2006年03月21日(火) |
トッキュー!!(真田×嶋本) |
注:いつものシリーズ物とは違います。
先日、地元で同窓会があった。丁度非番の日と重なったため、新幹線に乗って、久しぶりに実家へ帰るというメールを嶋本から受け取っていた。
『それでですねー、おもろいこと聞ぃたんですよ』
「なんだ」
真田はコーヒーを口に含んだ。インスタントだが、日本のものに比べて随分濃く、そして酸味が強い。けれど、ふくよかな香りが心地よかった。少しクセのあるそれは、今電話の向こうで和やかに話す部下によく似ている。
『同級生に長崎に転勤したヤツおるんですけど、なんとあっちって、なんにでもちゃんぽん麺入れるらしいっスよ』
隊長ハマってたやないですか〜と、くくっと電話の向こうで喉が鳴った。
『すき焼きもうどんやのうてちゃんぽん麺で、ヤキソバもちゃんぽん麺でつくって、モダン焼もちゃんぽん麺て言うてました』
「それは、すごいな」
『でしょ、ホンマ、本場の人間豪快っちゅうか…ヤキソバくらい、ヤキソバ麺食えちゅぅ感じですよ』
「いや、1回食べてみたいものだな。特にすき焼きのちゃんぽん」
『そうですかぁ〜、まぁ友達も意外にハマるって言うてましたけど』
「じゃあ、帰国したら食べに行こうか」
『家庭料理らしいですからね、どっかそないなもん扱うてる店探しときます』
「だったら嶋本が作ればいい」
『は?』
呆れた声が聞こえた。傍にいたら、意志の強い眉を更に釣り上げて「アホちゃいますか!」と一喝させそうな勢いがある。
「そろそろ、嶋が作った飯が恋しくなってきた」
そう囁くように言うと、何やら言葉にならない擬音が聞こえてくる。照れているときや、嬉しいときの嶋本のクセだ。天真爛漫で奔放なため、口の悪い嶋本だが、それは嘘のつけない素直な性格の表れだ。 まだ然程時は経っていないのに、懐かしく、望郷の想いを抱かせる。
『嘘ちゃいますか?』
「嘘じゃない」
『だったら……神林に言うて、一番美味い麺取り寄せときますんで』
「期待している」
電話を切った後、ふぅぅと息を吐く。インドネシアはまだ雨季で、蒸し暑い。けれど、窓を開けると、少しだけ涼やかな風が吹き込んでくる。 今頃日本は桜の季節を向かえる頃だろう。
愛しい人の声を聞くと、無性に帰りたいと思う。ただそれは一瞬で消えた。 やりたい事や、やらなければならない事がたくさんある。 まだ必要とされている。 待っていてくれる人がいるならば、まだ頑張れる。 また少し風が吹いた。蒸し暑い風は、まるで春風のようだった。
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本当です。兵悟の出身のS市は知りませんが、N市近郊は多分、ちゃんぽん麺を多様している家庭が多いと思います。 かく言う我が家も、すき焼きも、ヤキソバもちゃんぽん麺です。 すき焼きは、美味ですよぉぉぉ。麺の甘さが引き立つと言うか。 是非、お試しください。 あ、ヤキソバは、私がヤキソバ自体が嫌いなので、なんとも言えません。我が家は、塩コショウで味付けして、ウスターソースを掛けて食べてますけどね。
多分、他県はヤキソバ麺が3袋で100円とかになっているかと思いますが、長崎はちゃんぽん麺が3袋で100円とかになっています。凄いときには、2つで50円にもなります。
いや何でこれを書いたかというと、私も謎です。電話を切った後の部分を書きたかっただけなんです。 地元豆知識は、まぁ繋ぎですかね。はははは。
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