あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2007年02月28日(水)


知らない声が「出られません」と告げている
 電波の向こうの景色は見えない


約束も交わさないままナズナの薹が立ちました


冷たさと優しさの間を行き来する
 君の言葉と唇は







 2007年02月04日(日)

冬というものが何処かへ行ってしまって
唐突に
歩くことを忘れていたと気づく
穴の底に日差しは届いていても
足は
根を張ろうともせずに
でくの棒め

春に雪が降ってもよいだろう
冬に花ひらいてもよいだろうよ
あなたが、わたしの事を思い出しても
ふいとそれは消えてしまうのだろう
ざらりとした髭の感触が
わたしの腹の上だけに刻まれ
花びらは飛んでいってしまうものだ

ああ
冷たい日々が懐かしい
爪の温度も感じられぬようであれば
求めたりはしないのだから
まして何処かへゆこうだなどと
いや、行かねばなどと思い込むこともなく
穴のそこで平穏でいられるのに


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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe