風にふわりと 〜こころのすきま〜




他人のAほど、自分のAは怖くない。
他人のAを想像することほど、
自分のAを想像することは怖くない。

どうして他人のAは、こんなにも、
わたしの胸をざわつかせるのだろう。
どうして他人のAは、こんなにも、
わたしの心に涙させるのだろう。

他人のAには、直面したくない。
だから、自分のAが先にあれば良いと、
そう願ってしまうのだろうか。

他人のAに、直面したとき、わたしは、
身体の一部が無理矢理むしり取られるような、
そのような気分になる。
自分のAに、直面したとき、わたしは、
どのような気分になるのだろうか。
想像しても、怖くはない。

他人のAが、今、とても怖い。

A、イコール死。

消えてなくならないで。
わたしのそばにいて。


2003年07月26日(土)

わかっているから


溜息ひとつ、夜に沈んだ。
すうっと溶けて、見えなくなった。

明日のわたしを、想い描いて、
ついた溜息、掻き消えた。

誰かに遭って、わたしが述べる、
未来のことばが、怖くなる。

溜息ひとつ、夜に沈んだ。
ゆらりと揺れて、見えなくなった。

誰かを想うと、涙が零れ、
未来のわたしが、怖くなる。

膝を抱えて、小さくなって。
逃げてはいけないと、わかっていても。

溜息ひとつ、小さくついた。
夜に沁みこみ、見えなくなった。

逃げてはいけないと、わかっているから、
ゆっくりわたしは、立ち上がる。
見えぬ大地を、踏みしめる。



2003年07月21日(月)

わたしとの誓約


いつもどこかに、
倒れこむ先を探しているような、
そのような気分になることがある。

疲れているのかな。
疲れているのだよ。

そうやって自分を甘やかしてみても、
誰も責めてはくれないことが、
逆に苦しくなる。

自分にどんな価値があるかなど、
考えてみたことがなかった。
ただ、自分はまだやれると、
そんなところでくすぶってはいられないと、
そう感じていた。

将来を、思いえがき、
ただ落胆するだけの生活など、
絶対にするまいと誓った。
ただ将来を悲観し、
その原因を非難するだけの生活など、
絶対にするまいと誓った。

本当は疲れてなどいない。
今は、倒れている暇など、ない。
誰が責めてくれなくとも、
わたしには、やらねばならないことが、
腐るほどあるのだから。


2003年07月17日(木)

愛の歌


知らない誰かに向けられた、
愛の歌を聴きながら、
そっと心のうちを意識する。
いつだって望んでばかりの心を、
直視する勇気がなかなか出ずに、
愛の歌を口ずさむ。
現実逃避もいいところ。

口ずさむ愛の歌。
誰かのために身を投げ出す愛の歌。
あぁ、そうできれば、
どんなにかしあわせで、
愛(かな)しいことだろう。

口ずさむ愛の歌。
大切な誰かの支えになる愛の歌。
あぁ、そうできれば、
どんなにか楽しくて、
心弾むことだろう。

知らない誰かに向けられた、
愛の歌を聞きながら、
そっと心のうちを意識する。
いつだって望んでばかりの心を、
ゆっくり変えていけるように。
いつだって望んでばかりの心を、
あなたに沿わせていけるように。

知らない誰かに向けられた、
愛の歌を聴いている。
ピアノの音が、沁みこんでいく。


2003年07月06日(日)



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Akira
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