2010年02月21日(日) いつまでも 一喜一憂 わが仕事
ご無沙汰。
入試直前追い込み&執筆の仕事でしばらく忙しかった。入試も最後の1校まで終わったし、原稿も無事出せた。しばらく土日も返上だったので、気持ちが休まらず、今は久方ぶりの休養中。と思ったら、鼻風邪を引いてしまった。でも、ひどくはならなかったので、子供とのんびりクッキーを焼いたりしている。
相方も同時期に風邪を引いたが、昨日から食事もせずに死んだように眠りこけている。いつも書いているが、相方弱し。よく風邪を引くし、一旦風邪を引くと起き上がれないくらいに悪化する。なんとかしたまえ相方くん! とりあえず、使ってない部屋にヤツを隔離して、子供に移さないようにする鬼嫁な私だ。
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うちの塾って、生徒との距離がめちゃくちゃ近くて、英語の弱点をすべてさらけ出させて、点を落とす理由を明確にしてその弱点を徹底的に潰していくので、最後には生徒は「もう隠すことは何もない。煮るなり焼くなりなんとでもしてくれ!」という状態になる。というか、力を最大限引き出すには、教える側と教わる側はそういう状態にならないとダメだと私は思うので、時間をかけてがっちりと信頼関係を築くことに注力している。スポーツ選手とコーチの関係と同じだ。
私はこの仕事を始めて丸16年だが、最初の頃は「信頼関係」などまったく考えてなかったので、生徒は宿題の答えを写してきたり、テストでカンニングしたりすることもあって、そのたびに「なんで??」と心を傷めていたものである。今思えば、ただ生徒に信頼されていなかっただけである。
信頼関係を築き、弱点をさらけ出させ、一緒に悩み、一緒に苦しんで、ときには叱咤し、ときには励まし……と長らくやっていると、入試の合否は我が事以外の何ものでもなくなる。
毎年こんな風に感動を味わえる仕事って、本当にスバラシイと思う。少子化、不景気、塾の乱立の影響もあってか、だんだん生徒の数も減って、ぜーーーんぜん儲からないけど、16年間「辞めたい」と思ったことはただの一度もない。これからも、めげずに生徒を集めたい。
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今回の執筆の仕事は、いつもの教材執筆じゃなくて、大学の英語の入試問題を分析してある人にインタビューして記事を書くものだった。初めての仕事なので、かなりのエネルギーが必要だ。とりあえず、大量の入試問題を分析し、人生初のインタビューはガチガチに緊張し、担当の編集者さんとも何度も電話でやりとりしつつ、なんとか原稿を書いた。原稿を出してからも、数度書き直しがあり、ようやく校了にこぎつけたが、まだちょこちょこと直すところがあるので油断は禁物だ。この仕事は3本1セットのうちの1本目なので、これからあと2本書くことになる。
新しい仕事をしていると、自分の能力の限界を目の当たりにして凹む。「私って無能だなぁ」と何度も思う。やっていくうちに限界線は広がっていくんだろうが、その過程が苦しい。成長の場を与えられたと思って頑張る。
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今年の冬、寒かったね。今年は一軒家になったので、特に寒さがこたえた(覚悟していたほどではなかったが)。うちの暖房はガスヒーターなので今回のガス代の請求が2万円弱いった。冬、早く終われ! 東京は来週から暖かいみたいなので、ものすんごく楽しみ。
つづく。
2010年02月09日(火) 道徳心 あなたの子供も まだですぜ
受験シーズン真っ只中で忙しい。普通の塾は受験の始まる2月は授業はないが、うちはある。
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入試の英語長文を年間1,000題近く読む。そのほとんどが論説文なので、知識のカケラ(雑学)がどんどん増える。この前特に面白い文があった。
道徳心に関するもので、人間の道徳心は生まれながらのものではなく、環境の中で徐々に育っていくものらしい。で、道徳心がしっかり根付くのが8〜10歳頃で、それを判断するちょっとした問題がある。うろ覚えだが、紹介したい。
Aくんという男の子がいて、そのAくんが2階にいたところ、下から「ご飯ですよ」というお母さんの声。お腹をすかせたAくんは、急いで階段をかけ下りダイニングのドアを開けたところ、ドアの向こう側にグラスが10個載ったトレイがあって、それにドアがぶつかってグラスが10個割れてしまった。
次にBくんの話。Bくんはお母さんの留守中、いつもお母さんに禁止されている冷蔵庫の中のジャムを舐めようと瓶に手を延ばす。しかし、手が滑って瓶を床に落としてしまい、ジャムの瓶を1つ割ってしまった。
さて、AくんとBくん、どちらの方がキツク叱られるべきでしょう。
というのが問題。大人はすぐにBくんと答えるだろうが、まだ道徳心の芽生えていない子供は割れたものの数(グラス10個と瓶1個)に気をとられて、Aくんと答えてしまうらしい。これは面白いと思い、まなティ(4歳)に試してみることにした。
まなティは2つの話を注意深く真剣なまなざしで聞き、私の問いにしばらく考えてから「Bくん」と答えるではないか! 私は「おお!」と思い、「どうしてそう思うの?」と聞いてみたところ。
ま「お母さんがダメって言ったから」
私「そうそう、そうだよね!」
ま「それに、ジャムがもしブルーベリーだったら、床にシミがついて取れないよ!」
そこか! うちのフローリングはほぼ無塗装なので、床に食べ物や飲み物など落とさないようにいつも厳しく言われているので、「床にジャムがベッタリ」を想像して反応したらしい。どうも、10個と1個という数的観念はまだないみたいで、そこは引っかかり所にはならなかったようである。4歳ですでに道徳心が!というのは単なる親ばかだったらしい……。
しかし、こんな簡単な問いに、8歳くらいになるまで正確に答えられないのかと思うと、子供って大人が思ってる以上に見えてる世界が違うんだなぁ、と。悪いことをして叱られても、大人の真剣な言い分は半分もわかってないのかもしれない。というか、4歳時に道徳的なことで叱ってもしかたがないということがわかったことはデカイ。
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全く話は変わるが、こうティは挿し込み男だ。手を狭いところに挿し込むのが好きで、例えば、抱っこしているときの私の腕と自分のお尻の間とかソファとクッションの間によく手を挿し込んでいる。
で、それは寝ているときもそうで、どこに挿し込むかと言えば、枕の下ではなく、なぜか一緒に寝ている私の首の下なのである。私が横向きだろうが仰向けだろうが、スッと手を首の下に入れてくる。こうティの手が痺れてしまうかもしれないのでそっとどけるが、またスッと入ってくる。毎晩まるで1歳児に腕枕されているかのような私である。
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2月7日(日)は結婚記念日だった。あいにく私は仕事だったので、ケーキを買って翌朝小さく祝った。
結婚して6年だ。家族の形は変わったが、私たちの関係は結婚したときと面白いほどに全く変わらず『心の友』である。
相方はポジティブですごく賢い人なので、こんな私を柔軟に調教できている。この前、私に叱られて泣いているまなティに、「そんなんで泣いてたらママとはやっていけなよ」とこっそり言っているのを聞いて、相方の柔軟さを目の当たりにした。
これからもよろしく、相方。私のこの世でただ一人の心の友。
つづく。
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>>「匿名メールフォーム」へのレス
・Rちゃんはその後厳しく注意されたみたいで、
まなティも笑顔で幼稚園に行くようになりました。
どうにか、強くなって欲しいものですが、
こればっかりは、難しいですね。
2010年02月01日(月) うちの子に 限ってまさか そんなこと
最近辛いものばかり食べたい。辛くて臭いもの。特にタイ料理。ランチは汗をかきかき1人タイレストラン。
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今年に入ってまなティが幼稚園に行きたくないと毎日泣く。理由を聞くが、給食が美味しくないとか、体操がイヤだとか言ってはぐらかし、なかなか真の理由を教えてくれない。幼稚園から帰ってきても何かを思い出しているみたいでハラハラと涙を流し、食欲もまったくないし、情緒も不安定でこうティに暴力を振るったりしている。とにかく様子が普通ではない。
昨日、落ち着いて話をして、やっと幼稚園であったことなど教えてくれた。クラスの友達Rちゃんが、まなティを子分のように扱い、何かをするように命令したり、他の子と遊ばないようにさせたり、ピンクの髪飾りはしてくるなと言ったり、挙句の果てには叩いたり、つねったりしていたらしい。
まなティは、イヤと言えないタイプである。他人の目を気にするし、他人に嫌われるのを恐れるし、他人の言葉を真に受けるし、意地悪するとアタフタしてすぐに泣いてしまう。ドンピシャで苛められキャラである。威張りたがりのRちゃんに目をつけられたのも頷ける。
まなティの話を聞きながら、そりゃもう腹が立って腹が立ってしかたがなかった。わが子にはいつも笑顔でいて欲しいと思うのは親の本能だろう。しかし、Rちゃんだって人生初心者の子供である。それに、まなティは人の目を気にするあまり友達に意地悪したりしないが、こうティはどうかわからない。明日はわが身だ。そう思うとRちゃんを責める気にもなれない。
絶対にRちゃんにイヤと言えないまなティに、Rちゃんの近くに寄らないようにしたら?などと使えないアドバイスをするが、当然ながら「そんなの無理!」と一蹴されてしまった。もうどうしていいのか私もわからない。相方なんて「オレが幼稚園の頃に友達をイジメてばかりいたのの因果が子供にまわってきたのかも…」なんて言っているし。
もうこれは先生に言うしかあるまい。ということで、今日まなティを幼稚園に送りがてら、先生にありのままを話してみた。そしたら、先生はいつもまなティとRちゃんが2人だけでいるので、仲良しなのかと思っていたらしい。Rちゃんとまなティとこの問題を話し合いますと言ってくれた。
先生は「ずっと気づかなくてごめんね」「いろいろイヤなことがあったのを我慢してたんだね」「先生が見方になってあげるから、先生に何でも話して」と言ってまなティをギュッと抱きしめていた。まなティはその間ずっとポロポロ涙が止まらないし、辛かったんだろうと思うと私ももらい泣きしそうだった。
とりあえず、なんとかよい方に向かいそうである。今日はまなティも笑顔で幼稚園から帰ってきた。しかし、問題はこれからである。今はまだ年少なので、傷も浅いだろうが、これから年中→年長→小学生と、イジメの質も変わってくるだろう。悪い方に。
まなティを優しくサポートしつつ、心をもっと強く。それが私たちの課題である。
つづく。
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