2009年07月15日(水)
わたしの身体から生まれてきた娘が この夏で一歳を迎える 蒸し暑い夜の部屋でそのことを考える 不思議で、不思議で仕方がない 私が、親、なのだ。 ただ飲んで眠って泣いて そこに転がっていることしかできない生き物が 起き上がり、手を伸ばして抱っこをせがむ。 私の後を追い、時にはげしく泣く まだ意思の疎通はできないけれど、 どうして、と思う どうして生まれてきたのだろう どうして私の身体にやってきたのだろう どうして、人はこんな過程を経て成長するのだろう 暑くて寝苦しいと泣く子をあやしながら 不思議に思う どうして、命は生きていくのだろうと 2009年07月07日(火) ちいさな指先に まあるい言葉の芽が生えている あした、 わたしは芽吹きを摘み取るだろうか あのね、と伝えることを まだ知らないこどもは まあ、まあ、まあ、と懸命に叫んでいる 叫ぶからだは 奥深い海につながっていて むかし聴いた潮騒を思い出させる あなたが言葉を覚えたら 海はきっと遠ざかるだろう あなたが伝えることを知ったら わたしは聞くことをやめてしまうだろう だから まだしゃべらないで 小さな指先で言葉の形を指さして まあ、まあ、まあ と |
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