あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2010年05月10日(月)

大地の固さを確かめていた
てのひらが
夏の深さを測ろうと
水の中を泳いでいる

ひとつ、ふたつ、
 とおの白い魚は冷たさを喜んで
暗い水底の事を もう忘れただろう
  
泳ぎだそうとする水が
激しくさかまく川であったり
すべてを飲み込む海であったり
あなたはまだ知らないで
ただ ただ
  もっと遠くへ
   もっと深くと望む

小さな魚がおぼれないように
今は手のひらで囲んで
真夏の日差しと嵐とが
ほんの少しでも和らぐように

祈るのだ、きっと



過去 一覧 未来


My追加
 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe