私もけっこう変だった - 2003年02月08日(土) 前々から友達に、 「おもしろいから見に行ったほうがいい。」 と勧められていた演劇集団がある。 毛皮族、という。立教大学で演劇活動をしていた、 江本純子って人が演出家兼主演で旗揚げしてから、 まだ2、3年の演劇集団である。 けっこうえぐい・・・と聞いていたので、 うーーん、わざわざはいいやって思って、 観劇のお誘いも断っていたのだ。 それがふとしたことから、ちょっと仕事がからみそうになったため、 見ないとまずい状態になった。 ギラギラポルノ歌劇戦争ヤコブ横須賀泥だらけのSEX ね、タイトルえぐいでしょ。 しかし、実際には、想像していたほどだったわけではなく、 ふぅんって感じだったんだけど。 友達に聞いてみたところ、今回はつまらなかったとのこと。 芝居の内容はともかくとして、本日の着物話へ。 下北沢に見に行く=下北沢スズナリで見る と、なぜか私の頭の中にこういう方程式が成り立ってしまっているらしく、 毛皮族のチケットもちらしも手にもっているのに、 「下北沢」という場所の文字が目に入ったとたん、 疑いもなく、スズナリだと思ってしまった。 指定席だし、スズナリだから、ま、ウールの着物あたりならOKかな。 と思い、母の黒の絣のウールの着物に、汚れても怖くないポリの半幅を合わせることにした。 帯揚げは、母の赤の絞りのものを拝借。 撫松庵のソックスみたいな色足袋をあわせて、 履き物は赤の塗り下駄にした。 下北沢の駅を降り、毎度のことのようにスズナリの場所に迷い、 到着してみると演目が違うではないか。ちらしを確認すると、 「下北沢駅前劇場」と書いてある。 スズナリまで徒歩2分なわけないよな・・・と思ったんだよね。 時間もせまってきていたので、足早に来た道を戻る。 下北沢駅前劇場を前にして、着物で来たことを後悔してもどうにもならず。 案の定、自由席は桟敷。指定席だったため、一応椅子が用意されていた。 ちょっと右よりだけど、ほぼ真ん中。 タイトルで勘違いしたのかな・・・ってらしいおじさん達もちらほら見えたが、 20代ぐらいの若者でいっぱい。きっと芝居も変だろし、 それを見に来てる若者はそういう変が好きなんだろうけど・・・ その場に着物でいる私は、 またちょっと違う変な人に見えたことだろう(苦笑)。 開始8分前〜、という声で、前説の始まり。 江本純子扮するジュンリーがジュリーのダーリンを歌う。 上半身裸で南半球と北半球の地軸部分に、キラキラシールを貼って登場。 ちょっと陳腐な「愛の嵐」って感じ。 毛皮族のえぐさってこういうノリなのね・・・ とその光景に慣れるまで、恥ずかしくてジュンリーを直視できなかった私は、 入り口でもらったたくさんのちらしをぱらぱらやっていた。 すると・・・ジュンリーの帽子がいきなり舞台から私の膝へ飛んできた。 ごめんなさい。見ていませんでした。だって、恥ずかしいんだもん。 芝居は、唐十朗の世界が好きなのかな、と思わせるものだった。 今回は、宝塚をぱくりまくるというのが目的だったらしい。 2部構成で、第2部は宝塚のレビュー風に、 ピンクレディーナンバーを歌いまくっていた。 午後2時開演、終わったのは5時。 へんちくりんな空間で、へんちくりんな役者を前に、 着物をきて3時間も座っていた私も へんちくりん以外の何者でもなかったなぁ。 後で聞いたことだけど、椅子席が指定席だというわけではなかったらしい。 桟敷に着物で座るハメにならなかった私は、運がいい。Lotto 6買うかな。 - 一番しっくり - 2003年02月05日(水) 一昨年のちょうど今頃、着付けを習い始めた。 着付け教室へ行ったのではなく、母が選んでくれたカメリアの小紋を買った呉服屋さんで、教えてもらった。 初めての着物でのお出掛けは、祖母のウールの着物をきて広尾のビストロへ食事に行った。 それがね・・・。 まだ着付けの練習を始める前だったから、とんでもない格好で出掛けてしまったのだ。 母が、多少ならわかる、ということで着てみたのだけれど、左前?右前?どっち前?ってな感じ。 できあがった姿は、なんと、長襦袢が左前、着物が右前、というとんでもないものになってしまった。 知らないとは本当に恐ろしい。その時、エスコートしてくれた方が、着物を知ってる人じゃなくてよかった。 後日、そんな話をおがわやの女将さんにしたら、 「かわいそうに。ちゃんと教えてさしあげます!」 と母は言われたそう。 その後すぐに練習が始まり、 これまた無謀にも、練習二回目にして高校の同窓会へ着物で出掛けた。 でも、帯は自分で結べなくて、着物だけ着て、 おがわやさんに駆け込み、文庫結びをしてもらったんだけど。 たいした着崩れもなく帰ってきたから、気分がよかった。 一通り着られるようになってからのおでかけは、4月に入ってから。 ものすごく恥ずかしかったのを覚えている。 今までに味わったことのない、恥ずかしさだった。 嬉し恥ずかし・・・とは、こういう気分なのね。 朝からまる一日着ていて、帰ってきてからも脱ぎたくなくて、 鏡の前であれやこれや動いてみたりした。 すぐに脱ぎたくないのは今でもそうだけど・・・。 最初は、何がいいとか、どんなものが好きとか、全くわからなかった。 何が地味で、どんなものが派手なのか、それもピンとこなかった。 普段に着られるようにと誂えた紬も、母が選んでくれた。 帯はおがわやさんが選んでくれて、 それに合わせて、裾回し、半襟、帯揚げ、帯締めもそろえてもらった。 それはとてもしっくりくる一揃えになってしまい、しばらくの間は、 コーディネートを変えることができなかったくらい。 今日は、その最初の紬で。 くすみのある深緑色がベースになっている格子。 祖母は仕立て上がったこの着物を見て、 一言「こうといね」と言った。 地味ということだそう。本日の帯は、祖母のもの。 祖母のものと言っても、彼女が締めていたわけではなく、 私と母に、と博多織りの帯を何本が買っておいてくれた中の一本である。 この祖母が用意しておいてくれた帯のおかげで、 少ない着物達が喜んでいる。 着物一枚に帯三本というぐらいだから。 帯揚げは最初に合わせてもらったもの。 ピンクの小さい絞りが桜みたいに散っている。 帯締めは、撫松庵の絞りの丸ぐけ。 我が丸ぐけコレクションも着々と増えている。うれし♪ この紬には、芥子色かたまご色の半襟を合わせることが多いので、 白い半襟がとても新鮮。 でも横着してないで、今度はちゃんと合わせて縫いつけよう。 帯は花文庫にしてみた。 帯芯をいれずに、かがってあるだけだけなので、とても結びやすい。 帯枕使用の文庫結びなんだけど、半幅じゃないので、 この方が形がしっかりきれいにできると思う。 早く、コートや道行きなしで出掛けられる季節にならないかな。 ちゃらちゃら見せびらしながら歩ける季節に。 -
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