物を巡り人を辿り書を捲り何を知る
ゲレンデに居る透明なゴーグルを通して雪が舞う。画質の荒いTV越しに風景を眺めているよう。二人掛けのリフトに一人で乗る。一つ後ろに彼女が乗っている。リフトは中継地を経由し、軽く曲がった後さらに進む。後ろを振り向くと彼女は居ない。「中継地で降りたか。今から追って間に合うかな?」「間に合わないな」と自答。前に向きなおし、雪の降る様を眺め続ける。