紅花&由季さんの帯 - 2003年11月23日(日) 今日は、子供の頃からお世話になっている、 母の友人の七年ぶりの個展を見に行く。 母はその方のお父様に大変お世話になっている。 親子で絵描き。お父様の方は、能や狂言の絵を中心に描いている方。 小学生の頃、私の肖像も書いてもらった。 部屋に一枚、リビングに一枚飾ってある。 私にとっては、何にも換えられない宝物。 息子さんの恭造さんは、私のお兄さんのような、お父さんのような、そんな感じの人。 鳥の絵をずっと描き続けている人である。 恭造さんの描く鳥は、どの鳥もまるで人のように、絵を見る私に語りかける。 その目、そのくちばし、そしてその恭造さんの使う色、 それは私に笑顔を、元気を与え続けてくれる。 いつか恭造さんの描いた鳥を、帯に染めたい・・・。 お願いしなくっちゃ。 本日の着物。 紅花紬の色見本のよう、と母から言われたもの。 四月には、沖縄の花織りの帯を合わせたが、 山本由季さんの縮緬の帯にした。 今年の最初にお店で見てしまい、 もうどうしても欲しくなってしまったもの。 お正月の帯に続いて、二本目の由季さんの帯。うふ♪ 実は十月に、おがわやで由季さんの展示会があった。 帯が中心だったけれど、着物も二,三点飾られていた。 黄色地に、花と蝶が遊んでいる素晴らしい反物があり、 参考までにお値段を聞いてみたところ、びっくりX100ぐらい。 いや、いや、「作品」です。仕立てて着るっていうものではなく、 作家が自分の作品として「残す」ものだと思った。 帯も、パステルカラーの地に、花や昆虫、 動物のモチーフのかわいらしいものから、 まるでoil paintingのように重厚なものまで様々。 今回はたっぶりと目で楽しませていただきました。 フライングして購入したので、 次回、三年後ぐらいの個展を楽しみに待つとします。 お太鼓の柄はこんなの。 柄を出す場所をちょっと失敗した・・・。 左上のピンクと赤い小花がもっと真ん中にくるはずだったけど、 帯枕をしたら、予想位置より上にあがってしまった。 これは、文庫結びもできるように平仕立てにした。 裏もオレンジ色。 お太鼓のたれの部分にも、柄がでてくるのが好きなので、 そのように端の部分を切り、帯の真ん中 (胴に巻いてしまうところ)につないでもらった。 帯芯もかなりやわらかいものを入れてある。 文庫のはねがふわっとして、なかなかよろしい。 恭造さんの七年ぶりの個展は、とってもエネルギッシュなものだった。 小さいポートレートから、中ぐらいのもの、そして大きな作品と、 個性豊かな鳥が画廊の壁を埋め尽くしていた。 ぱっと目についたのは、チューリップの花の後ろに見える、三羽の白い鳥。 うっわーーーとそこへ駆け寄ると、 「やっぱりね。」 と恭造さんの声。 絵の下には赤いピンがさしてあったから、行き先は決定の作品だ。 母がポートレート作品を一枚購入。 その鳥の目は、我が家の主、猫のエトナの目にそっくり。 鳥なんだけど、エトナだ、エトナだ、と見ながら大騒ぎをしてしまった。 恭造さん、私、恭造さんの描いた鳥の帯が欲しい。 そう言ってみたら、 言うと思った。 と笑顔だった。いつのことになるかわからないけれど、そんな日がくるのを待つのもこれまた楽しい。 その帯は魔法で描いてくれるのだそうで、その魔法のかかった帯は、 きっと私をもっともっと元気に、笑顔にしてくれることだろう。 - wine & 紅葉狩 - 2003年11月15日(土) 今日は秋のイベント盛りだくさんの日。 おがわやのご主人がワイン好きなのは、 仲間うちでは有名なことだけれど、 新しいお店がサロンふうになったことから、 不定期でwine tasting会をすることになった。 本日はその初回。 赤ワインを飲み比べてみましょうということで、 ボルドーとブルゴーニュのワインを3種類いただいた。 ボルドーはご存知のように、full bodyというだけあって、どっしりとした重みのある味わい。 ブルゴーニュは、まず香りがすごくよくて、そのさわやかさはワインの女王と呼ばれているとか。 今回いただいた、ブルゴーニュのワインは、本当に香りがよくて、 グラスの中の色もキラキラ光るルビーのようで、私はとっても気に入ってしまった。 ジュブレ・シャンベルタンで作られるワインだったんだけど、 農場の名前と作った人の名前もラベルに書いてあって、 メモもしてきたのに・・・見つからない。量販店ではあまり置いてないというので、 おがわやのご主人ご贔屓のお店から、今度買う時に私の分も頼んでおいたので、 ま、そのラベルをはがしてとっておくことにしよう。 このwine tastingの後は、オーチャードホールにて能の鑑賞。 おがわやさんのイベントでよくご一緒する倉本さんが、 一緒に行く方が急遽行かれなくなったそうで、私に声をかけてくださった。 倉本さんは、なんと雑誌、和楽の抽選でこのチケットを当てたそう。 オーチャードホールでの、観世流宗家観世清和さんを迎えての、 年1回の恒例イベントで、今年は人間国宝が4人も参加なさるという。 そして、オーチャードホールの舞台を飾るのは、假屋崎省吾の花。 おまけに、野村家の狂言にはかかせない、石田幸雄さんがアイで出演。 あら、石田さんがでるのね・・・と、勝手に公演に親近感を覚えてしまう私ったら、まったく。 wine tasting会にて。 ワイングラスがたくさん、全部飲み干してあるのは、 3種類を試したからです。今日の着物は、ピンク紬に黒の塩瀬の帯。 半襟はアンティークふうな花が全体に染めてあるもの。 帯揚げはベージュの音符柄。 この帯揚げはけっこう便利もので、 合わせるのものに困ると登場することになっている。 帯と帯揚げがちょっとだけ見えるか・・・。 座っているから、この日の写真は上半身だけになってしまった。 会に参加した方が、手作りパンを持ってきてくれて、 そのパンと一緒に、チーズとソーセージをいただいた。 楽しい時間はあっという間にすぎちゃう。 飲み過ぎると、この後のお能に支障がでちゃうしね。 帯のお太鼓部分 イタリアのCommedia del Arteのキャラクターふうで、 私の大のお気に入り。 Commedia del Arte(コメディア・デラルテ)は、 イタリアで16世紀に始まり、 ヨーロッパ中に広まっていった即興喜劇で、 日本の狂言のように、定番キャラクター(stock character)が登場する。 この帯は、母が私のために最初に選んでくれたカメリアの小紋に合わせたもので、 おがわやさんが演劇が大好きな私にはぴったりだろう、と選んでくれたもの。 もちろんひと目みて、これを締めるのは私しかいないだろう、 なんて思ってしまったんだけど。 この日、ご一緒した倉本さんは、紅葉の帯で、 お能の演目とぴったり合わせたコーディネート。 季節を意識した着物や帯は一通り揃ったそうで、 次はストーリーを持ったコーディネートができるようなものを揃えたいとのこと。 う・・・うらやましい。 ま、着物人生は始まったばかりだからね。 -
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