2004年08月26日(木) |
「春にして君を想う」 |
1991年アイスランド・ドイツ・ノルウエー 監督フリドリック・トール・フリドリクソン キャスト ギスリ・ハルドルソン シグリドゥル・ハーガリン ルーリク・ハラルドソン
アイスランドってどこにあったかしら?北欧?思わず地図帳を見たわ。
農場をしまい・・娘の住む家を訪ねた老人ゲイリ。 出だしから彼が娘の家に着くまで、まったくといっていいほど会話も何も無いので・・彼がどんな暮らしをしてきたのか、どんな思いで都会に出てきたのか・・それはもう想像するだけなんだけど。こういう想像させる・・のって結構好きだったりする。 何の前触れも無く一緒に暮らしたいといわれた娘夫婦の困惑も分かるけど・・・
結局ゲイルは老人ホームに入るのだけど、それで幼馴染のステラと再会して。故郷に帰りたい・・と願う彼女の頼みを聞いて二人で脱走しちゃうのです。 無骨で無口なゲイル・・でもジープを盗んで!!やりますよね。ステラにスニーカーを買うシーンも微笑ましくって。
自分の死に場所。・・それを自分で選ぼうとする二人。 故郷についたステラの穏やかな表情がとても素敵だった。ブルーのトーンのかかって風景に彼女の赤いカーディガンが綺麗。
アイスランドの風景に、時折挟まれるファンタジーな映像がなんの違和感もなく織り込まれてて。あまりに違和感がないので・・すべてが夢なのかしらなどと思ってしまうほど。
ラストシーンも幻想的です。 もし、私なら。どこで死にたいと思うだろう。 自分の死期が近いと知った時、人は一番幸せだった場所を望むのかしら。 どんな風景を見るのだろう、その時に。
もしかしたら、あの故郷の風景は彼らの心の中の風景だったのかもしれないけど。 天使が見せた・・・・
地味映画推進委員としてはお勧めの映画です。地味ですけど、とても素敵な映画。 でもなんで邦題が「春にして君を想う」なのかは・・謎だわ。
2004年08月18日(水) |
「ジョゼと虎と魚たち」 |
2003年日本 監督犬童一心 キャスト 妻夫木聡 池脇千鶴 上野樹里
原作がとっても好きな作品だと期待が大きすぎて・・裏切られちゃう・・なんて意見も聞くけど。 原作は原作、映画は映画・・たいてい両方楽しめちゃう便利な人なので。 この作品も原作とは違う展開、ラストでしたけど、こちらにもとても共感したのでした。
今回ちょっとネタバレありますので、観てない方はご注意を!
原作のラスト・・・二人で海の底に沈んでいるかのような・・・怖いくらいの幸福、まるで死んだモンになったかのような。あのラストも好きなのだけど。 映画は、もっと現実的で、さらりとしているけど・・でもとても切ない気持ちになりました。
恒夫の気持ち。二人の別れ・・え?それはないんじゃ・・って思いながらもなんだかとっても分かるような気がした。好きだけど一生抱えていける自信もないわけで。これまで難しいことは考えないように生きてきたっていう彼・・・。ジョゼに会って、優しい気持ちや愛情を感じてもちろんセックスもして。だけどずーと先のことまで考えているわけではなくって。心優しい彼の若さや、ずるさ・・妻夫木君、良かったわ。
ジョゼの方は・・分かっていたのかもしれないなあ。深い海の底から上がってきた人魚姫は。 自分の世界で生きてきた彼女の精一杯の砦・・キツイ言葉や態度。でも恒夫にあって好きになって。 たとえ何があっても「でもそれはそれでいい」って言う彼女のつぶやきが胸に響いた・・・
虎のシーン。 お魚の館のシーン。綺麗だったねぇ。原作だと水族館なんだけど、そこをあえて休館にして「お魚の館」にしたところがまた映画の展開にあってるような気がしたわ。幻の海の底。
朝ご飯のシーンも印象的でした。干物やだし巻き卵の美味しそうなこと。また妻夫木君の食べ方が美味しそう。あんな朝ご飯作ってください(いや、自分で作らないといけないか)
ジョゼを演じた池脇さん、原作のイメージよりもちょっぴりふっくらしてて可愛い感じでしたけど。あの物言いが良かったよね。 台所の台(?)からバタッって大きな音たてて落ちるところ・・何度見ても大丈夫かなってドキッてしました。
2004年08月13日(金) |
「オリヴィエ・オリヴィエ」 |
1992年フランス 監督 アグニエシュカ・ホランド キャスト ブリジッド・ルアン マリナ・ゴロヴィーヌ グレゴワール・コラン エマニュエル・モロゾフ フェイユ・ガトー フレデリック・キラン
なんて大胆で、繊細な映画なんだろう。怖いくらい印象的。
行方不明になった幼いオリヴィエ。その事件が家族にもたらしたもの。それぞれに傷を負うんだけど、なんていうのかな、そのそれそれの心情が奇麗事ではなくって。オリヴィエを溺愛していた母は、半狂乱で夫と娘をなじり、夫もまたオリヴィエを必死に探しながらも自分を評価してくれない妻に怒りを覚え。 娘は心のうちにあった弟への嫉妬から自分を責めながらも、母を支えられるのは自分だと思い。 そんなそれぞれの気持ちのぶつかり合いが凄いのですよー。すごいいやな部分を見せられるのだけど、なじりあいながらもまた許しあい、求め合うのですよね。
9年後、そんな家族の前に現れた一人の少年。はたして彼は本当にオリヴィエなのか・・ 信じきり・・いや、すがるように信じる母親。この出来事で妻が立ち直るなら・・とアフリカから帰国した父親。疑いを抱く姉。 オリヴィエだと名乗る少年を演じるグレゴワールの怪しいこと!!これがもうなんともいえないムードを持った俳優さんだわね。ココリコの田中さんに似てるのよ、面立ちはね(笑)いやぁ・・でもすごい雰囲気なの。 そして成長したナディーヌもまた強い眼差しの印象的な美しさでねー。オリヴィエがいない間、母を支えてきた彼女は、盲目的にオリヴィエを信じ帰国した父を受け入れる母を苦い思いで見てるわけで。でも不思議と弟だと名乗る少年に惹かれてゆく彼女の気持ちとか。そのあたりの描き方がねえ・・。女性監督さんならではかしら。 そういえば、母親が9年ぶりに息子だと名乗る少年に会いにいくシーンで、カバンをひっくり返してあわてて口紅を塗りなおすシーンが合って・これも女性ならではの視点かも。ぐっとくるシーンなのですよ。
ラストシーンもドキッとします。 これはちょっと忘れられない映画かな。
自転車に乗り、かけてゆくオリヴィエ。赤い帽子が背の高い草の中時々顔をのぞかせて・・ 映画の初めのほうのあの映像がなぜだか今頭の中に浮かんできます。
音楽も印象的でしたね〜。
2004年アメリカ 監督ジョナサン・フレイクス キャスト ビル・パクストン アンソニー・エドワーズ ソフィア・マイルズ ベン・キングズレー
サンダーバード!って言えば、あの歌ですよね!! ちょっとアレンジされたあの曲が流れてきた時、懐かしさのあまり目のあたりが熱くなってきたりしましたよー。 弟がメカを持ってまして、二人で遊んだ覚えがあるのですけどお話とか断片的にしか覚えて無くって。 でもほら!あの隊員たちの写真がばばーんと写ってる司令室(?)「サンダーバードGo!!」ですよ!!あれ、あれねっ!! レディ・ペネロープとパーカーも懐かしかったわー。「キューティーブロンド」のエルも真っ青のピンクづくしでしたね!レディ。ピンク好きの私としてはもう!!嬉しい限りで(笑) 着替えも早いです!!次から次へと。あの髪型も見せてくれましたし。隊員服も彼女だけ特別製なのね〜。 欲しいです!ペネロープ号とパーカー。バスルームでティータイムですよぉ。もちろんピンクのカップで。完璧なパーカーのミルクティ(ちゃんとミルクティーでしたよねっ)飲みたいわぁ。 非常用ボタンがティーポットについてるし、お茶好きにはたまりませんわっ!
メカが登場して活躍するのももちろん楽しかったけど、トレーシー一家のお話とかしっかり作られているのも良かったですよね。友情とか、ちょっぴり恋も盛り込んであったりしてね。成長してゆく末っ子っていう設定も良かったのではないでしょうか。ファーマット可愛かったです! 大人世代としては、お兄ちゃんたちにももっと活躍して欲しかったですけどね。
2作目は日本で撮りたいって監督さんパンフに書いてましたよね!! うわーー、ぜひぜひ実現して欲しいものです。 ちなみにメカ!私は2号が好きです。だって形が可愛いのですもん。弟が持ってたのも2号でしたっけ。
2004年アメリカ 監督 アンドリュー・アダムソン
お姫様と王子様は、幸せに暮らしましたとさー。 おとぎ話のラスト。子どもの頃はこれを読んでほっとしたものでした。幸せそうな二人の絵になんの疑問も抱かなかったな〜。 でも、大人になって自分も結婚して(好きな人と!)みると幸せに暮らすことの難しさって身に沁みるよね〜。もちろん、もちろん、お姫様じゃないけれど・・自分の世界じゃ、やっぱり自分はお姫様気分だし(笑)
だからシュレックのこの続きは、子どもよりむしろ大人の私たちにぴったりのお話なのかも。 最初はね、もう画面から大きなピンクのハートが飛び出すかのような、アツアツの二人。でも幸せな二人も、とおいとおい国への招きによってちょっとづつ・・いろんな壁に当たっていって。お互いのことを思っているのに、なんだかうまくいかなくなって・・
妖精のゴッドマザーの存在感が凄いよね〜。シュレックも迫力負けしそうだわ。 そして、長靴をはいた猫!!可愛いいいいー。あのうるうるした瞳〜。 今回ピノキオたちが活躍したのも嬉しかったし。ピノキオの鼻の伸びるシーン・・・ふふ・・可笑しいよね。でも早かったね、ピノキオたち。とおいとおい国なのにねぇ・・どうやって来たのかしらん。 シュレックといえば・・変身後の姿、ものすごく期待したのですよぉ・・金髪だとチャーミング王子にかぶっちゃうし。ギリシャ系でしたね。
ありのままの自分を愛してくれる人がいるってやっぱり素敵だよね。でも相手を思って自分を変えようとする・・そんな気持ちもなんだかいとおしいなあ〜。 まあ、これからもずーっと幸せに暮らすこと・・それは決してやさしいことではないけれど。その人と一緒にいられればそれでいい・・って気持ちを忘れないことが何よりかなあ・・そんなことを思ったのでした。
ハマちゃんのシュレックの大阪弁にもすっかり慣れたわ。竹中さんの猫も面白かったし。 DVDが出たら、絶対字幕も観たいな。バンデラスの猫!!歌も聞けるよね。 お后さまってジュリー・アンドリュースだし!!チャーミング王子はルパート・エヴァレットなんですよぉ!!
|