カイゼルはまた元の更地に戻るのだろうか?
攻撃を受けたのは知っていた。 大きな音がしてお城から煙が上がっていたから。 きっと国内では必死の修復作業が行われていただろう。
でも。
あの時カイゼルが早晩落ちることはわかっていたし 考えていたのは友人のことだけだった。 彼のことだからきっと全力で攻撃してくるだろう、と。 もしも戦地で会うことがあれば……。
うん。 私は戦わないかもしれないな。 特にここジャピで会ったとしたら……笑ってスイカを差し出してみよう。
旅を始めてから4年になる。 戦地を巡ったこともあった。 大きなイベントに誘われるように入国した場所もあった。 賑やかな国も静かな国も見た。 けれど求めるものはまだ形すら見えない。 目的すら忘れたように流れ続ける。
あの時、彼らが求めていたのは何だったのだろう。 私が欲しかった答えはこの世界に存在するの?
砂の波が静かに凪いだ海の音を立てている。
あの空は何処まで続いているのだろう? この世界を覆っているだけなら私には意味がない。 違う場所。 違う世界へと続く繋がりが欲しい。 あれが向こうへと繋がっていると思える何かが。
失ったものを探してしまうのが怖くて ずっとこの場所を避けてきた 空が星に満たされる夜 ひとりで砂音を聴くのはまだ辛いから
問うのは私 心の奥で答えるのもきっと私
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