2007年07月24日(火) |
「共生」研究集会の今後について |
準備会事務局会議 報告
7月20日、事務局会議をもち、7・15集会の反省と展望について意見交換をしました。
議題 1.上野さんの講演を活字にするかどうか 2.研究集会を継続するかどうか 3.仮に継続するとすればどのような内容にするのか
意見交換のあと、以下のことが決定されました。 1.講演テープを聴き起こして活字にする→上野さんの承諾が得られました 2.継続するが、その準備として拡大事務局会議をもち(30名以内)上野さんの基調講演を問う(=理解を深め、そこからの発展を期する) 3.拡大事務局会議を通して、今後の研究会の具体的な内容を検討する
今後の方針として ●拡大事務局会議は8月25日(土)の午後にもつことにする 参加者は7・15集会の呼びかけ人を中心として、今後、継続して「共生」を 考える研究集会への関わりを望む人に限定する
●8・25の拡大事務局会議は、3人の発題を予定する 1.加藤教授から、上野さんの基調報告の背景、その意味性について 2.朴鐘碩から、上野さんの主張する「ルサンチマンとパラダイムの変換」をどのように理解したのか 2.崔勝久から、上野さんの基調報告の最後にあった「応用問題としての川崎市『人権と共生』問題」を当事者としてどのように捉えるのか
●「共生」を考える研究集会はあくまでも、実践ー現場の重要性を理解しながらも、運動とは一線を画し、「共生」のもつ問題性を徹底して学問と運動の両面から考え抜くことを目指す。この研究集会で学んだことは各自、自分の運動に持ち帰り、その実践内容の深化、発展に活用する、という基本姿勢を再確認した。
●基調報告の中でも触れられた沖縄問題に関しては、沖縄にとって「共生」とは何かということで、いずれこの研究集会でもとりあげるべきであるということで意見の一致を見た。
2007年07月20日(金) |
報告 「共生」を考える研究集会 |
川崎は昨日、午前中は台風の影響で大雨でしたが、集会がはじまるころ になって雨も収まりました。
参加者は限定してほしいという上野さんの依頼であったので、会場は45 名用の部屋を予約したのですが、予備の椅子を準備するほどでした。 大学生から80歳を超える方々(李仁夏先生も参加くだしあました)が 参加され、学問と運動の「幸せな出会い」を求めた企画は成功でした。
2時から1時間、韓国KBSのTV番組の日本語翻訳版、7−8年前のもの だったのすが、今観てもよく作られていました(自分の変化に驚きましたが)。
3時から上野千鶴子さんが90分をフルに使い、レジュメに沿った基調講演 をしてくれました。レジュメの項目は以下の通りです。
1.マイノリティとしての女性 2.ナショナリズムとジェンダー 3.多文化主義と共生 4.多文化主義批判 5.多文化主義の変容 6.国民国家への統合/包摂と排除 7.市民権と国籍の分離可能性 付論)応用問題としての川崎市「人権と共生」問題 1)外国人市民会議 2)自治体公務員「外国籍公務員の任用に関する運用規程」 3)川崎市長による「準会員」発言 4)指定管理者制度 NPOの「下請け業者」化
女性学を立ち上げてきた経験と、そこで磨かれた理論、それを基にした 具体的な実践から語られる内容は、日本の女性学(社会学)の最高の 知的・実践的な水準のものでした。
個人のニーズ、当時者性を物事の中心に据えるということから、川崎の 「共生」のシンボルとしてこれまで最大限評価されてきた、外国人市民 代表者会議も、市側のパターナリズムによるもので、「ガス抜き」と喝破 されました。ふれあい館に関しては名前をあげませんでしたが、根本的に それがどのようなものなのか、明確になったと思われます。
3人のコメンテーター(千葉大の伊藤教授、横浜国大の加藤教授、朴鐘碩) の発題の後、会場からの質問に対する上野さんの意見、ということで結局、 5時間近い、「共生」を考える研究集会は大成功のうちに終わりました。
2次会では20数名の参加者全員が自分の意見を述べ、今後も継続して やりたいという声もあがりました。この点に関しては事務局で総括会議を 開いて今後のことを検討します。
さらに上野さんから川崎の外国人が全人口の2%を占めるのであれば、 それを土台として、擬似代議員制度に乗っかるのでなく、市に直接ものを 言うことを考えてはどうかという提案があり、これまでにない全く新しい 外国人住民運動が可能なのではないかと思い始めています。これまで 蓄積された学問、運動を基にして日本人と外国人住民が共闘して 何ができるのか、模索するつもりです。
ということで、多くの集会に参加した人は感動し、新たな展望に関する 予感をもちはじめたということを、喜びをもって皆さんに報告します。
テープが必要な方は連絡ください。
準備会事務局 崔
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