2003年08月01日(金) 【 それぞれの夏(番外みたいな) 】 |
(※小説フルでネタバレかと←最悪)
《ケース1:とあるアパートの人達》
「今帰りましたよ〜」 「あ、奥寺君お帰りなさい! 安売りどうだった?」 「良かったですよ〜。特に、はいこれ」 「え? わー八色スイカだ!(※橘の故郷名産。一番ウマいスイカだと信じて疑わない。コシヒカリの方が有名ですかそうですか) じゃあさぁ、せっかくだから外で食べようよ!」 「そうですね」 「ところでスーツ暑く無い?」 「慣れましたよ」
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「おいしいですねぇ」 「そうだねぇ」 「兄貴ぃぃ!!」 「うるさいのがきましたねぇ」 「そうだねぇ……」 「暑い! 何だこの暑さ! ふざけんな!!」 「そうでもないじゃないですか。貴方が弱すぎるだけです」 「嘘だ! 暑い!」 「じゃあ103号室でも205号室でも行って涼しくなったらどうですか?」 「断る!!」
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《ケース2:あの大人とあのお子様》
「パスコくーん、あーつーいー」 「しらないよ。ここクーラーついてるじゃん。それよりもリーチさんダラダラしすぎ」 「さすがだねぇパスコ君は……その位のお年のお子様って異様に元気だよねぇ……あー僕繊細だから駄目だなー」 「それききながすよ。はい、かたづけおわり!」 「ありがとねー。…………じゃあ出かけましょうか」 「え? そとあついんじゃないの? クーラーのしたでダラダラばんざいじゃないの? だいたいどこいくのさ」 「だって、お礼はしなければなりませんからね。パフェ食べるだろう?」 「たべる」 「暑いけどねー。すっごい暑いけどねー」 「おんきせがましいよ!?」 「まさか。まさか借りを作ろうとか最近下降気味な僕の威厳を回復させようとかそんなそんな」 「いってるよ!? そんなのにきょうりょくしたくないんだけど!」 「パフェスペシャルバージョン(※イチゴ3割増し)でも?」 「つきあってあげてもいいかもね!!」 「それでこそパスコ君だよね」 「なにがですか」 「何でもないよ〜。じゃあ僕は質素にアイスティーでも飲もうかなぁ。愛するパスコ君にお金使うからね!」 「どうせありあまってんでしょ」 「じゃあ行くよ〜。あぁ暑いなぁ」 「おれつっこまないからね」 「あーつーいーなーぁー!!」 「つっこまないからね!!」 「夏、大好きさ!」 「うそだ!! …………あ」
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《ケース3:とある親子とその友人》
「美味しいねぇヒグ」 「お前、ここのアイス好きだよなぁ……しかもこの暑い日に公園のベンチで……」 「しかも、何故私まで付き合わねばならんのだ」 「あ、マサキ暑い? じゃあ俺の愛と共にこの帽子を」 「いらん」 「ああそうワカッテター」
「って、あぁっ! 僕何やってんだろう!」 「うぉ? どうした」 「だって1人でこんな美味しいもの食べてさぁ! そうだよ早く冷たい美味しいの買って、『留守番してますね!』って凄く可愛いホントに可愛い笑顔で言ったフガツの所に帰らなきゃ!!」 「あ、それね」 「何でそんなに軽く返すのかなぁヒグ! 大事でしょそれは! て事でまた今度ね!」
「……忙しいやつだな」 「2人きりになりましたねマサキさん」 「あぁ?」 「帰ろうかマサキ様!」
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《ケース4:鳥越さんちと榊原さんち》
「──あっさだー!!!」 「起きた瞬間からうるっせぇ!!」 「朝から純平の愛が痛いね! 今日何する!?」 「お前は何でそんなに寝起きがいいんだ……オレは寝る」 「なーんーでーさー! ハイ起きて! 時間がもったいない! ビバ夏休み!」 「あーうるさいうるさい1人で勝手にどこでも行ってこいよハイおやすみ」 「純──! …………お腹空いてる時にボディーはやめて……」
「……て事で部屋追い出されました……」 「うんそうだねまだ5時半だしねー」 「何で恭さん起きてるの?」 「毎日あのやりとりで目を覚ましてたら慣れたのよ。スイカ食べる?」
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「ねぇねぇさっちゃん! 何してるの?」 「暑いですからね〜、かき氷作ってるんですよ」 「わーいやったー! あ、そう言えばね! 橘果いつも思ってたんだけど、かき氷にタバスコかけたら美味しいかなぁ?」 「それやったら泣きますよ〜」 「じゃあやめとくね!」 「あ、そろそろできるんで、新瀬に何味にするか聞いて来てくれますか」 「はーい」
「ねーねーあっちゃーん! 何味にする!?」 「私ね、いつも考えてたんだけどかき氷にタバスコって」
「それやったら家出しますよー!?(鳥越家に)」
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《ケース5:某カップル》
「……夏とか、区別ねぇよな」 「うん」
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《ケース6:あの街の人達》
「大変メイレン、ドアがバテてるから冷たいもの出してあげて」 「あら、そろそろ毎年恒例? 大変ねーレイチェル」 「慣れたわよ。はいドア座って。大丈夫?」 「…………無理……」 「ドア君重症ねー、その暑さ苦手っぷり」 「…………何で……曇ってるのに暑いのかな……」 「あ、メイレン私もいつものね」 「レイチェルはいつも平気よねぇ」 「だって元気じゃないとドア守れないじゃない。立場逆になれる貴重な時期なんだから!」 「…………もともと守ってもら……ああ、ダメだ暑い……」 「ゆっくりしてけばいいわよ。後でユーロパも来るって言ってたし」 「…………暑い日にユーロパは余計暑い……」
「あ、電話。もしもし? ──うん、伝えとくわ。……ドア君」 「……何?」 「ユーロパから電話でね、『ボクの事バカにしたらあとでシメるでオラァ』だってさ」 「……………………すいませんでしたって電話しといて…………」
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================================= 夏はいろいろ。
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