人間にとって、言葉は重要なコミュニケーションツールの一つである。仕事が絡めば尚更だ。場合によっては、言った言わないの泥仕合になることも少なくない。 今回は、そんな言葉の行き違いから発生した様々な誤解を、実例を交えて紹介したいと思う。このサイトを御覧になられている諸氏も、是非今後に役立てていただきたい。
ケース1
(前提:田村が上司M田氏にコーヒー代100円を貸して)
M「はい、田村さん1,000円」
私「え?いや、1,000円じゃ多すぎですよ、100円だし」
M「いや、あの、全部差し上げるとは申していないんですけど。お釣りいただけますでしょうか?」
いかがであろうか。 このように言葉が足りないばかりに、意思疎通に支障をきたしている(どちらがより言葉が足りないかは、あえて言及しない)。更に悪いことに、このケースの場合、私の財布の中身にその時小銭がまったくなく(お札など言うまでも無い)、お釣りという観点がすっぽりと欠落していたことも、コミュニケーション不能に陥らせるひとつの重要な要因となっていたのである。
ケース2
M「ボールペンを消すやつ持ってないですか」
私「ええ?・・・うーん、ちょっと持ってないですねぇ・・・修正ペンじゃ駄目でしょうか?」
M「あ、それそれ、修正ペンでいいんですけど・・・」
私「あ、ボールペンのインクを文字通り消すやつかと思ったんですけど・・・」
M「そこまで大掛かりなものは要らないのですが」
この前段階で、「消しゴムで消すことの出来るボールペンで書類を書いているやつがいる」という話題が前提となっている。よくよく考えれば分かるのであるが、よくよく考えないと分からない。やはり言葉は重要だ。
ケース3
(内線電話での会話で)
『あのー、Mさんはいらっしゃいますか?』
「申し訳ございません、Mは本日は退社してしまったのですが・・・」
『え!?退社ですか!??何日付けで退社されたんですか!!?』
思わず「18時30分付けで退社しました」と言ってやろうかと思った(思っても言わないのが大人である)。
いずれのケースも日常でよく見られる些細な言葉のやり取りであるが、たったこれだけでも様々な誤解が生じている。いかに必要充分な言葉を相手に発し、状況をちゃんと説明することが重要であるか、きっとお解りいただけたに違いない。 誤解されてはいけないが、別に毎日こんなやり取りを繰り返しているわけではないことを念のため言っておく(そこまで暇ではないのだ)。
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