先生
今日は、私が先生にお会いできる最後の日でした。
修了式はとっくに終わっていたけど 先生に会いたくて、むりやり口実を作って学校に行きました。 他女子3名と、PCの自習学習。
先生のこと、ちらちら見えていました。
作業が多いせいか、いつもは着ない作業着を着ていて。
私はまともに見られませんでした。
PCの自習をしたり、女子でランチをしに行ったり、 私の習い事のための課題(写真)をこなしたり。 女子だけで、恋の話しをしたり、仕事の話しをしたりお菓子食べたりして楽しい時を過ごしながらも、心のどこかでは先生のことを意識していました。
もちろん、先生は様子を見に来たりなどしてはくださいません。
学校を立ち去るとき、担任の先生へ挨拶に行きました。 遠くに先生が見えましたが、すぐに見えなくなりました。 お忙しいのと、私に見られたくないのとでいなくなられたのでしょう。 でも、最後に少し見えました。 作業着を脱がれて、白いシャツにネクタイ姿でしたね。 私の古ぼけたメガネでも、先生の大きな肩が見えましたが 私は凝視することもできず、下を向いてうつむいてしまいました。
それでも、まだこの時は涙など出なかったのです。
学校を出て、女子と別れて家への道を歩きながら 先生が追いかけてきてくれないかなあ、と あれだけ拒否されながらも、そう夢を見ていました。 でも途中にある、立派なしだれ桜を見ていたら急に もう先生にお会いできないことがわかってきて 私は泣きながら歩いていました。
泣きながら歩いて
歩きながら泣いて
満開の桜が強風に煽られては、花びらが舞うなか
感傷的なのは、けっして桜のせいではなく
しゃれにならないくらい、先生のことが好きだったのだと。
好きなのだと、思い知らされました。
先生にとっては、重たいだけの想いです。
先生は、私にはこれっぽっちも興味を抱いてはくださいませんでした。
胸が痛い。
この手紙を書きながらも、発作のように涙があふれて止まりません。
胸が痛い。
でも、
今日ぐらいは泣いてもいいのでしょう?
明日からは、新しい職場です。
不倫と過労とノイローゼがテーマの職場です。
明日からは忙しくて、先生のこともとうぶん思い出さなくなるはずです。
そのうち、きっとこれだけ好きだったことも
たくさん想っていたことも
今、死にそうに胸が痛いこともきっと忘れることができるはずです。
だから今は、泣いています。
あなたのことが好きなんです。
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