 ◎

私が日向のメールで
大分復活してきた頃。

なんとか、普通に生活できるように
なってきた頃。


今度は日向が、凹みだした。
それは、とても軽いSOS。


もちろん、誰にも公平、壁を持たない日向は
仲間みんなへのメールで、へこんでるって書いた。


でも、日向を知らなければ、
その軽いSOSが、本当はすごく重いSOSである事に
みんなは気づかない。


ちょっと前に自分がすごく落ち込んだ所にいた所為かもしれない
私には日向の傷ついた心が、伝わってきた。


私は、電話とかをしてきたら、親身になるけど
そういうアクションがなければ、
私は必要とされてないと理解して
あまり、踏み込まない性質。

分かってないって人に心配されたり
同情されたりするの、嫌いだから。


でも、日向から沢山の優しさをもらって。

人に優しくするとはどういう事かを学んで、

自分が日向にしてもらって嬉しくて

すごく癒されたから。



日向にもその優しさを返せればと思った。

何気ないメールを沢山送った。


日向から教えてもらった優しさを

日向に返せるかなぁって思いながら。


日向がメールの言葉で私を包み込んでくれたように

私も日向を包み込んで上げれたらいいなって。





ありがとう。って。

落ち着いた感じのメールが来るようになった。


立ち直ったみたい。

私みたいに、必要な部分で支えてもらったわけじゃなくて

きっかけの一つか、

もしくはそれに満たないくらいの

小さな力だったみたいだけど。



でも、良かったなって思って。

立ち直ってくれて

ちょっぴりでもお役に立てたなら。


それに、

日向がそんなに落ち込んでたのは

私しか知らない事だったから。


二人だけの秘密みたいで嬉しかった。

秘密って言っても、日向がへこんでたのは

周知の事実だったんだけどね (^-^;)

秘密って思ってたのも私だけだけどね。



後から聞いた時

大切だって思った瞬間は

私が日向を受け入れた時のメールか

その後の慰めメールか・・・

って言ってたから。


恋じゃないけど。

人として、心が動かされた瞬間だったみたい。



そう。

本当にこの時は

まだ全然

恋じゃなかったんだ。

日向にとっては!


そして当たり前だけど

あの優しいメールの数々

私をノックダウンさせたメールの数々も

単に友達として・・・の行為だったんだ。



本当に嫌になるくらい

私をドキドキさせる

魅力的な日向は

誤解させるのを楽しんでいるかのような

優しさを私に与え続けて。



そして同じように他の友達にも

優しかった。



   − 2000年09月02日(土) −             next


★KINPEI★
◎ ■嬉しくて 切ない メール ◎

その頃、恋愛観についてメールのやり取りがあった。

その延長で擬似恋愛みたいな

あくまで想像上のメールのやりとりがあって



でも私にはめちゃくちゃドキドキするような

思わずメールを読んで赤面しちゃうような

言葉を大切にする彼女ならではの

素敵な言葉と優しい言葉を送ってきてた



日向は多分過剰反応する私の反応が楽しくて

やっていた事だと思う。


私はそういうメールを流す事さえ出来ずに

いちいち反応して

でも笑い飛ばせる程度に

軽いニュアンスにして

レスしてた。


そういう嘘の言葉が

嬉しくて

でも、切なくて



でも、積み重なっていく

そのメールの

どこまでが真実で

どこまでが嘘なのか

次第に分からなくなっていて




全部、うそ??

そう、嘘。



全部嘘なのに

そんなメールで嬉しくなって

一喜一憂する自分の心が

だんだん悲鳴をあげてきて



切なくて

でも

嘘でも

そういうメールが嬉しくて

メールを出さないで

とは

言えなかった。



言えないまま


どんどん自分を追い込んで

行く日々。


ドキドキと胸の痛さが同時に

迫りくる日々。




   − 2000年09月03日(日) −             next


★KINPEI★
◎ ■くれる優しさ ◎

そんな切ない状況の中

私はやっぱりじたばたしてた。

してたと思う。

綱渡りみたいな感じだった。


嘘だってわかっててでも

恋文みたいなメールをしてきて

ドキドキして

でも、そうやって他の人より確実に

私を構ってくれているのも事実で。



なんて、私が思ってただけだけど。

彼女は私以外に人にも積極的に仲良くなっていっていた

わたしが日向しかみえなくなって

他の人と距離を持ち出したのと反比例するように

日向はみんなの輪の中に入っていってた。



日向はすごく公平さを大事にする人だから

誰かとだけ特別に親しくするのを嫌がっていたから

私との距離が縮まれば、縮むほど

同じように他の人たちとも距離を縮めようとしてた



その公平さを知ってるみんなは

日向が私を甘やかすと

同じ様に甘えた。

日向は同じように甘やかした。


私は日向が好きだったから

嫌な子になってた。

今もだけど。


きっと他の子達はそんなに深く考えてなくて

感覚的に動いていただけの事だと思うけど

そんな深読みしちゃうなんて嫌な人間。



この頃は日向が好きで

でもはっきりしなくて

楽しいけど悲しくて、やきもちやく資格なんか無いのに

やきもちやいて、自分でもよくわからない



私はメールの時から好きで

日向の心が分からなくてじたばたしていて

だって、やっぱり、好きじゃなかったら

そういう態度は無いでしょう!??

っていう態度してたから。


でも彼女の常識とか、人付き合いの仕方とか

そういうくくりの外にある私の存在をどう認めていいのか

分からなかったみたいで。


分からないなりに 感情に素直に行動していて

かわいがりたいからかわいがる

甘やかしたいから甘やかす

って。

その行動の根底にある気持ちはなんだ〜!!

っていうと

「わからない」



アルがかわいがられるのが好きだから

甘やかされるのが好きだから

してあげたいなって思う

って言うのだ。


その日向の優しさは

基本的に誰にも同じで

その人がして欲しいと思うこと

自分が出来るならできる限りしてあげたいって

思う人だから



つまりは、私が日向に対して

恋人のような優しさを求めたってことかな?

って今書きながら初めて思った。


だって、優しいメールも

甘やかしも私が望んだわけじゃなくて

日向から起こしてくれた行動だったんだもん


そういうことしてくれちゃう日向に

私はひたすらびっくりしてた

だから、私が望んでたから日向がしてくれてた

とは思わなかった・・・・。



そっかー そうかー そうだったんだー



日向はアルが日向を好きにならなかったら

こうはならなかったと思うって言ってた

日向は受身だからって。



アルも自発的に人を好きにはなるけど

そこから先は好かれてるって思わないと

動けない性質だから

日向の積極的な行動が無かったら

こうはならなかったと思うぞ〜?

と思うんだけどね。



日向が実際この頃どう思っていたかは

わからない。


日向自身も

「わからない」

だったんだと思う。


だからこそ、

日向は接近しようって

思ったんだと思う。








   − 2000年09月04日(月) −             next

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