日々の思い

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1通のはがきに寄せて
2006年04月25日(火)

お昼に1通のはがきが舞い込んだ。

中学のときの同級生。産婦人科に勤務してもう40年、2月の末で退職しましたという案内状だった。

彼女はおとなしい人で、なおかつ成績優秀だった。

クラス委員だった彼女は高校を卒業すると同時に、まるでさらわれるようにして(表現は悪いけれど)

地元の病院に連れて行かれそこに勤務することになった(病院の院長が彼女の性格にべたぼれで

どうしても自分の病院で働いてほしかったからだ)

そして、40年・・・

私はその病院に結婚前わずか半年だけ勤務したことがある。

結婚して、遠くへ行くことを十分承知の上で半年でいいからと口説かれていったのだ。

彼女は、そのときも、その後も、以前とちっとも変わらず物静かで優しい看護婦さんだった。

内科を兼ねた病院だったので患者さんはお年寄りも多く、

優しい彼女は患者さんたちの心の拠り所だったと聞いた。

その間に彼女は結婚し子供を育てながら、立派に婦長としての勤務を終えた。

気の遠くなるほどの長い時間に、彼女はどれほどの人たちの心の支えになったんだろう。

何人の赤ちゃんを誕生させてきたんだろう。

なんにも残すことなく無為に過ごしてきた自分の時間を思い、

彼女が、すごしてきた時間をあらためて思う私である。




我が愛すべき「しばわんこ」
2006年04月21日(金)

毎日とても可愛いと思う。

が、その正確がどんどん「ひよわ」になっていくのは私の扱いがまずいのだろうか?

毎日、夜になって、お風呂の支度を始めると目を大きく見開いてひたと焦点を私に定め一瞬も見逃さないぞと

ばかりについて回る。

そして、「お父さん、いいよ」と、言う言葉を聞くとそれが合図であるといわんばかりに

ぶるぶる震えだすのだ。その震えは夫がお風呂から上がってくるまで続く。

いったい何時ごろからだろう。お風呂が怖くてたまらないのだ。

毎日わんこをシャンプーするわけではないし、

シャンプーが終わると後はドライヤーとバスタオルにくるまれて最高に至福のとき

という表情に変わるのにである。

それに、にゃんことも以前は仲良しだったのに、ある日出会いがしらに「ぎゃお」と

叫ばれてからはもうだめ。

実家にいっても猫の気配を感じると実家の母や私にぴったりくっついてぶるぶる震えている。


ああ、きっとラナは自分がワンコだということを忘れてしまったのに違いない。

だって、犬ならばもう少ししゃんとしてるはずだモノ。

出会う人毎に、かわいいと言われつづけて自分は犬ではなく、「かわいい」という生き物にでも

なったつもりなのかしら。

飼い主にとって小さな悩みの1つではある。






桜の花びらと黒いフォーマルスーツそして化粧
2006年04月19日(水)

少し前。

桜の花が風で舞い落ち地面はピンクのじゅうたんで美しく彩られていた日のこと。

歩いている私の横を一台の黒っぽい車が通り過ぎて、そして止まった。

見るともなしに見ていると中から30代くらいの女性が出てきて小走りに家に入っていく。

戻ってきた女性の手には数珠が握られている。

車の中に目をやると同じくらいの女性がコンパクトを覗いて化粧している。

その光景は、本当は悲しみに包まれているはずなのになにかしら華やいだムードがある。

亡くなった人はきっと、彼女らの身内ではなくご近所のそれも天寿を全うするくらいの年齢の人に違いない。

ぼんやりとそんなことを考えている私を尻目にその車は発進し、角を曲がって遠ざかっていった。

その黒っぽい車体には、通ってきたばかりの道路から舞い上がった、ピンクの花びらがまとわりついていて

タイヤにもまるで吸い付くようにピンクが舞っていた。

悲しみの中にある、微妙に華やいだ雰囲気。

今はまだ若い彼女たちにもその日がいつか来るだろう。

その前に私もその日が来るだろう。

そのときは、同じように誰かが、忘れた数珠を取りに家に走りこみ、そして化粧を直すんだろうな。





柔らかい日差しに映える八重桜



亡くなった父親の夢を見た
2006年04月11日(火)

二日前のこと、これまでほとんど現れることのなかった父親が母と2人で夢に現れた。

2人とも(母は今も元気だ)たぶん20年くらいか、もっと前のかなり元気だったときの様子をしていた。

父は一言も言葉を発しないのだけど、母が「やめて!」と叫んでいた。

びっくりして目をやると父の腹部に血が滲んでいる。

それなのにそのまま私の目の前を通り過ぎようとするのだ。

あわてて、「待って!」と叫んで手を伸ばすと、父の後姿はなんと先のとがった包丁が折れた状態で背中に刺

さっているのだ。そして真っ赤に血に染まっている。

私は一生懸命それを抜こうとする。

けど、父は何も言わず通り過ぎようとする。

私は必死になって泣き叫んでいて、その声にびっくりして目が覚めた。

その後は眠れなかった。

母に電話を入れた。変わったことはない?

特に何もないよ という。

良かった。

けど、何でこんな夢を見たんだろう。

私の心の中の不安が形を変えて現れたのだろうか?

夫は、推理小説の読みすぎだというが。



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