2006年09月28日(木) |
「イーオン・フラックス」 |
2005年アメリカ 監督カリン・クサマ キャスト シャリーズ・セロン マートン・ソーカス ジョニー・リー・ミラー ソフィー・オコネドー
2015年、突然発生したウイルスにより、人類の98%が死滅。 しかし、科学者トレバー・グッドチャイルドの開発したワクチンによりかろうじて人類は滅亡の危機を回避する。 40年後、人々は安全で完璧な都市ブレーニャの中で暮らしている・・はずだった。何も疑わなければ・・・。 しかし、相次ぐ謎の行方不明者に疑問を持つものがいた。反政府組織モニカン・・中でも優秀な戦士イーオンは、君主暗殺の指令を受けて戦いに身を投じるのだが・・・
ええ〜っとね、ストーリーとか、謎とか、なんだか途中でよく分からなくなってしまったのですが(汗) これはひとえにシャリーズに見とれていたからでしょう、きっと。 足が長い、スタイル抜群、背中も綺麗だ〜、そしてボーイッシュなショートヘアがなんて似合うんだ!!黒髪も素敵だよね。 なのでアクションシーンももちろん映えます。あの長〜い足を開くシーン、ありましたね。 しかし・・夜でしたっけ?白い衣装で登場したのって。目立ちすぎ・・と思いましたが(笑)ま、いいんですね、きっと。強いから。 でもでも・・君主トレバーに銃口を向けたとたん、よみがえる過去の記憶。愛の思い出・・いや、あそこはキスくらいでいいのでは?(苦笑)それ以上なんて、ちょっとどうかと思ったけど・・しっかり撮られてるし。
そんなこんなで、後半は、なにやらお決まりの展開になってしまいましたね。 仲間のあの女性、もっと活躍するのかなあって思ったのに。(だけど、足が手っていうのは・・走りにくいよね?)
ひとつひとつのシーンは、面白いなあって思うところがいろいろあったのですけど。 たとえばモニカンの指令方法、脳の中に映像が浮かぶ?みたいな。(あ、仲間から連絡をもらうシーンでスチュアート・タウンゼントがカメオ主演してましたね) 金属の小さな玉を口笛で呼び寄せるシーン。 飲み物の中に入れられた物体を調べるところ・・とか。 そういう小さなシーンは印象に残ってるのに、なんだろう、いざ全体のお話となるといまひとつ、印象が薄い・・んですけど。
シャリーズの衣装と素敵なスタイルは、強烈なんですけどね。なんだか他が霞んでしまったのかもしれません。
それにしてもいつも思うのは、こういうSFものの世界って、どうして座布団(?)にテーブルなんでしょう?東洋風が流行りなの?
1995年アメリカ 監督テリー・ギリアム 原案 『LA JETEE』(クリス・マルケル) キャスト ブルース・ウィルス マデリーン・ストウ ブラッド・ピット クリストファー・プラマー ジョン・セダ
この映画の原案となったのが、先日見ていたく気に入った「ラ・ジュテ」 これはこちらもぜひ見たいと借りてきましたよ。
21世紀、蔓延したウィルスによって人類は絶滅の危機に・・生き残った人々は地上を追われ、地下での生活をおくる日々。 原因を探っていた科学者グループは、ウィルスの発生に“12モンキーズ”という謎の集団がかかわっていたことを突き止め、特赦を条件に囚人コールを過去の世界に送りこむのだが・・・
ブルース・ウィルスって、本当にこういう役どころが似合いますよね。 タイムマシンの時差(?)に苦しんでよだれをたらしながらも、やられても、やられても、タフに立ち向かう。まさにオハコの役どころ。 彼とかかわる過去の女性キャサリンにはマデリーン・ストウ。 そしてキーパーソンはジェフリー・コリンズ、演じるのはブラッド・ピットです。 設定やあの空港でのシーンなど、原案となった「ラ・ジュテ」をしっかりと踏まえた映画なのですが、この映画の面白さはやはりここに「12モンキーズ」という謎を加えたことではないかしらね? このわけの分からない、なんともおかしな名前の集団がなんなのか、いったい何をしたのか、とっても気になりながら見せられちゃう。 謎を追うコールと巻き込まれるキャサリンの間の感情は、「ラ・ジュテ」よりも複雑でしたね。 そしてジェフリーを演じるブラピのイッちゃってる演技は面白い。 うん、このブラピはすごいね〜。 最後に明かされる12モンキーズの謎・・これがまた!!ネタバレしたくないので書きませんが。 え??みたいな。いい意味での面白い裏切りでした。 空港のシーンは、着替えたキャサリンの姿をみたとたん!悲しい予感が湧き上がって・・・う〜ん、やはり切ないですね。
「ラ・ジュテ」ではこの空港のシーン、あの女性の悲しい表情に目を奪われた私ですが、こちらの映画では、キャサリンと少年の日のコールの間に交わされる視線が印象的でした。
印象的といえば、やはり音楽。使い方が上手い!! そしてTVで流れていた「めまい」のシーン。こちらも上手いなあって思いました。
2006年09月23日(土) |
「美しき運命の傷痕」 |
2005年フランス 監督ダニス・タノヴィッチ キャスト エマニュエル・ベアール カリン・ヴィアール マリー・ジラン キャロル・ブーケ
22年前の不幸な出来事により父親を失った三姉妹。 成長した三人は、今、それぞれに悩みを抱え、愛の地獄でさ迷っている・・愛の地獄・・・ですよ、そういうコピーがついているんです、すごいな。 長女ソフィは夫の浮気に悩み、次女セリーヌは恋にも臆病な日々、そして三女アンヌは不倫関係にあった男性との別れをどうしても受け入れることが出来ずにいる。
ソフィの絶望・・夫と愛人を尾行したホテルで、螺旋階段を見上げるシーン。曲がりくねる螺旋階段は、まるで彼女の苦悩の日々のようで。部屋を突き止めた彼女が(夫が帰ったあとで)眠る愛人の頬にそっと顔を寄せるシーンは、なんともいえないくらい怖かった。ただ乗り込んでゆくよりずっと怖かった。 エマニュエル・ベアール・・すごい。夫になじられて、逆に彼に詰めより、自ら服を脱いで彼に迫るシーンも女としての情念がこもってましたね。いや、脱ぎっぷりも見事です(あんなに細いのに、あんなに胸が・・コホコホ・・・) 出て行った夫を見送りながら(夫が愛人から貰ったであろう)グリーンの葉をむしるシーンも印象的なんだけど、一番強く残ったのは、夫に拒否された彼女が静かに床に下ろした小さな足・・華奢な小さな足が静かに床に下ろされる・・なんていうか・・ぐぐ・・っときましたね。
一番若いアンヌ・・彼女の恋も激しい。別れを告げられても感情を押さえることが出来ない。ついには不倫相手の家にまで押しかけてしまう・・見苦しいほどの感情の高ぶり。他のことは何も見えない、ほとばしる若さ・・マリー・ジランも見事です。 彼女の相手の大学教授・・年も親子ほど違う・・もちろん彼女だって分かっていたことだけど、あまりにも無責任というか、最後に選んだ道も・・。
そして次女セリーヌ。最初に登場した彼女はまだ幼い少女でした。 母親と一緒に父の勤める学校を訪ねた彼女。ふたりが階段を駆け上がってゆくあのシーンの足音、それはまるで運命の階段を駆け上がるかのようでしたね。 成長した彼女は、他の二人の姉妹と比べると地味でおどおどしてて孤独な・・。でも実は、彼女の出てくるシーンこそが、常にこの映画を動かすシーンになっていることに気付きます。最初のシーンもそうだし、母親の世話をするシーン、そして一人の男性との出会い・・。彼女の勘違い・・臆病なのに大胆でびっくり(苦笑) ミルクチョコでないといや!という母親とのシーンや、なんとも間の悪い所掌さんとのシーン、情念がうずまくような画像のあいだに盛り込まれるふふっ・・と息を抜くシーンも彼女のシーンが多かったですよね。
母親役のキャロル・ブーケは、久しぶりでしたよ、懐かしい。 でも相変わらずやっぱり毅然と美しい。 夫とのシーン以外は、ビックリするような老女メイクだったのですが、それさえも、意思の強さを感じさせる毅然とした強さを感じさせました。
父親を失ったことで三人の中に残った傷痕、その傷がさまざまなトラウマとなって、三人の心を苦しめ、また傷ついてゆく・・傷が全て癒えるときはくるのだろうか。 けれども世界は傷痕だけでできているわけじゃない、愛の地獄だけで出来ているわけでもない。ひとつ回すと、そこには光があったり、違う世界も広がっていたりする、万華鏡のように。 ラストで明かされる父親の真実。最初は私その誤解から生まれた結果を悲しむばかりで悔しさばかり先にたったんですよね。いまさら・・って。 でもいまさら・・でも知ったことによって、彼女たちは父親のことを今までと違う風に思い出すことができる、少なくともこれまでのように思い出を封印するようなことはせずに。そこから、また新しく生まれてくるものがあるんじゃないかなあって思いました。
それにしても、冒頭に映るカッコウのシーンには思わずぎゃ・・ってなりましたよ。実は鳥が(特にヒナが・・)大の苦手・・しかし、このシーンは何かを暗示しているのでは・・と思うと速送りなんて出来やしない(汗)横目で・・目の片隅で・・必死に見ていましたが(汗) 巣から落ちたカッコウのヒナを父親(後に登場する3人姉妹の)が巣に戻すシーン・・なんとも意味深でしたね。その優しさが・・誤解と悲しい結末を呼び、(カッコウに壊されるヨシキリの巣のように)自分の巣の中の本当の家族を失ってしまうことになろうとは。 万華鏡のシーンといい、この鳥のシーンといい、いろんなことを想像させてくれるシーンを盛り込んで、忘れられない映画になりそうです。 しっかし・・愛の地獄は・・見ているだけで十分ですね・・(苦笑)こんなに愛と嫉妬と絶望と苦しみを味わったら・・いやいや・・私にはこんなに深い情念はない・・か。
2005年イギリス 監督 ローレンス・ダンモア キャスト ジョニー・デップ サマンサ・モートン ジョン・マルコヴィッチ ロザムント・パイク トム・ホランダー ケリー・ライリー ルパート・フレンド
17世紀ロンドン。 第2代ロチェスター伯爵、ジョン・ウィルモット。 この人物について全く知識のない私だけど、う〜ん、まったくもってなんていう男でしょう。 女ときたら、誰でも抱けるらしい、いや、女性だけじゃないらしい! お酒を浴びるほど飲み、世間から浴びせられる嘲笑をあざ笑い、国王の期待をまるで楽しむかのように跳ねのけ、タブーを犯すことを生きがいとするかのような。
なのに、なのにねぇ・・なんですかねぇー、ジョニー。もっと嫌な風に演じて欲しい。こんな男最低〜〜!!っときっぱり言い切り、切り捨てられるように。 馬車の中で妻とみだらな行為にふけり、彼女に触った手を見せ付けるかのように唇に当てる・・こんないやらしいシーンはもっと下品に見えていいはずなのに〜。画面の向こうからまるで挑戦するかのような、目で見られたらゾクゾクするじゃないですか〜(汗) おまけに放蕩男のはずなのに、妻にご自慢の誘拐エピソードを語らせて喜んでいるところはやけに可愛いし、女優エリザベス・バリーに関してはとっても純情ぽく一途に見えたりして。 おかげで、いやらしい詩ばかり書いている、どうしようもない破滅願望男が、見終わってからも忘れられずにいたりします。いや、なんていうんでしょう、むしろ見ている間よりも、じわじわ、じわじわ・・と後からくるんですね。 ラストの伯爵の独白「それでも私が好きか?」 好き・・って言いたくないけど・・言いたくないけど〜〜。毒はじわじわ・・と効いてくる(苦笑)
女性たち、強いですよね。最後まで彼を見捨てようとしない妻、恋よりも舞台女優としての道を選んだ愛人(サマンサ・モートンの目力、セリフ回しは素晴らしい)ふたりのエリザベス。
後半の落ちぶれ具合、梅毒に冒された顔のメイク、最後まで容赦ないジョニーでした。
妻役のロザムント・パイク、トム・ホランダー。そしてルパート・フレンドと「高慢と偏見」の方々が・・ オーリに似ていると私たちの間で話題になったルパートさん!ところどころ、やっぱり似てる〜ってちょっとドキドキ。印象的な役で良かったですね。
それにしてもね、伯爵、普通の詩って書いていらっしゃるのかしら?ああいう感じの詩ばかり? あの舞台はねぇ〜〜、卑猥を通り越してコミカル?って感じがしましたけど。
33歳で死んでゆく・・って嘆いていましたけど、伯爵、もう一度生きられるって言われても、たぶん、同じようにしか生きられないひとでは・・そう思います。
2006年09月18日(月) |
「アバウト・ラブ 関於愛(クワァンユーアイ)」 |
2004年日本・中国 監督 下山天 イー・ツー・イェン チャン・イーパイキャスト 伊藤美咲 テェン・ボーリン 加瀬亮 メイビン・ファン 塚本高史 リー・シャオレー
REIさんが地味映画としてお薦めしてくれた作品。 東京、台北、上海。3つの都市を舞台にそこで暮らす人と留学生の出会い、言葉も国籍も違う彼らが、心に生まれた思いをどんな風に伝えあうのか。 オムニバスストーリーで描いていますが、3つの作品ともどれも素敵でしたね。
「ニイハオ」漫画家を目指し台北から東京にやってきたヤオと、失恋の痛みを心に秘めながらギャラリーで絵を描く美智子。 スクランブル交差点で、東京の街で、何度もすれ違う二人が、次はどんな風に出会うのか・・。 このふたりのストーリーのあいだに、ヤオの友だちが撮る「すれ違いながらも、まだ出会わないふたり」っていう設定の、あの撮影風景。まるで二人をなぞらえたような、あのシーン。これが挟まれてるのが効果的だなって思いました。 傷心の美智子に毎朝届けるヤオの贈り物。あのギャラリー、硝子ばりで丸見えだよね(でもとっても素敵な建物ですけど!)ヤオでなくてオカシナひとだったらどうするん〜なんてよけいなお世話を思いながら(苦笑) ヤオの描く彼女がだんだんと笑顔になるにつれて、美智子の描く絵も変わって付く。完成した絵のなかの空の青さ、力強さ!素敵でしたね。
「謝謝」深夜の台北。ひとり黙々と本棚を作るアスー。1話めのお話が爽やかに終わってその余韻を引きずっているときでしたから、最初はこのおはなしに溶け込めなかったのですけど。見終わったら、実はこのおはなしが一番好きかな。 アスーと鉄ちゃん。ふたりのかみ合ってない、カタコトの会話。アスーの元彼の言葉を彼女に伝えようとする鉄ちゃん。でもなんだか言葉がどんどん変な方向になっていっちゃって。最後にはなぜか七面鳥が出てきちゃう(笑)この切ないんだけど、噴出しちゃうような。可笑しいんだけど、でも暖かい。いいんですよ〜!!このシーン。 そういえば、本棚にペンキを塗ってるシーンでもたがいにふざけあってて、そしてなぜか急に不思議な踊りを始めたるするシーンもあるんですよ。普通はいれないよね、こんな踊りって思う。こういう感覚が面白い。 鉄ちゃんのオートバイの後ろに乗って雨の中を帰るふたり。アスーが雨は嫌いだけど、トンネルは嬉しい。そこを出たらまた雨が降ってるだろうけど、でも少しのあいだでもそれは雨を防いでくれる・・みたいなことを言うシーンで。実は私はトンネルは好きじゃなかったけど、そんな風に考えるとちょっといいなぁ〜って思いましたね。 本当に普通っぽい、ちょっと情けないようだけど、でもいいとこあるよ、暖かくって。そんな鉄ちゃん!!彼のキャラクターがとても良かった。 ・
「再見」上海の下町。留学生の修平と下宿先の大家の娘ユン。 この下宿がとても素敵なんです。洗濯物を干してる二階とか。下宿屋は雑貨屋さんなんだけど、そこの通りがまたすごくいい雰囲気で。赤い壁、赤い自転車。 修平が彼女に、下宿先の住所を教えてもらおうとユンに聞くシーン。ユンの手のひらに書かれた文字を読もうと修平が手に触れる・・そのときのなにげない・・でもちょっとね・・みたいなユンの表情。 修平の彼女が巻き毛っていうのを聞いて自分もパーマを当ててみたんだけど(彼は何も言ってくれないし)お母さんに叱られてるはで・・の悲しい顔とか。さりげない風を装ってるけど、でも彼に惹かれていってる・・ユンの表情がとてもいいですよね。そして最後のスペイン語に込めた彼女の気持ち。精一杯の。切ないなあ。
相手に気持ちを伝えたい。でも言葉がうまく通じない。あなたならどうするでしょう? 悲しい顔をしないで。元気になって欲しい。あなたが好きです・・そんな気持ちを、自分なりの方法で、精一杯伝えようとする3組の物語。 例え相手に完璧に伝わらなくても、でも伝えようとする想いがあれば、それは相手の心に響くんじゃないかなって思いました。 優しい気持ちになれる素敵な物語。見てよかったわ、REIさんありがとう。
絵や、本棚、手紙や自転車。気持ちを伝えるための小物使いも、とても印象的な映画でしたよ。
2006年09月13日(水) |
「炎のジプシーブラス 地図にない村から」 |
2002年ドイツ 監督 ラルフ・マルシャレック キャスト ファンファーレ・チォカリーア
ジプシーブラスって知ってました?私は全然知りませんでしたよ。 ジプシーの音楽っていうと、ギター、哀愁にみちた・・っていうのが私の勝手なイメージ。これはきっと「耳に残るは君の歌声」や「ショコラ」のせい?(笑)
ルーマニア北東部、地図にも載らない小さな村ゼテェ・ブラジーニ村。駅ももちろんないので、ここで降りたい人は(徐行してくれる)電車から自分で降りる・・という。 ルーマニア各地を旅していたドイツ人ヘンリーが、あるときこの村のブラスバンドの素晴らしさに驚き、自らマネージャーとなって彼らを売り出す。今では、世界各地でツアーを行う人気バンド「ファンファーレ・チォカリーア」に成長した彼らの日々の様子、そしてツアーの映像も交えて見せる、ドキュメンタリー風な映画でした。
でもはじまりは、ちょっと様子が違うんですよね。雪の残る村の湖。少年が湖から壊れたホルンを拾う。印象的なシーンからはじまります。 ここから、話は、前後したり、そのあいだに村の練習風景や、ツアーの様子が混じったりしてちょっとややこしいんですが。 村の人々も誰が誰やら、分からなかったり・・。ま、でもそんなことは、彼らの音楽を聞いているうちに忘れてしまう(笑) どこでも、いつでも楽器を持って、歌ったり、演奏したり。 ツアーでもまったく気後れすることもない、まさに自然体そのままの演奏には、聞いているうちに体が自然に動きそうになってくるんですよね。 まさに彼らにとって音楽が、生きること、そのまま・・って気がします。
そして、どこに演奏にいっても彼らの帰ってくるところは、この村で。ツアーのお金で家を建てたり、教会を造ったりして、彼らの根っこがここにあるってことが嬉しい。ツアーの様子とかも楽しいんだけど、私はやっぱりこの村の彼らの日々の様子が一番好きかな。 少年が壊れたホルンを直してもらって、またこうやって音楽は引き継がれてゆく・・たぶんほとんど実話だろうなあっていうお話の中で、この少年の話はフィクションかな?って思うけど、でもひとつこの話を入れたことで映画ぽくなったんじゃないかって思って私は気に入ってます。
ドイツツアー、イタリアツアー、どこでも熱狂の嵐!!そして東京ツアーの様子もあるのですよ!これがね〜、なんていうか、東京って・・日本って・・こういう風に映ると不思議な街だわね〜(汗)この頃ガングロの頃?若い少女たちのあの不思議な姿になんだか複雑な思いがしたり・・ね。
そうそう、最初に書いたジプシーの弦楽器のこと、定住するジプシーである彼らには荒れた手で弦楽器は難しいとのこと。なので彼らはブラスなんだ・・って特典で言ってました。なるほど〜。 そうそう、このDVD、特典もぎっしりで嬉しいです。
1962年フランス 監督 クリス・マルケル キャスト エレーヌ・シャトラン ジャック・ルドー ダフォ・アニシ
突然の大雨でビデオショップから出られない・・いつも以上にうろうろしてたら、こんなの見つけちゃいました!!う〜ん、嬉しい出会い!!
全編静止画で構成された不思議な映画。あの「12モンキーズ」(見てないのですが)の原案になったというSF映画。29分という短さですが、最初から最後まで目が離すことが出来ませんでしたよ。 お気に入りに挙げましたので、良かったらそちらも見てくださいまし。
ある男の、少年の日の思い出から映画は始まります。日曜日のオルリー空港。 まるで白黒のアルバムの写真をめくっているかのような、そんなどこか懐かしさを覚えるような映像なんですね。 そこで見た、一人の女性の悲しい表情が少年の心の中に刻まれます。
やがて第三次世界大戦が起こり、世界は崩壊。放射能に犯された地上に住むことが出来ず、人々は地下へ。勝利者たちは、そこで捕虜を使って、ある実験を始めるのですが。 この、タイムマシン(?)的な実験・・がよく分からないのですが、やたら怖い。これは静止画だからかなあ・・なんか不気味なんですよね。 そこで実験の対象になったのが、あの少年(と言ってももう大人になっているのですが)なんですね。 過去への旅、男はあの、忘れられない女性と再会します。 悲しい表情しか知らなかった、その女性の見せる様々な表情。 語ったり、笑ったり、そして目覚める時の!(この目覚めのシーンは、よ〜〜く、よ〜く見てくださいね!)
次はどんなことが起るんだろう、動かない画像って、なんだかドキドキしますよね。そしてひとつひとつのシーンにいろんな想像が膨らんでいきます。 二人は、どんなことを喋っているんだろう・・とか、あ、今笑ってるけど、なんでだろう・・とか。悲しい顔しか知らなかった彼女の、なんて魅力的なことか・・男じゃないけど、見ている私たちも魅せられてしまうんですよね。
過去への旅に成功した男は、次に未来の世界へも送られます。 ここの映像は、ちょっと可笑しいんですけど。顔だけだし、未来人。でもこの映画にとって、男にとって未来はさほど重要ではないんですよね。男は過去へ戻りたい。でも・・それは許されないことで。 迎えるラストシーン。少し予感はありましたが・・・・。
全編静止画の中で、1シーン、しかも一瞬だけ、画が動きます。 これは、どこか言わない方がいいのかなあ。 でも分からなかった(私も1度目は分かりませんでしたよ)どこか知りたい・・って方のために、一番下に書いておきますね。 ニクイシーンですよ!!
結局3度も観てしまいました、この映画。短いってこともあるのでしょうが、なにか、あきないんですよね。静止画がもともと好きなせいもあるのかもしれませんが。(あ、でもあとで知ったのですが、この静止画、わざわざ動画をこういう風に処理したものだそうですよ!)
飛行場の送迎台を意味するという「ラ・ジュテ」このタイトルもいいですよね。「12モンキーズ」も今度見てみよう。
一瞬の動画シーンは。 あの女性が、目覚めるシーン、映し出される彼女の顔。 彼女が一瞬まばたきをするんです。(まさにあなたは、まばたきをせずに見てね 笑) 彼にとって過去が一番大切になる瞬間。静かに世界が目覚める瞬間。
2006年日本 監督 本広克行 キャスト ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 鈴木京香 トータス・松本 松井拓富 小日向文世 升毅 片桐仁 要潤
冒頭日本地図から示される四国・香川県。「日本一小さい県」が紹介されると、なんだかむずかゆいような、照れるような(笑) 人口100万人にうどん屋900軒!!そんなにあるんだねぇーー。
お話は、かなりもりだくさん。そうですね、うどんで言うならシンプルな「かけうどん」や「かま玉」「ざる」じゃなくって・・「しっぽく」!!そう、鶏肉、大根お揚げ、人参、里芋・・などなど具をた〜っくさん、入れた「しっぽくうどん」のような映画でしたね。 実際のおうどん屋さんが数多く登場すること!! あ、知ってる!!「みやたけ」だね・・とか「谷川」だよ・・とか「山内」だ!!とか隣のだんな様とアイコンタクト取りながら見てました(笑)特に最初に登場する三島はインパクトありますよね。ほんとに、普通の、ああいう風な普通の家なんです。私も行った時、ここ入っていいんかなあ・・って思いましたもん。役者さんたちも良かったですけど、こういううどん屋のお店の人たちには叶わないものがありますよね。
夢破れて帰ってきた香助(ユースケ・サンタマリア)道に迷った恭子ちゃん(小西真奈美)と山で遭遇。いや・・熊は出ないと思います(苦笑)あれはきっと熊のようなおじさんじゃないかと・・(違うか・・笑) 香助、そしてタウン誌SANUKIの麺通団のお話、これは香川のうどん界では知らない人はいないんじゃないかっていう田尾さんて方のお話が元になってるんですよね。香川県民でも行ったことがないような・・地元の人の穴場的なおうどん屋さんを開拓してうどんブームを起こした・・。 他にもいろんなエピソードの90パーセントは、実話が元になってるとか。まあ、こんなに面白い、一癖も二癖もありそうなおうどん屋たちならそりゃあいろんなエピソードが生まれそうですもんね。 前半はテンポよく、うどんブームを起こしてゆく様子(うどんフェスティバルのトリビア風クイズが可笑しい〜)、そして後半は香助と父親のお話でしんみりと。 少し、いろんなお話を入れすぎてるかなあ・・とも思いましたが(お父さん、最後出てきすぎ・・かも・・)笑ったり、ほのぼのきたり、心打たれたり・・最後の最後のダシまで飲み干そう・・ってことでしょう。
あ!こんなところにあの人が・・と香川出身の人たちがゲスト出演してたり、監督の「サマータイムマシンブルース」の役柄のまま出てる人も・・そうそう、「サマー」では可愛いあのキャラクターも登場しますよ、そういうのも楽しいです。
そしてね、いじわるな見方すると、やっぱり気になるのは「さぬき弁」ですよ。京香さんのさぬき弁はほんわか・・すぎるかな(苦笑)実際はもっとキツイ感じになるんですよね。要君は香川出身だけどいまどきの男の子はさぬき弁は使わないもんねえ、あんまり。役柄的にもしゃべってなかったですよね。やっぱり、一番自然だったのはナンちゃんかな(笑)全然違和感なし、さすがです(笑) それから、それからどうしても・・・すっごい気になったのは「さぬき」の発音。イントネーションが違うんですけど・・あれは何故?わざと?それとも西の方ではああいうのかな?ものすごく気になって、翌日みんなに聞きまくったほど(笑) だってーー、あの発音だと「さぬき」のあとに「うどん」がつけられませんが・・
この映画見たら、またきっとうどんブームが起こると思うんですよ。実際、うどん本、うちのお店でもよく売れてます。見終わったら絶対絶対おうどん食べたくなるし(もちろん私も食べました)。 でも映画の中でもそうであったように、ブームはいずれは去ってゆきます。 だけど、うどんは無くならない。ふるさとが無くならないように・・ 誰にとってもそういう食べ物、そういう思いは、きっとあるのだと思います。
この映画の中で私が一番激しくうなずいたのは編集長の語る「宇高連絡線」のおうどんの話。これにはものすごく同感!!「連絡線うどん」こそ!!私のソウルフードなのかも(笑)
あ!M書店も出ましたね(笑)私がパートで行ってる書店のチェーン店です。
2006年09月05日(火) |
「スーパーマン・リターンズ」(ネタバレあり) |
2006年アメリカ 監督 ブライアン・シンガー キャスト ブランドン・ラウス ケイト・ボスワーズ ジェームズ・マーズデン ケビン・スペイシー
すごいね、何が凄いって、ブランドン・ラウスくんはまさにこの役をするために生まれてきたかのようですもんね!! メガネ姿は、素朴で純情風。そしてあのスーツを着たら!!肉体はすごいし!!顔までなんだかフィギュアみたいに見えちゃって。まさにスーパーマン!。
ケビン・スペイシーのレックス・ルーサーも嬉しい。可愛かったですよね?悪いけど、なんだかちょっと可笑しい。世界征服よりも何よりもまず土地確保!!ですか(苦笑)
ロイス・レインとの恋物語も切なくて、どんなことでも出来ちゃうスーパーマンもいなかった月日を戻しちゃうことは出来なくて(いや、出来るよね、だってリーブ版では逆回転させてましたから。しなくて・・ですね)あの夜空デートで靴を脱ぐシーン、懐かしい〜。綺麗でしたよね・・でもまだすれ違う心が哀しい。 彼らがどうなっちゃうのか、そしてロイスの息子のジェイソンのことも!!(これはあとで語りましょう) お約束の弱点も見せて・・ストーリーも上手く作られてましたよね。
それから、実は今回ブランドン君よりもケビンよりもケイトちゃんよりも楽しみにしていたジェームズ・マーズデン!!見れてよかった〜(笑) 「X-MEN3」でのあまりの扱い・・を知って以来、こちらに期待してたんですよ!!そしたら、まあ!なんて活躍ぶりでしょう、さすがです!シンガー監督!ありがとうございます。(しかし、できたら、「X-MEN」と両方やって欲しかったですよ、そしたら、サイクロップスの扱いがあんなことには・・)ロイスの婚約者リチャードを演じていましたが、なんてジェントルマン、素晴らしいナイスガイ!こんないい人いないよね。船に救助に来るシーンなんて、ただの人間なのにあの頑張り・・「飛んできたよ」って。
それにしてもね、スーパーマンって、どうしてあんな風に無条件に人間を助けられるだろうなあってこと。 他のアメコミのヒーローって、なにかしら訳があったり、誰かのためだったりするんだけど・・スーパーマンはただただ助けてくれる。まさに生まれながらのヒーロー、そこにいるだけでヒーローなんですよね。ウルトラマンと同じ(?) でもだからこそ、それがあまりにも当たり前すぎて、普通になりすぎて、お話的に続けてゆくのが難しくなるんじゃないかな・・って思うのですよ、このシリーズは。だからこのリターンズでは、どんな風に見せてくれるのかなあ・・って思いましたが、恋や、親子のお話をうまく絡めて見せ場も多かったですよね。 一番好きなシーンは、遠く宇宙からスーパーマンが地球を見てるシーンかな。目を閉じてね。そしてその次の瞬間(地球からの救いの声が聞こえた・・ってことでしょうか)長い睫毛の瞳をびしっと開けて、地球に向かって飛んでゆくところですよ。これが全てを表している・・と思います。
ケイトちゃんは、可愛いですよね。あんなに大きな子どもがいるとは・・ちょっと無理がある?メガネ姿はキュートでした。 だけど、もうちょっと毒?(キャリアウーマン的な)もあっても良かったと思いましたよ。可愛らしすぎて印象が薄くなっちゃったって感じました。どちらかというと、あのキティー。彼女の方が印象が強かったです。 う〜ん、それにしても、デイリー・プラネット社、なんて家庭的な職場でしょうか。思わず突っ込みたくなりました。 子連れで残業・・とは・・
実は、この映画を観て一番ぐぐ・・ときた場面は、映画が終わってからでした。エンディングに書かれた一言 「クリストファー・リーブ夫妻に捧ぐ」 リターンズは良かったと思う・・新しいスーパーマンのブランドン君も。 でも、でもやっぱり私の中でのスーパーマンはクリストファー・リーブなんですよね、永遠に。
ちなみに今回初めてスーパーマン映画を観た息子の一言 「スーパーマンのあの額の巻いた髪が・・気になった・・」って(爆) あれが、チャームポイントじゃない〜(笑)
このあと、ネタバレあり・・です。見ていない方は注意してね。
いや、実は全然知らずに見た、ジェイソン君のこと。驚きましたよ、これには。 ロイス、スーパーマンと旅立ってゆく前にそういう関係になっていたとは!!(いや、そうだとすると、帰ってきた時のスーパーマンのリアクションがあまりに純情すぎませんか・・ね?) でもだとしたら・・帰りを待っていて欲しかったですけど・・ね。ま、帰ってくるとは思えなかった・・っていう設定でしょうが。 「息子は父の中に・・」あの言葉が響きました。 父親と息子の物語・・スーパーマンシリーズは、そうでしたよね、これまでも。 続編、あるのでしょうか、気になりますね。ジェイソン君のその後、そしてロイスとスーパーマンの関係・・う〜ん、捨てられるのかしら?リチャード。そしたら、私がいただきます!!(笑)
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