2008年04月30日(水) |
看護師はみんな平気だと思っていた |
傷や血の話が苦手な人は読まないでね。
予診表に「足を切った」と書いてあった。
看護師のHさんに「見てきてもらえる?」と聞いた。 どのぐらいの傷なのか、縫合が必要なのか、先生が見る前に看護師が見てある程度のことを判断することになっている。
戻って来たHさんは、 「ガーゼも何も当ててなくてね、もう腱が見えてる感じなの」 と、顔をゆがめた。
「ナート(縫合)だよね」 と聞くと、 「う~ん、ナートって言うか、かなりひどいんで~~」 と、もごもごしているので、 「うちで手に負えないようなら他で手術になるかもしれないから、インチョーに診てもらおう」 と、Hさんに言った。
結局その患者はレントゲンを撮ってから縫合することになり、レントゲン後は少し待ってもらっていた。その後、Hさんは私より先に帰った。(いつもは5時半までの勤務だが、今日は7時まで働いてもらった)
私は縫合セットを用意し、患者の脛(すね)の下に新聞紙を置き、その上に防水シートを敷いた。
インチョーが麻酔の注射をブスブスと10ヵ所以上刺して、傷を洗うことになった。
「きき~、この皮持ってて」
インチョーが言った。私はセッシ(ピンセットの大きなもの)で、めくれた皮をつまんだ。
「Hだったら倒れてるな」
とインチョー。
「えっ?そーなんですか?」
「Hは倒れるんだよ」
看護師は(特に外科や整形外科に勤めている人は)、大きな傷や血を見ても平気で、大抵のことでは動揺したりしないのだと思っていた。
いつも傷をジ~っと見ている私は冷酷なのか?と思った。
傷を見に行った後、顔をゆがめていたり、どうしていいかわからなくて、もごもごしていた理由がわかった。 そういうのって経験の問題ではないかもしれない。
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