2004年11月26日(金) |
「クリスマスに雪は降るの?」 |
1996年フランス 監督 サンドリーヌ・ヴェイセ キャスト ドミニク・レイモン ダニエル・デュバル
ずっと以前から観たい・・と探していた「クリスマス映画」。 でも観始めたら・・ええ〜?どこがクリスマス映画なの?って思わず子どもと顔を見合わせてしまったのでした。だって夏まっさかり(みんなはだかのような格好で出てくるし)から始まるし。 フランスの農村で暮らすお母さんと子どもたち。なんと7人もいるのですよ、7人!!それでもって、子どもたちが「パパ」と呼んでる人には本妻と帰る家が別にあって。つまりは、お母さんは愛人というわけなのです。 この「パパ」がね、口うるさくって、ケチで、女癖も悪くって。愛人であるお母さんも、子供たちも毎日毎日畑でしっかり働かされるのです。どこがいいんよ!!こんな男・・って思うけど。お母さんも子どもたちを虐待しないで!って怒りながらもある種あきらめながらも。やっぱり「パパ」は好きみたいで。 でもねえ・・・この「パパ」本妻との間にも結構子どもがいるみたいで。まったくねえー、ビックリですよ。
この子どもたちがね、「パパ」を嫌いながらも、お母さん思いで。みんな働きものでね(でもやっぱり子どもらしく遊んだりするしちゃうところが可愛いよね)愛らしいんです。どの子もみんな可愛いらしい顔なのですよ〜。
そして季節は過ぎて、心配してたけど、ちゃんとクリスマスシーンなのです。 ストーブも無い、貧しい彼らですけど、子どもたちがみんなで飾り付けをわいわいいいながらつけてるシーンや。 お母さんが精一杯贅沢して用意したクリスマスの食卓を囲む彼らの顔の幸せそうなようすを観てたら。なんだかとっても暖かい気持ちになったわ。 それぞれにキャンドルを手に持ってるのですね〜。そして歌ったりするのです。 ツリーの下にはみんな眠る前に靴下じゃなくって、靴を置いてましたよ〜。
だけど、お母さんはかなり追い詰められてて(「パパ」がとんでもないことするもんだから)そのクリスマスの夜にある決心をするのですよ。 もう・・これ以上は言えません・・・・言えませんけど。
やっぱりクリスマスには奇蹟が起こるんだ・・って。 嬉しい気持ちになりました。 窓を見つめるお母さんの顔・・・流れてくる曲は・・懐かしい?っていうか、とても有名なあのアダモの「雪は降る」です。
家族で観る映画か・・って言われるとちょっと微妙かも。さてさてクリスマス映画のどこに入れよう? でもやっぱり家族ものだし。クリスマスの食卓での、子どもたちの楽しそうに輝いた顔はやっぱりいいものだから。 大人だけじゃなくって、子どもたちにも見て欲しいな。
2004年11月24日(水) |
「いま、会いにゆきます」 |
2004年日本 監督 土井裕泰 キャスト 竹内結子 中村獅童 武井証
これを観てね、帰ってから久しぶりにちゃんと心をこめて夕ご飯を作りました。といってもご馳走じゃなくって、(買い物を特にしてなかったので)冷蔵庫にあるもので・・だったのですけどね。 こうやって家族のためにご飯作れて、一緒に食べれるっていいことだな〜って。 そういう普段あたりまえに思ってることがどんなに幸せなことなのかってことを思い出させてくれますよね。
記憶を失って帰ってきた澪(竹内さん)の初々しさとか、どうしてあの服なのか・・とか。ひまわりの中(すっごい綺麗でしたよね)での再会の時の彼女はなぜあんな口調なのか・・とか。 そういうのがちゃんと最後に「あぁ・・そうだったんだね」って。 巧が語った二人の出会いや高校生活を今度は澪が語ってゆく・・あそこも良かったね。そうして、(何もかも知った上で)彼女が選んだ人生に涙が溢れました。でも決して悲しい涙じゃなかったから。これは幸せな物語だから。
あの舞台の、まるで異世界のような不思議な、森や秘密の場所も。 光や、空や雨がこんなに物語に世界を与えてくれるなんてね・・・ さかさまのてるてるぼうず(いろんな色やら柄の紙で出来てる!)がどんどん増えてくのが可愛い。 3人の暮らす家も、とっても細かいところまで凝ってましたよね。ポスト、カーテン、テーブルクロス。彼女がこの暮らしをどんなに愛して、幸せに思っていたか・・伝わってくるかのようでした。
なんだか雨がますます好きになったのでした。梅雨もいいかも。 そして、「おはよう」って素敵な言葉だね、ちゃんといおう。
2004年11月15日(月) |
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」 |
製作・原案・キャラクター設定 ティム・バートン 監督 ハンリー・セリック
ハロウィンタウンの王、ジャックは毎年のハロウィン騒ぎに飽き飽き。 偶然迷い込んだクリスマスタウンの美しさに魅了されて、今年のクリスマスは自分に任せろ!!と大勘違いな奮闘ぶり・・なのですが・・・
どうみたって、決して可愛い〜って言えないキャラたちが、どうしてかしら、どんどん可愛く見えてくるから。 一癖も二癖もありそうなハロウィンタウンのキャラクターたち。 ジャックを思うサリーなんて!!、ギザギザ、つぎはぎですよ、しかも、足とか自らはずしちゃったりするし。でもジャックを思う彼女のけなげさにね!!もうなんて可愛いのだろうって。
二人が歌う・・あのぐるんと巻いた丘(?)と大きな月。あのシーンは忘れられないほど印象的。 ハロウインタウンの怪しさも面白いね。 音楽や歌も楽しくてたまらない。サントラ欲しいなあ。
ジャックのクリスマス、・ふふ・・ちょっと面白いかも・・なんて思ってしまったのですけど。子どもたちにはナイトメア(悪夢)だったかな・・ちょっと強烈すぎ?
パンフ、とても可愛いのですよ。 小さくって、ハードカバーの本のようなのです。これはすっごく気に入りました。
2002年フランス・ドイツ・イギリス・スイス 監督パトルス・ルコント キャスト ジャン・ロシュフォール ジョニー・アリディ
列車に乗って・・その男はやってきた。
数々の街を流れては生きてきたミラン。そんな彼が偶然出会ったのは、この街から一歩も出たことが無い元大学教授のマネスキエ。全く対照的で、何の接点もない二人の(お互いに大仕事を抱えた)土曜日までの3日間・・・・・
この二人がとても良いのですよ。 教授役はジャン・ロシュフォール。チャーミングで言うこととか可愛らしくって。ランチを食べにいった先でのエピソードやパン屋の店員の話やら。初めて銃を撃ってみるシーンもね。はしゃいでる姿とか。 革ジャンが決まってる(そうそう、これを着てみる教授も可愛いね)ミランは、ジョニー・アルディ。フランスのエルヴィスを呼ばれてる伝説のロック歌手さんだそうですけど。強持ての顔が素敵なのですよね。 彼が教授に詩集について聞くシーンがとても好きだわ。スリッパの話とか。教授の教え子に無理やり授業をするところとか。 この映画にはいっぱい、素敵なシーンがあって。あぁ・・テラスの場面も。
お互いの姿に・・自分を置き換えてみる・・。出来なかったこと、こんな風に生きてみたらどうだろうって思うこと。 だからラストシーンは、しみじみ、しみじみ、胸にきますね。 衝撃的で、すごく切なく胸にくるのに。でもなんだか暖かいのは、それまでの二人の素敵なエピソードを思い出すからかも。
二人以外の登場人物たちが少なくって、よけいな登場がないのも、彼ら二人が際立ってよかったと思うし。女性もね、控えめなくらいだし(いえ、言うことはしっかり言ってましたけどね、彼女)あのテラスのシーンに彼女が入ってこないのはありがたい。あそこは二人でなくっちゃね!
いいなぁ・・こういう雰囲気の映画って好き。 これね、結構大人の映画だと思うんですけど、地味だと思うのですけどね。息子が一緒に観てて。絶対退屈するんじゃないかと思ったのに最後まで見てましたわ。ちょっと驚き。「渋いね」って言ってました。
監督オリヴァー・パーカー キャスト ルパート・エヴァレット ケイト・ブランシェット ジェレミー・ノーザム ジュリアン・ムーア ミニー・ドライヴァー
まあ!!私ったら。なんでこれを見逃してたのか・・ 19世紀、貴族の世界!しかもルパートよぉ!!ジェレミー・ノーザムも出てるし、ケイト・ブランシェットにジュリアン・ムーア!なんて豪華な。
遊び好きで皮肉ぽくって。退廃的な独身貴族。だけど友達思いで意外と優しくって。そんなアーサー・ゴーリング卿を演じるルパート・エヴァレットが最高に魅力的なのです。ぴったりでしたね、この役。 執事に言う「自分を愛する、それが生涯のロマンスだ」のセリフや。 彼とお父さんとのやりとり。(お互い気になってる)メイベルとの会話の楽しいこと!!「見ることと見えることは違う」とか・・・セリフがとにかく粋で遊び心たっぷり。
まるで戯曲みたいだなあって思ってたらオスカー・ワイルドの「理想の夫」がもとになってるのですね!!しかも映画の中で上映されてる戯曲がワイルドの「真面目が肝心」なんて!!なんてニクイ演出かしら。この戯曲を鑑賞してる3組のカップル(?)たちのオペラグラス(?)越しの視線も面白くって。
あの問題の夜のアーサーの屋敷の客間事件!!あそこも傑作でしたよね。え?もしや、もしかしてーーって思ってたら。 ジュリアン・ムーアの悪女ぶりも楽しいし。ケイトの真面目な奥さんぶりも新鮮な感じ。そして目がくりくり印象的なミニー・ドライヴァーのキュートさも良かったですよね。
いやぁ・・・楽しかったなぁ。最後まで二転三転するんだもの。
衣装や、素敵なお屋敷も堪能したし、お茶のシーンもありましたね。美しい茶器だったわ。ルパートが飲んでたモーニングティーのカップは、東洋風なデザインで綺麗でした。
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