翠の日記

2007年05月31日(木) 5月に読了の本

北森鴻をかたっぱしから読んでます。

『緋友禅』
『瑠璃の契り』
 2冊とも、旗師・冬狐堂のシリーズ。骨董と人の関わりなので、重い話が多いのですが、短編なので気軽に読めます。
 陶子と硝子の戦友みたいな関係が好きです。
『孔雀狂想曲』
 『狐闇』に登場した骨董商「雅蘭堂」越名さんの話。冬狐堂のシリーズよりも、身近な品物が多くて、なおかつアルバイトの女子高生も登場するので、楽しく読めました。
 古九谷を扱った悪徳骨董商との対決話が一番面白かったです。

『深淵のガランス』
 絵画修復師の話。修復が必要な絵画は高価と相場はきまってるので、当然のように贋作問題がからんできます。中篇2本なので、ちょっと内容が帯に短し、襷に長し?
 作者がエッセイで『狐罠』を贋作話だけで賞に応募したら、落ちたといっていたのですが、…それってこんな感じの話なのかなと思いました(大変失礼;)。
 修復師とお手伝いさんの関係はとても好きです。何しろ、入院するほどの怪我をさせられた修復師のために、こっそりと相手の肋骨折るくらいの報復をして、それが修復師にバレると「イタズラがすぎたようだね」とか二人で笑い合ってますから。
 親の代からの手伝いで年がかなり上だから、妄想にはちょっと限界があります;

『屋上物語』
 さくら婆ぁのキャラがとても良かった。救いのない話ばかりでしたが、最後の話もかなり辛かったけれど、さくら婆ぁと興行師に救いがあったので、終わりはほっとしました。

『顔のない男』
 最後まで読んでもどうなっているのかわかりませんでした。長編のつもりで読んでいたのですが、よく見ると短編の集まりで、1話切り取っても全然

『パンドラ’sボックス−ミステリー&エッセイ−』
 初期の短編とそれに纏わるエッセイを集めた話で、「初期!」っていうのがにじみ出ていて面白かったです。
 中に『メブウス・レター』を思い出したくないみたいな記述があって、私の中ではかなりツボな話だったので、ちょっと残念でした。

『メイン・ディッシュ』
 劇団を主催する女優と、彼女に拾われた料理の上手い人の話です。連作と思って読んでいても、あとから「え!そんなのアリ!?」という不意打ちをくらいます。ラストはほのぼのなのでよかったです。

『桜宵』『螢坂』
 香菜里屋シリーズ。1冊ごとに、料理のグレードがアップしてます(笑)。
 3冊の中では『桜宵』が連作集としてはまとまっていて、好きです。『蛍坂』は地味な話が多くてあまり印象に残ってません。



2007年05月23日(水) 『海賊』

 今回は2回観にいきました。初日の5/11と5/23です。熊川君が怪我をしてしまったので、2回目はキャストが変わってしまいましたが、代役の橋本君はものすごくがんばっていました。

 ガラ公演等で踊られるバリエーションが、いつもアリとメドーラだったので、てっきり2人が恋人同士だと思っていましたが、メドーラはコンラッド(海賊の首領)と恋に落ちるんですね。アリはコンラッドの部下で、コンラッドが大好きな良い子です。

 Kバレエの紗幕は毎回とても素敵な絵で、今回は海賊が覇権を争っている航海図でした。
 冒頭の争奪シーンや、奴隷市場の乱闘など、見所たくさんでとても面白かったです。
 女性の衣装はとにかく目まぐるしく変わって、着替えが大変そうでした。アラビア風の足の隠れたものから、ギリシア風のドレープタップリのものまで、とにかく豪華です。

 1回目はよりも2回目の方が、男性キャストの気合の入り方が違っていたように見えました。それとも単に私の視線が熊川君一筋だったせいで、舞台全体を見ていなかったから?
 
 それとはまったく別に、全幕通してメドーラが素晴らしかった。吉田都さんは今まで何度か観たことがあるはずなのに、今回ほど揺るぎない踊りを観たことがありません。
 さすが世界で踊ってきた人です。
 それにしても、都さんが来てくれてよかった。きっと払い戻しも少なかったに違いありません。彼女を観るだけでも、チケット代払う価値は十分ありますから。

 カーテンコールで熊川君が出てきた瞬間に、立ち上がってしまい、とっても正直な自分を再確認したのでした。



2007年05月20日(日) 有楽町献血ルーム

 ここで献血するのは2年ぶりです。いつも約束の時間より早く来てやろうと思い、挫折します。ということで、昨日は映画を朝イチにして観終わった後で、余裕を持って立ち寄ったのでした。
 それにしても、混んでました。40くらいあるロッカーが満室…。とても、ちょっと時間ができたから寄ってみたという待ち時間ではありません。
 今日の検査の看護婦さんも、血管が見つけられなかったので、手のひらで検査してもらって、(昔は稀に上手な人がいましたが、最近はダメですね)比重も十分ということで献血できました。
 終わったあとは、ハーゲンダッツを一つ食べていいので、ストロベリーを貰い、読みかけのファッション誌を通読してたら、入ってから2時間くらいたってました; さすがに長居しすぎました。

 せっかく銀座に来たので、靴屋だけふらふらしましたが、ついこの間、妹がサイズの合わないシルバーのサンダルをくれると言ったので、今は買えません…。いつ持ってきてくれるんだろう。

 ……と思いながら帰宅したら、出かけてる間に妹が来たらしい。でも、サンダルは持ってきてくれなかった; 何より第一の目的が録画したDVDを観ることなのに、私がいなくて果たせなかったそうです。だからあれほど来る前には連絡しろと言ったのに、タイミングの悪い姉妹です。



2007年05月19日(土) 『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン』

 鑑賞券を譲ってもらったので観てきました。
 話の前半にオカンの若かりし日の女優さんが出てくるのですが、これがありえないほど自然に似ていて(特にまぶたの感じとか)、特殊メイクもここまでできるようになったんだ、と関心して観ていました。それにしても、元の顔がわからないこの女優は誰だろうとエンドロールを凝視していたら、オカンの娘でした。似ているはずです。

 それにしても、才能ってモノは、あるところにあるものなんだと、しみじみ感じましたね。
 高校3年間堕落したといいつつ、卒業してるし。
 大学4年間何もしなかったと言いつつ、翌年に卒業してるし。
 何もしなかったの基準が違うのかしら?単位1つも取ってないって意味じゃないの?

 この辺の大学卒業のエピソードが一番好きでした。オカンの大変なところを何てことないように言うところが素晴らしかったです。



2007年05月11日(金) 『マリア・カラス-舞台を飾ったジュエル展』

 スワロフスキー社が保管していた、ステージジュエリーの展示会が、ただいま世界を巡回中なのだそうです。
 当時のモノクロ写真が一緒に展示されていて、なかなか見ごたえがありました。
 ただ、メインの作品6点ばかりのディスプレイが、懲りすぎていて観づらかったのが難点です。単調にしたくなかったのはわかりますが、モノクロ写真を引き伸ばして、網状にし、その向こう側のジュエリーにライトを当てて見せるので、近づくと写真の全体像がわからないし、現物もライトが当たったときでないと見えないし;
 一緒に観たいのよ〜!! 

 出口には、お約束のように即売所がありまして、アクセサリーだけでなく、ベルトとか、パーティバックとか、キラキラして素敵でした。復刻版のジュエリーも、スワロフスキーなので、手ごろな価格で豪華な一品が手に入ると、錯覚して手をのばしかけましたが、どこに着けていくんだと思い直し、鑑賞するだけにしておきました。
 それにしても、平日の昼間なのに混んでいたのが、さすが日本橋三越。マダムがいっぱいです(苦笑)

 せっかくだからと服を見てまわり、可愛いワンピースを見つけたのですが、並んでいるのは7号と9号だけ。店員に「これ9号までですか?」と聞くと、「ちょっと待ってください。……7号もあります!」
 9号まで、って聞いたんですけど;

 挑戦したら、袖が入らなかった。あまりにも問題外で悔しさもなかったですよ;
 よくよくタグを見ると、7.9号展開とあって、細くて小さい人しか着るなってことがよくわかりました。



2007年05月09日(水) 女性専用

 会社の最寄り駅の工事にともない、階段の位置がずれたので、乗りなれた車両から女性専用車両を使うようになったのですが、良い面ばかりではなく、悪い面もあるんですよね。
 毎日車内で熟睡している私は、ついつい隣の人に寄りかかってしまうのですが、男性だとそのまま放置してくれるのが、女性だと肘鉄が返ってくるわけです。重いですからね;
 それはこちらが悪いので仕方ないとして、今日の女子高校生の会話にはびっくりしました。いくら周りは女だけだって、妻子もちと不倫で悩み中って…。車内だよっ、車内っ!! その発言の何がびっくりって、
「相手より子供の方が年近いんだよね。30代だからお母さんの方が近いもん」
……つい先日、一回りだの、ダブルだのと友人と冗談話が出たばかりの私には、あまりにタイムリーな話題だったのでした;



2007年05月06日(日) 連休も終わり

 連休後半の3日は家からほとんど出ませんでした。本を読んで、テレビを観て、終わってしまえば、本当にあっという間です。
 4月から連休の間に読んだ本です。

『福音の少年』あさのあつこ/著
 少年2人の関係が児童書よりもさっぱりしていて、少しものたりなかったです。どちらも反発しあってるから仕方ないのかな。
 ラストにもうひと波乱欲しかった。本当の黒幕が今ひとつわかりずらくて、続編があるのかと思ってしまいました。

『宙(そら)の詩(うた)を君と謳おう』柴田よしき/著
 3部作の最後。前作のラストでララに恋人ができたのが、今回は15歳の子供の母になっていてびっくりしました。母になっても元気いっぱいだったので、面白かったです。

以下は北森鴻/著
『花の下にて春死なむ』
 香菜里屋のマスターのビジュアルが今ひとつイメージできないのですが、出される料理がとっても美味しそうです。連作でしたが、表題作が一番好きでした。

『冥府神(アヌビス)の産声』
 浮浪者がトウトを守ろうとするラストの展開は面白かったのですが、全体が脳死がらみの難しい話だったので、読むの疲れました。

『狐闇』
 冬狐堂と、税所コレクションをめぐる闘いで、蓮丈那智(+三国)や香菜里屋まで出てくるという、私には出血大サービスの話でした。「狐闇」というタイトルにしては、オチは微妙でしたが、三十路の女の友情が心に沁みました。

『闇色のソプラノ』
 夭折の童謡詩人(金子みすずにダブって見える)の自殺をめぐる哀しい話でした。偶然にも程があるというツッコミを入れたくなりますが、作中でも何度も「こんな偶然…」と言われているので、狙いなんですよね。ラストの静弥のモノローグに泣いてしまいました。

『メヴィウス・レター』
 「ぼく」から自殺した「キミ」へと宛てた手紙(過去)と、差出不明人からその手紙を送り付けられた小説家の心境(現在)が交互に描かれていて、面白かったです。
 始めからラストまでめちゃくちゃ好みの話でした。ストーカーが出て来る話は苦手なんですが、描写が痛くない程度だったので、読み易かったです。シリーズもの以外では一番好きな話になりそうです。


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